葛西リカコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
閉じ込める=監禁モノ!と喜び勇んで飛びついたら、全然鬼畜成分は無くてマジメに甘い執着愛で拍子抜けしましたが、これはこれで微笑ましくてよかったです。
施設で育って、幼い頃から親からの愛情に飢えていた智貴と春胤。ずっと友情で結ばれていた二人は、20歳になり施設を出てからも一緒に暮らす仲で、その日常の何気ないやりとりはキュンとさせるものがあります。
お互いがとても大切な存在だというのが伝わってくる会話に和みます。
智貴は自動車修理工場で働き、春胤も喫茶店でバイトしながらライターを目指していて、この共同生活はちょっと過保護な智貴の言動以外はすべて順調に運んでいるように見えたのですが。
友情が形を変えていく、というよりは、元々あった感情を押し殺していた攻の気持ちがあることをきっかけに露呈してしまい、ぎくしゃくしてしまうパターン。
春胤の戸惑いに、智貴への純粋な思慕と初々しさを感じます。少年から青年への過渡期真っ只中なんだな~と。
智貴も初恋をこじらせたまま成長してしまったような男子です。とにかく、春胤が心配で独占欲丸出し!まだ20歳なのだという未熟さをあちこちに感じさせる智貴です。そんなに独り占めしたがったら、春胤が息苦しくなるのは当たり前だと思っちゃいます。
でも、どうにかして春胤に相応しい男になろうと頑張っているところが憎めません。
春胤もまた、守られるだけではなく男として一人前になって、智貴のお荷物にならないようにしようと努力するところがなよなよしてなくていいです。
でも、そのことで返って話がややこしくなってしまったり。
二人の関係性は好みでしたが、ストーリーはツッコミどころ満載。
もっと大変なことになるのかと思ったら、ツメが甘くて、それで終了?と肩透かしだったり。
エピがいろいろ広げすぎで中途半端だったのが惜しいです。
もっと大事件が勃発してそれに二人が絡んでくるのかと思ったら、そうでもなくあっさり。最後がハピエンだったら二人が決裂して離れ離れになるくらい痛い展開になっても大丈夫だったのにな~
逃亡シーンをもっと迫力もたせて描いたりとか、後半の展開を盛り上げたほうが面白い話になったかも…
小さくまとまってしまったところだけが、残念。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ朝丘作品2つめ。
うーん、優太郎くんがお約束的におニブなのですが、それ以上に本田さんも鈍いなと思いました。自分自身の感情に対して。
女の子と付き合えるふつうの男の子なら、どんなに相手が可愛くてからかってやりたくなったとしても、弟分にそう何度もキスしたりしないだろ…
と、突っ込みながら読んでしまいました(苦笑)
だから、本田さんの中では、きっと最初に会ったときから優太郎くんは何かが特別だったんだろうな、という都合のいい解釈←
複雑な生い立ちもあって他人にも自分にも素直になれない本田さんが、子供っぽい嫉妬心や独占欲を持て余してぐるぐるしてるのがかわいかったです。
優太郎くんは気遣い屋さんってのもあるけど、本田さんのそういう気性の激しさにけっこう振り回されてた気がする(笑)
最終的にはお互い素直になれてよかったね、という心温まるBLでした。 -
購入済み
天然受けと天然攻め??
ん〜正確には3•5って感じです。セクハラエロおやじ藤沢(すっとぼけた天然?)と想いを秘めてオカンのよーに甲斐甲斐しく世話を焼く幸久(ぽやぽやの天然?)のトンチンカンな掛け合いが楽しいです。ライトめのラブコメ、グルグル思い悩んだりキュンとくるとこもありお布団シーンもなかなかで挿絵も綺麗でいい感じ。なのに、この評価なのは、、後半で明らかになる藤沢の誤解と解釈が「はぁ〜ぁ?」とあり得ないレベルのもので思いっきり興ざめしてあいまったせい。そこまでは本当面白かったのに思わず項垂れちゃいました。だいたいね〜セクハラだけでHなしで2年くらい付き合ってるって、どんな涸れてる関係だよ!(笑)まあそこだけスルーしたら楽しい一作です。
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルはちとアレだけど、ドラマティックなカバー絵に惹かれて、久々に華藤さんの作品を手に取りました。華藤さんの作品はストーリーどうこう以前に、外国の美しい情景描写が秀逸だと思う。
街並み、人いきれ、何もかも目の前に浮かび上がってくるような、匂い立つような、時には幻想的ですらある。
死に魅入られた男×生きる喜びを拒む男
BL界では特にめずらしいことではないけど、いきなり体始まりな展開はあまり好きじゃない。
だけど、このふたりの場合、それぞれにちゃんとそうする理由があって、ちっとも不自然ではなかった。
自分の家族と恩人、死なせてしまった人間への贖罪の毎日を送っている颯也。
生きる喜びなんて感じてはいけない、神など信じてはいなかったけれど、神学生としてアンダルシアの修道院でひっそりと暮らしている。
このままここで朽ち果てるのを待つしかない静かな時間。時折狂おしいほど渇きを感じる。
スペイン中が熱狂する若き美貌のマタドールのユベールは、死と紙一重の危険な闘牛スタイルで人々を魅了し続けている。
死ぬことなど少しも恐れていない。なぜなら自分は最高の瞬間に死ぬために闘牛を続けているのだから。
一方は自分を傷つけることで、一時でもこの逃れられない暗闇を忘れたい。
もう一方は、生きるか死ぬかの勝負に今日も勝ったという高ぶり。今日もまた終わりにできなかったという相反する絶望感。そんな体の熱を冷ましたい。
お互いに愛などこれっぽっちも感じていないはずだった。けれど利害が一致しただけのつながりが、いつしか快楽に変わる。
時折無意識にこみあげてくる愛おしさ、いつしか生まれた相手への執着心を持て余す。
颯也の過去はわかりやすかったけれど、ユベールがどうしてそこまで死に魅入られているのかよくわからなかった。
確かに父親とのエピソードはトラウマになるのに十分ではあるけれど。
愛を自覚した颯也を、突き放すやり方もかなり歪んでるな~と思う。
ユベールが結果的に、生まれて初めて人を愛しく感じ、死ではなく、頂点に君臨して生き残り続けることを選択するまでの心の変化が、ちと分かりづらかった。
もうちょっと書き込んでくれてもよかったな。大事な部分だし。
でも全体的に悪くなかった。とにかく非常に美しかった。
早朝のアルハンブラ宮殿デートと、夜のヒマワリ畑での〝お外エッチ〟が無自覚にラブラブでよかったですww -
Posted by ブクログ
ネタバレ前にこの作家さんを読んだとき、文章が生理的に無理って思ったけど、キャラクターやストーリー運びは好きなので、また手に取ってみた。だいぶ慣れたせいか、前ほどは感じなかったけど。やっぱり、句読点の打ち方とか、漢字、平仮名の使い分けとかが無性に気持ち悪い・・・個人的に。でもお話は好き。攻がな~・・・かっこいいんだけど、見た目と違ってほんっとガキなんです。で、一見うぶで素直で世間知らずのかわいい受くんはびっくりするほど大人。こんなふたりがまるでパズルのピースみたいにピタッとお互いにはまるんです。
わたしはこの作家さんのちょっとポエミーな心理描写が好き。
ところで、『ハルちゃん』のスピンオフとかはないのかしら。この人かなりおもしろそうなのに。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ最初に言っておくと、思い切り犯罪者×年下受け、なのでダメな人はダメなのかもしれない。
朱砂は十五歳の時に、病院帰りの電車の中で、唇を奪われた。
その朱砂の唇を奪った相手は、指名手配中の逃亡者だった――。
片田舎のローカル線の車内で突然起こった出来事。
それが、朱砂と稲月真男との出会いだった。
その後、真男が指名手配犯であることに気が付いた朱砂の通報で真男は逮捕される。
そして、七年後、二十二歳になった明日なの前に再び稲月が現れた。
驚くと同時に、怯える朱砂をよそに、稲月は勤務先を告げただけ……。
生まれつき身体も弱いことを理由に、高校を卒業してから、定職にも就かずふらふらとしている朱砂にとって七年前の稲月との出会いはとても印象深い出来事だった。
朱砂は、そんな稲月に対して興味を抱き、距離を近づけようとし始める。
という感じの話でした。
病気がちで友達もいない朱砂にとって、稲垣との思い出が今までの人生で一番強烈に印象に残る出来事で、その思い出から出てきた稲月は強烈に朱砂の興味を誘って。
朱砂はその気持ちに正直に、稲月に近づいていくけれど、犯罪者ではあるものの、しっかり地に足を着いて真面目に仕事をしている稲月に近づこうとすればするほど、朱砂は自分の心無い言動で稲月を傷つけたり、自分の至らなさを思い知ったりする……そうやって朱砂が少しずつ成長していく。
なんだかとってもキレイな話でした。
じんわりきました。
これ、BLじゃなかったらドラマみたいな話だよなー……と、なんだかしんみりしてしまった。
なんだかキレイな世界観で作りこんで、静かなドラマにしてほしいなー……とか思ったりするくらい、あったかくてゆっくりな話。
扱うテーマが「犯罪を犯した人間」だっただけに、ちょっと重くないかな? とドキドキしながら読んだ部分もあったんですが、消化不良を起こすこともなく、重くも、軽くもなくちょうどいい加減でその過去も描いた話でした。
静かでしっとりした小説がお好きな方にはオススメです。
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