乃南アサのレビュー一覧

  • 花盗人

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    とにかく、生々しい。

    短編のひとつひとつに、執着心だったり、怨恨だったり、コンプレックスだったりが、濃密に織り込まれていて、何となく、首の辺りに絡みついてくるような、独特の不快感。登場する女性たちも、そんな感じ。

    ストーリーは 良く出来ていますが。

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    2020年09月06日
  • 風紋 上 新装版

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    一家の何の変哲もない主婦が殺され、車に放置される事件が起こる。

    これは辛い。
    母を殺された娘の慟哭が物凄くリアルで、かなりキツい。

    母の死を受け入れられないまま日数だけが過ぎ、
    ジワジワと壊れていく次女。
    とにかく事細かに描写されているので、休憩を挟みつつ読まないと気持ちが滅入ってきてしまう。

    犯人は判明するのだが、それで安定が訪れるはずもなく
    被害者家族はこれからどうなってしまうのか。

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    2020年09月06日
  • それは秘密の(新潮文庫)

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    短編集。
    男女の感情を上手く描いている。
    すれ違い、勘違い…心の隙間を埋めてくれるような、なんとも言えない気分になる。
    本当に数ページの短い作品でも、グッと心に響いてくるものもあって、面白かった。

    2020.7.27

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    2020年07月28日
  • 殺意・鬼哭 <新装版>

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    殺した側の前編と、殺された側の後編。明確な殺意が見当たらないが故にゆっくり辿っていくのだが、フリが長く引っ張りに引っ張って、、。前後編を逆にして殺した理由を最後にもってくるとまた違った読後感になった気がする。

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    2020年06月25日
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(上)

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     女刑事音道貴子シリーズ第6弾。「凍える牙」「鎖」に続くシリーズ3作目の長編。
    今回は再び音道刑事と滝沢刑事がタッグを組み、事件捜査に当たることになった。
     前2作は割と短期間の展開だったのでストーリー自体がスリリングな様相を呈していたが、本作は事件の内容上、割とゆっくりとした展開になっている。それだけにお互いが今までどのように思ってきたのかも描かれており、信頼関係を垣間見ることができる。
     上巻はあまり進展しない事件捜査について描かれているが、最後に音道がフッと思いつきを口にする。そこから一気に進展する予感をさせたところで下巻に引き継がれている。

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    2020年06月21日
  • 女刑事音道貴子 嗤う闇

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     音道貴子シリーズ第5弾にあたる第3短編集。
     長編には欠かせない相方である滝沢刑事も1編に登場するが、他の収録作と比べるとやや印象が薄い。逆に言うと、他の作品の印象が強いということ。表題作「嗤う闇」をはじめ、人の心の奥底に潜んでいる闇に注目した作品集といった趣が強い。ミステリーではあるが、そうした心理描写を読む楽しみの多い作品集。
     音道シリーズの短編集はこれで3冊目になるが、本書がそういった意味で一番インパクトのある作品集である。

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    2020年06月19日
  • 女刑事音道貴子 未練

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     音道貴子シリーズ第4弾。2作目の短編集。
     長編では「凍える牙」「鎖」と滝沢刑事が相棒など物語の構成上、重要人物としてとして登場するが、短編は音道刑事の滝沢以外の繋がりについて書かれていることが多い。そのため、長編と短編を別個にして読むこともできるが、内容の繋がりというか、音道刑事の心理描写を追うと、やはり順に読んでいくべき。
     本作は短編集なので、一部を除きほとんどが単独の内容となっており、表題作の「未練」はそれ単独として存在しているが、このタイトルが6編全てに関わってくるところが面白い。

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    2020年06月16日
  • 女刑事音道貴子 花散る頃の殺人

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     音道貴子シリーズ第2弾。本作は表題作含む6篇を収録。
     前作「凍える牙」でコンビを組んだ滝沢刑事も時折登場するが、本作は音道が配属された立川の機動捜査隊を中心に描かれている。
     前作のような緊迫感は感じないが、代わりに人の強さや弱さ、温かみを感じる作品が多い。ジャンルとしてはミステリーだとは思うが、謎解き要素が少なくやや物足りなさを感じるかもしれい。

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    2020年06月05日
  • 殺意・鬼哭 <新装版>

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    なんだろう。
    長いつきあいだからって、関係に甘えてちゃダメなのねってゾッとした。
    だからって
    だからって?
    サイコパスに生まれ変わらなくてもよくないか?

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    2020年05月21日
  • 暗鬼

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    大家族の暗部に焦点を当てたストーリー。
    だんだんと日常が瓦解していく不穏な雰囲気が読み進める度に味わえました。

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    2020年04月29日
  • 風紋 下 新装版

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    流石に長すぎる。上下巻で1131ページ。母を殺された家族とその被疑者の家族をめぐる物語。心情描写、文章はうまいけれど、展開がスローなのは上巻と一緒。下巻では劇的な展開を期待したが、思ったほどでもなかった。話自体は興味深いけれど、これはちょっと集中力が持たなかった。終章が蛇足に思えたのでその前で終わってよかったような。長かったわりに本当に知りたかったことは藪の中なのも消化不良。とはいえ圧倒されるところもあり(特に上巻)読んでよかった。でも再読だったと994ページ目に気づいたときは自分のボケ具合に落ち込む。

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    2020年04月28日
  • ニサッタ、ニサッタ(下)

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    自分自身の人生を受け入れ、愛する人のために働くことができるようなった主人公。読み進めていけばいくほど、彼の言動の変化が目に見えてわかりました。一度失敗したって、必ずそばで支えてくれる人はいるのだから、どんなときも人生をあきらめてはいけないと思わせてくれる話でした。

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    2020年04月18日
  • 女刑事音道貴子 花散る頃の殺人

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    ネタバレ

    『風の墓碑銘』がよかったので、読んでみた。
    もちろん、巻末の付録の「滝沢刑事・乃南アサ 架空対談」が目当て。
    自分は、音道なんかより、滝沢ファンなのだw

    『あなたの匂い』は、確かにキモチ悪い。
    こんな目に遭ったら、男でもキモチわるくて、とりあえず風呂入って体中ゴシゴシ洗いたくなると思う。
    ま、幸か不幸か、男の家のゴミを漁って、匂いを嗅いで喜んでいる奴もいないだろうけど(笑)
    話(ストーリー)としては、イマイチかな?w

    『冬の軋み』は、なんだかなぁーって話。
    内容としては、(具体的には思い出さないけど)昔、こんなストーリーのドラマがなかったっけ?みたいな。
    ただ、暗くなるのが早い冬の夜にある、剣呑な雰囲気が、「あぁ冬の夜って、こんな感じのする時あるよね」って感じで。
    その辺りは、さすが巧く描いているなーと思った。

    そんな最初の二編と比べて、『花散る頃の殺人』はしみじみとした話でよかった。
    (『凍える牙』や『鎖』と比べて)『風の墓碑銘』もそうだけど、最近はこういう、どこか枯れた感のある、地味~な話の方が好きで。
    つまり、自分もそういう年齢なんだなぁ~と。ちょっと、しみじみしてしまった(爆)

    一方、『長夜』は、若い頃特有の付き合い感じが巧く出ているところがよかった。
    いっそ、安曇とバイク2台で回ったら、もっとよかったんじゃないかなーと思ったが、よくよく考えたら、それだと片岡義男になっちゃうか?w

    無茶苦茶よかったのが、『茶碗酒』!
    もう、滝沢ファンとしては堪らない(爆)
    ただ、自分としては、主人公は滝沢というよりも、大晦日の夜こそが主人公であるように感じた。
    そのくらい、大晦日の夜のあの感じがバッチリ描かれている。
    読んでいて、大晦日の夜の気持ちになっちゃうくらいw
    変な話。こんな感じで、正月から始まって、成人の日、ヴァレンタインデー、大雪、ひな祭り……クリスマス、大晦日と、1年間の短編集を書いてほしいと思ったくらいよかった。

    『雛の夜』は、正直、好きじゃないなぁ~。
    女は常に正しく、男は常に悪い的な、著者特有の感覚が前面に出すぎちゃっている気がしてw
    いや、著者はああ見えて、結構タヌキで。小説で描く世間に対する感覚は、実生活では結構違うようにも思うのだが、それにしてもラストの展開なんかは鼻白む。
    たぶん、この系統の話なら、樋口有介辺りの方が上手く描くんじゃないだろうか?
    (ただ、著者はもしかしたら、ラストの母と子の関係を描きたかったのかな?とも思う)

    ま、短編だから。何かしらの雑誌に載せるために書くわけで。
    その雑誌の購入層にウケるように書く、というのもあるのかな?w


    そして、いよいよお目当ての、特別巻末付録「滝沢刑事・乃南アサ 架空対談」は……
    残念ながら、ちょっとイマイチだったかなぁ~w
    というのも、著者と語る滝沢が、自分のイメージする滝沢とビミョーにズレているような気がするのだ。
    それは、このシリーズの主人公の音道もそうで。
    自分のイメージからすると、「こういう時に音道みたいなタイプの女性はそういう行動するかなぁ~/言うかなぁ~」というのがよくあるw
    ただ、最近はキャラクターをガッチリ創りこみすぎちゃっている小説が多いので。
    そこはあえて、この著者の持ち味なのだと、良い方に捉えたい。

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    2020年02月11日
  • 暗鬼

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    乃南アサさんの作品は、ミステリもホラーも面白いので、余り選ばずに読んできた。
    ところが、この作品は、表紙と題名からの期待がちょっと裏切られた感じだった。

    見合いで気に入って嫁にきたが8人が同居する大家族だった。98歳の下半身が麻痺した曾祖母までいる。
    が、夫を頼りにして入り込んでみると、揃って陰りのない笑顔で、まるで作り物のように笑いかけてくる。何をしても歓迎、喜んでくれる。常に皆が笑顔で褒めちぎられるなんてことなどあるのだろうか。それでも、不思議ではあるが、悪い気はしないで次第に馴染んでいく。
    ただ、ときに不審な人物が曾祖母を訪れる。生活の智恵を授けているらしい。
    しかし暫く暮らしてみると、大家族の家にしては、お互いになれなれしすぎる。障碍者の世話をしている姉と弟も関係が粘つく、性的なにおいがする。

    夜、気がつくと、横に夫がいない。探しに出てみると曾祖母の部屋で人声がする、何か会議でも開いているらしい。その後歩いている曾祖母と祖父の後姿を見たような気がする。

    寝たっきりの祖父の世話をする祖母は、普段は他人に触れさせたくないらしい。

    考えれば、鬱々としてくる。と、家業の米屋と雑貨を売って繁盛しているらしい店を突然閉めて蓼科の別荘にいくと言い出した、一台車に押し込まれて全員が移動する。そこで奇妙な体験をする。

    帰ると蓼科で儀式が済んだらしい、本式に家族と認められたことになり、すこし内情がわかってくる。ますます変ではないか、どこかおかしい。

    そこで友人に相談する。招いた友人に家族はこれまでになく実に優しい。

    庭で野草を育てている、見るからそれは薬草で、危ない作用をするものがある、曾祖母はそれで悩める人の治療をしているらしい。

    店子の氷屋が全焼して、曾祖母のところに憂い顔で通っていた主人が焼死した。
    これにもなんらかの関係があるのだろうか。

    ますます疑念が深まる。

    友人が庭の見学にと連れてきたは男が薬草に異常な興味を示したが、姿が消えた。


    様々な出来事に気がつく、揃って愛想よく笑いかける家族の裏の顔がついに暴かれる。家族のおぞましい関係。
    不思議な結びつきが暴かれたときは、いつか快い居場所になっていた。友人も引き込まれ新しい血が加わることになる。


    生理的なタブーがじわじわと迫ってくるが、それが自然な流れに感じられるところが筆力か。
    余りなさそうな、フィクションの世界であっても現実ばなれのしたテーマに、多少距離感を感じてしまった。

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    2020年01月13日
  • あなた(上)

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    うわぁ、秀明嫌な奴と思ってしまったが、この年頃のそこそこモテる男子の正直な胸の内なのかも。
    下巻にどんな展開が?!

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    2019年12月24日
  • 女刑事音道貴子 花散る頃の殺人

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    同著者が出した女性刑事ものの小説の主人公を題材にした短編集、というか続き。
    ラストがん?ってなった前作の凍える牙よりは、今回は短編ということもありお話がスッキリしてて読みやすかった

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    2019年12月17日
  • 殺意・鬼哭 <新装版>

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    2部構成になっていて、前半は親友を殺害した真垣の視点からのお話。後半は殺された的場の回想シーン。際立った殺意につながるようなものは何もないように見えるが、殺人事件は起こる。どちらかというと、犯人の真垣の気持ちに共感できた。
    加害者側からと、被害者側からと別々の視点で語られる物語の構成は、斬新でよかった。

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    2019年11月10日
  • 不発弾

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    内容紹介
    今度はあなたが、爆発させてみる? 退屈な日常から逃れられるきっかけなんて、どこにでも転がってる。デパート勤務の的場智明は、地味な売り場での仕事に耐える日々を過ごしていた。そんな折、息子や娘の、“秘密”を妻までが一緒になって隠していたことに気づく。たまりにたまった憂さをはらすために彼がとった行動とは……。表題作など、現代人の爆発寸前の心境を的確に捉え、見事な筆致で描く、秀逸短編集

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    2019年11月05日
  • 女刑事音道貴子 鎖(下)

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    内容(「BOOK」データベースより)
    貴子が目を覚ますと、廃屋に監禁され、鎖で手足を縛られていた。一方、行方不明の貴子を救出するため特殊班が編成され、かつて彼女と組んだ滝沢刑事も加わる。やがて犯人らの巧妙な現金奪取計画が明らかになり、貴子も犯人の中の女性を説得し、懸命に本部との連絡を試みる。が、特殊班はなかなか潜伏先に辿り着けない。ついに貴子の気力・体力も限界に―。傑作『凍える牙』の続編。

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    2019年11月05日
  • 女刑事音道貴子 鎖(上)

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    内容(「BOOK」データベースより)
    東京都下、武蔵村山市で占い師夫婦と信者が惨殺された。音道貴子は警視庁の星野とコンビを組み、捜査にあたる。ところが、この星野はエリート意識の強い、鼻持ちならぬ刑事で、貴子と常に衝突。とうとう二人は別々で捜査する険悪な事態に。占い師には架空名義で多額の預金をしていた疑いが浮上、貴子は銀行関係者を調べ始める。が、ある退職者の家で意識を失い、何者かに連れ去られる。

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    2019年11月05日