乃南アサのレビュー一覧

  • いちばん長い夜に

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    完結編は3.11を絡めた人の生き死に、罪の重さ、消せない過去を考えさせられずにはいられない…。
    ラストの芭子、綾香、南との対話は、人の再生に必要なプロセスと明るみにされない、避けて通りたい、見たくない事実も詳らかに訴えかけてくる。もっと彼女たちの世界に触れてみたくもあるが、そうそういつまでも見守り、伴走できるものではないし、万能でもないので、完結してホッとしている自分に気がついた。

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    2019年03月31日
  • すれ違う背中を

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    日常の中の非日常…。そうそうそんなことは起きないだろう、とツッコミながら読み進めると、芭子の成長が感じられ、見守っているように錯覚してしまう。流石ですね…。

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    2019年03月29日
  • 女刑事音道貴子 鎖(下)

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    長かった……貴子を拉致した場所特定から、突入までが長かった。でも飽きずに最後までワクワク感が止まらず。嫌いな人を叫べ→『星野です』にヤッター!みたいな(笑)滝沢が貴子を思う気持ちと、貴子が滝沢を思う気持ちの温度差がw 昂一が良かったなぁ~~。次回作でシリーズ終わりみたいですね。貴子と滝沢、貴子と昂一が、どうなるのか楽しみです。警察内部が貴子を信じてくれる仲間意識にホッとしました。

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    2019年01月20日
  • 女刑事音道貴子 風の墓碑銘(下)

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    随分、サラ~~っと終わったな……と言う感想です。前回の音道拉致がハラハラした分、今回は少し物足りなかったかな。滝沢の音道に対しての愚痴?が可笑しかった。相変わらず、、距離は余り縮まないけど。また、二人が組んで凶悪犯罪にドンパチするような話が読みたい!

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    2019年01月20日
  • 女刑事音道貴子 未練

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    キャラがたっていて、読みやすいし面白いと思う。
    が、ストーリーが読んでいて落ち込むわうな話...。
    スッキリ死ねー。モヤモヤが残る。

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    2018年12月04日
  • 涙(上)

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    たまには長編を、と、久しぶりに上下巻の小説を。東京オリンピックのころという時代設定がいい。男は亭主関白で無骨。女は気立てよく控え目。昭和ならではの人々の交錯が、話のいいエッセンスになっています。

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    2018年11月24日
  • 再生の朝

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    夜間高速バスで繰り広げられる恐怖と再起のサスペンス。

    品川発山口県萩行の夜間高速バスは、乗員2名、乗客10名で出発する。

    バスには離婚や夢破れた者など、いろんな思いを抱いて乗っている乗客たち。

    しかし乗務員のひとりの男に恨みを持った女がバスをハイジャックし、挙句の果てに乗務員は殺されてしまう。

    殺伐とした世の中で生きる希望を見失いかけた者たちが、バスジャックに遭遇した事によって新たな出発の朝を迎える。


    これも乃南さんの初期作品。

    読みやすい代わりに人物描写はそれほど深くない。

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    2018年11月18日
  • 5年目の魔女

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    魔性の女の長編書下ろしサスペンス。

    会社でも仲良しだった飯島、貴世美、景子。

    しかし妻子持ちの飯島と貴世美が只ならぬ関係に。

    魔性を秘めた貴世美と飯島は落ちるところまで行ってしまうことに嫌気がさした景子は会社を去る。

    それから5年の月日が流れ、景子は貴世美から見張られているような気になり、5年前の関係を清算をつけるため貴世美を探すが、衝撃の再会を果たす!


    凍るような寒さというより、リアルにありそうかもという怖さが感じられました。

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    2018年11月16日
  • いちばん長い夜に

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    読んでいて東日本大震災の頃に戻ったみたいな心境になった。緊急地震速報とかCMとか、当時の記憶や空気が蘇るようだった。全体的に、前二巻の方が何気なさの中の良さがあって好みだった。

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    2018年10月17日
  • ドラマチック チルドレン

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    終盤までノンフィクションと知らずに読んだ。非行はともかく、殆ど描かれていない閉じこもり型不登校の子たちは、悪いことなんか何もしていないのにどうして刑務所のような施設で生活しないといけないのかと、他人事じゃなくて反発を感じた。社会復帰をするにはそういうことが必要なのかな…。主宰の経験から来る自負や威圧感も苦手で導入部は読み進めるのを躊躇するくらいしんどかった。恵が脱走する辺りからは物語として自分や現実から切り離して読めてほっとした。非行少女だったことが嘘みたいな恵の成長が出来すぎた物語染みていて眩しかった。

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    2018年10月17日
  • ライン

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    面白かった。電話回線でパソコン通信をする時代の話だけれど、チャットにハマってはしゃいだ女の子のふりをする薫が何故か自然で寄り添い易く、古さを感じずにさくさくと読めた。自分がチャットをしていた頃やオフ会に対する印象の変移を思い出した。解説の「作者は自分の意見を差し挟もうとは決してしていない」が印象的。薫は勉強を放り出して母親に甘えてパソコンばかりしている三浪の主人公だけれど、視線が優しくてつらさや反発を全く感じずに読めたのはその為かもしれないし、差し挟むどころか温かく見守ってくれているとエピローグで感じた。

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    2018年10月17日
  • 女刑事音道貴子 嗤う闇

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    親切と母親気取り、往年の映画スターと下町女系家族のストーカー被害、滝沢の娘婿の借金問題、強姦未遂を通報し容疑者となった昂一。女性の味方であり女性としての苦労もする貴子は女性ならでは?三話では凍える牙で少女だった娘が既婚で、四話では監禁事件から何年も経っている。時系列が不明な話は平行世界みたい。安定。

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    2018年10月14日
  • 女刑事音道貴子 未練

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    監禁事件後の休暇中に出会う事件以外は時系列が何となく不明なまま、プライベートから地続きで刑事をしている貴子にひとりの人間としての確たるリアリティのある計六編。砂場での幼女の異常な死と犯人の七歳児と彼の妹と貴子の先輩な母親の虐待家庭の話が、静かな雨みたいで幼児の体温も感じ悲しくて切なくてとても染みた。

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    2018年10月14日
  • 女刑事音道貴子 花散る頃の殺人

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    貴子のゴミを漁る変質者、若者たちに襲われた男性、おかまな友人との捜査、連続暴行魔に正義感を募らせる援助交際の女子高生等、六つの事件。貴子は、笑顔で塗り固めるとまだ若いんだなあと思うけれど、前作よりも肩の力が抜けて班に馴染めているみたい。周囲と触れ合いながら仕事や日常を送る三十代前半女性的等身大。

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    2018年10月14日
  • 6月19日の花嫁

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    交通事故に遇い、一週間後に結婚を控えたことだけを残し他の記憶を失った千尋が、倒れている彼女を拾った一行やホステスをし悪女だった過去や義母を名乗る雅美に混乱しながら、一筋縄でいかず錯綜する記憶を辿る。雅美と弁護士のサスペンスな彩りと、そこで手伝いをしているあまり頭の良くない素朴なトモヨに引き込まれた。

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    2018年10月10日
  • ウツボカズラの夢

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    母を亡くした18歳の少女は、父の再婚を機に故郷を捨て、母方の叔母宅を頼りに上京する。だが、その家は普通の家ではなかった…。
    登場人物の誰にも共感できないのに、面白くてページをめくる手を止められない。女性の心理を書かせたら、乃南アサさんほど秀逸な人はいない気がする。
    読み終えてから、タイトルの意味を考えるのも面白い。

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    2018年10月03日
  • 女刑事音道貴子 嗤う闇

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    まるでドラマを観ているよう。
    「凍える牙」や「鎖」では貴子が苦しむ姿を見ているので、今回の短編集での貴子の昇進と活躍は嬉しい。滝沢との絡みもあって良かった。年下の同僚が怖がり慕う貴子は、確実に成長してる。

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    2018年08月26日
  • 女刑事音道貴子 鎖(上)

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    途中からどんどん面白くなって最後の方は一気に読んだ。久々に小説の中に取り込まれた感じがする。描写や心情の描き方がうまい。

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    2018年08月20日
  • 女刑事音道貴子 未練

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    今回も、職業柄か貴子は喘いで苦しんで絶望する。警察という職業はどうしても、人の裏や社会のネガティブさを直視してしまう、損な役回りなのかもしれない。そこにやりがいがあるとすれば、犯人を捕まえる執念だったり、犯罪回避だったりの正義感が必要になってくる。
    短編なのでサクっと読める。

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    2018年08月14日
  • それは秘密の(新潮文庫)

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    いろいろな男女のお話。
    女性の視点、男性の視点、男の子の視点、恋人同士、夫婦間、別れた元夫と妻、全くの他人、様々なシチュエーションで描かれている。
    人の想いって複雑だな。だから物語になるのか。

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    2018年07月15日