乃南アサのレビュー一覧
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痴漢冤罪事件からじわじわと家庭の崩壊していく状況が不気味です。それ以上に怖いのが、近所や会社の中傷に学校でのいじめゲーム。
作中の家族も、バツ一夫に思春期の息子、後妻で身重となった妻。とても面倒くさそうで、これは大変だなーと思いました。
痴漢事件までは、この家族は結構うまくいってる方なのですが、表面的に仲良くいい家族を演じていたので、ひとつほころびが生じると、どんどんと穴がひろっがていってしまうのです。
その後、親戚まで預るようになったものの、この親戚を介在して家族がだんだんとまとまっていくことになり、安心しました。そこまでいくのには、ずいぶんと試練が待っていますけども。
それにしても、一家を -
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30を前にした二人の同級生の話。
1人は女らしさがかけている?恋と縁遠い生活を送ってきた栗子。
もう一人は、おなべ。
二人とも辛い恋をして、そして、立ち上がろうとするまでの話。
栗子はとにかく、うっとうしい。上巻の139ページからのくだりは、かわいいと言えなくもないが、同じ女としてちょっとした鬱陶しさを感じてしまう。
それにたいして、菜摘は、男であることを選んだだけあって、気性もさっぱりしており、菜摘の口から今は時間を、とかほっといてあげてと言われると、納得してしまう不思議な魅力がある。
だから、自分の気持ちに精一杯で、周囲の人が、当時はね。。。と気持ちを伝えると、それに気付けなかった器 -
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ネタバレ「ニサッタ」とはアイヌ語で明日の意味。
北海道出身の主人公片貝耕平は東京の大学をでて、就職するが長続きしない。次に入った会社が倒産。
人災派遣に登録し仕事を回してもらうがこれも長続きせず、めぐりめぐって住み込みの新聞配達員になる。
が、ある事件をきっかけに故郷に帰り、スーパーでアルバイトとして働き始めもう少しで社員になれるかというところで、飲酒運転で事故を起こし大怪我を負い、会社からは解雇される。
最後の100ページをきったところで、怪我が治り料理人として今度こそまじめに働きだすところで終了。
耕平の今後と杏奈との関係がどうなるのか、続編が出てもいいような終わりかた。
耕平の祖母の -
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ネタバレ新米警察官高木せいだいシリーズの2冊目です。
昔読みかけて放置してた本を乃南アサブーム再来で改めて読んでみました。
交番勤務になった高木が、町の人とのふれあいや事件を通じて成長していくお話。
こう書けば簡単なのですが、中身はもっと深いです。
人間ドラマあり、殺人事件ありで。
中でも「とどろきセブン」と言って、70代のおじいちゃん・おばあちゃんが警察が介入出来ない地域の悪をやっつけてるところは、有川浩「三匹のおっさん」とかぶるけど、これはこれでいいかなと。
これ、さらに続きが読みたいと思ってるのは私だけではないらしい。
書いてもらいたいですね。 -
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大正から昭和にかけて、北海道 知床の開拓移民の子として生きた、一人の女性の人生が描かれている。
そんなに昔の話ではない。実際、私の祖父母と、この物語の主人公とわは、ほぼ同世代だ。そんな時代に、こんな過酷な環境で生きた人達が現実に多勢いたのだということに、驚きを感じた。今の自分の便利な生活につながる時間の糸のつい先にこういう生活があったのだと思うと、感慨深い。
主人公とわは、貧しい苦しい生活のなか、更に、開拓の失敗や父の死などの不幸に次々見舞われる。思い通りにならない人生。とわは、「何で生きるんだろう」「何のための人生なんだろう」と繰り返し自問しながら、それでも歯を食いしばって逆境に耐え、生き抜