冨山和彦のレビュー一覧
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2025/7/25
今、簡単な原稿づくりなども初稿は生成AIでつくることが始まっている。しかし、そこから編集するのは人間にしかできない。編集においては、問いを立てる部分とディシジョン(決定)の部分は人間に残る。生成AIには問いが立てられないからだ。
意思決定には、ある種の直感や価値判断が必ず入り込む。逆に、それが必要ないものは本当の問いではない。「ボス仕事」は残るのである。
「カフェテリア方式」リスキリングの問題点
現在の我が国のリスキリングの問題点は、この二つの整理ができていない点だ。無秩序にリスキリングの広範なメニューを提示してしまうため、無駄で的外れに終わるケースが後を絶たない -
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現在の経団連会長は住友化学の十倉 雅和氏である。本書の中西氏は体調不良を理由に21年6月に会長職を辞任し、その同月に逝去している。就活ルールや日本型雇用システムの見直しに熱心に取り組んでおられた。その方と、私が最近はまっている(遅いが)冨山和彦氏の対談本であり、興味深く読んだ。
リーダー論やガバナンス論、人材育成など、多岐に渡る議論で色々学びがあったが、最も心を打たれたのは「社長は、仕事が趣味じゃないと務まらない」という格言である。そうか、私はあまり仕事が好きではないのでは、と。楽しい仕事だけではないのは当然で、辛い仕事も乗り越えるのだが、その苦難の克服の過程にも仕事の面白さがある。それは勿 -
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2025年まで後半月ほど。
この本は2022年の出版なので、既に状況は変わっているが、違和感なく読む。不確実性の時代、と言いながら、いまだかつて確実な時代などあったのかという気もするし、これだけ複雑に作用し合う社会だとしても、可視化された範囲での合理性は、さほど不確実とも言えないと、違和感の無さは、その証左かもしれない。あるいは、冨山和彦氏の先見の明がなす業か。単に政治的な膠着か。
ー これは何を意味するのか。日本は主に内需、つまり個人消費で食っているということだ。
実際、日本のGDPに占める個人消費の割合は50%強に上る。これを「日本が成熟した国になった証し」と説明する向きもあるが、違う -
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冨山和彦が好きで読んだのだが、全体的に薄くて既知の内容が多いという印象。
地方が消滅する最たる理由は人口流出だが、それによりインフラ維持もできず、土地に留まる理由が弱化していく。農業や観光業のように土地に留まる産業が活性化すれば、それに付帯した事業が持続されるが、そもそも人口減で農業離れしていくと、後は観光業頼みとなっていくが、そこでの外資の役割については、慎重な判断を要する。この本に書かれるが、雇用の中身を地元の人に聞くと、清掃とかリネン業務とか、年収100万〜200万円という仕事が中心で、他のより高い収入を期待できる仕事は、季節労働者を増やしたり、外部から雇用されるようだ。
先の都知事 -
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タイトルを見ると、コロナ禍に読むべき本という気がするが、コロナ禍に限った話ではなく、今読んでも学びの多い本。というのも、コロナショックで「倒産しそう」な状況に対して、産業再生機構の中核メンバーとしての過去を持ち、株式会社経営共創基盤(IGPI)のCEOである冨山和彦氏が「再生するための戦い方」を力説する書だからだ。コロナ禍に限らず「戦い方を知る」という事は常ながら役に立つことであるし、経営の本質を深く理解する著者の歯に衣着せぬ言説は、迷える経営者への力強いエールでもある。
売り上げの消滅はキャッシュ流入の消滅でもある。中小企業は言うに及ばず、トヨタのような企業でも手元現預金はせいぜい売り上げ -
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第四時産業革命、society5.0という社会において、産業構造の変化、それに伴う事業、および、組織をはじめ、人材や文化などあらゆるものを変えていかなければならない。こういった時に重要な役割を担うのが意思決定を行う社長であり、本書では今の時代に必要な社長としての条件、選任方法、ガバナンス体制について、著名人からの考えで学ぶことができる。
新たな学びとなったのは、牽制機関として働く社外取締役をどう決めるかや指名委員会の運営による決定方法など、社長以外の重要人物に対する考え方、また、ガバナンス体制をどう構築するかといった基盤が大事であるということで、ある意味当たり前のようであるが考え方として抜けて -
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過去100年で世界の経済規模は400倍。人口は4倍だから、100倍分はイノベーションによって成長している。
世界は完全なる内部循環経済しかないのに、400倍になっている。だから、地方の会社が「地域外からお金を稼ぐ必要がある」というのは唯一の答えではない。地域の中で回すこともできる。
世界で戦うグローバルカンパニーと、地域で戦うローカルカンパニーは、全く違う世界・ルールの中で勝負している。ローカルで戦うなら、区切られた市場で限られた競合と戦っているので、世界チャンピオンではなく国体代表とか市民大会チャンピオンを目指せば良い。
会社を良くするには、以下2つが必要
・課題の全体像
・解決をや -
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両利きの経営とは、深化と探索の両方を追求する経営のこと。
社会や技術が素早く変化する現代においては、既存事業の成功が”時代を遅れ”を生み出す元凶になる場合もある。(サクセストラップ)
よく勉強をしている人ならば、「そんなことはわかっている」と思ったかもしれない。
この本がすごいのは、「両利きの経営が大切だ」とただ声高に叫ぶだけでなく、様々な企業の成功事例、失敗事例から、両利きの経営を目指したときにあらわれる課題や、その課題の乗り越え方まで踏み込んでいるところだ。
深化と探索は、反対方向の力が必要だ。(探索とは既存事業の焼き直しや、小さな改善イノベーションではなく、自社にとって未知の領域 -
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リーダーの心得、リーダーの選び方
概要
・なぜリーダー君主論を学ぶべきなのか。マキャヴェリの時代と同じく今は有事だから。サラリーマンの出世のゴールが社長という時代ではない
・リーダーに求められるもの。君主論から抜粋。非情に改革は徹底的にスピードを持ってやる、抵抗勢力への温情は仇
・リーダーには規範やふるまい、外見も求められる。演技でよい、見せ方が大切。威厳を保って孤独でよい
感想
君主論本編を読んでみたくはなったが、本書の内容は冨山氏の普段の主張と同じであり、新たな発見はあまりない。
・経営者の選び方も既視感あり。三品教授が2010年以前から主張してきた内容、ようやく浸透してきたものの、ま -
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順風満帆で挫折を経験しないことには、成長に繋がらないとの話。
挫折=能力以上のことに挑戦した結果であって、それが伸び代になる。
また、打たれ強くなる+敗因分析で、次の戦に活かせる。
常に非主流-人間が野党的。
ラインから外れた彼のことだ…口を開けば否定。
自らが能動的、建設的に考える力、現実的で実行可能な提案を行う能力が身につかない。
成長の一例…どうしたら、あの意見に反論できる?自分の考えを補強するには何が必要?
→結局、逃げずに考えないことには、成長できない。
果敢な決断と平然と先送りの使い分け。
→即決しなくてもいい判断も、立派な判断。