冨山和彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
企業再生のスペシャリストが説く経営者論。
以下、本の内容に触れます(ネタバレあり注意!)。
感想
非常に刺激的です。
普通の人には体験できない、
企業再生の修羅場を垣間見れます。
修羅場で実際に直面する経営の問題は、
戦略、戦術よりも、人間関係であり、
人間関係の問題解決には他人に対する好奇心が不可欠、
という下りが印象的でした。
私は数年前に
リーマンショックで職場の修羅場を経験しましたが、
振り返ってみると、
大きな問題の1つは、職場の人間関係にあったように思います。
戦略・戦術は、実際の人間関係の中で機能しなくては、
所詮絵に描いた餅になってしまいます。
「修羅場でこそ人間関係が重要」、
肝に銘じておきます。
私的「メモっ得」ポイント
・仕事ができるかどうかのポイントは、ストレス耐性
本当に追いつめられたとき、当たら前の仕事ができるか?
・経営責任は、誰にもとれない
経営者は従業員とその家族の生活に責任があるが、
責任はとろうとしても、実際はとりきれないので最善を尽くす。
また、経営者の責任には、他にもいろいろあるが、
株主よりも、従業員に対する責任が一番重い。
・失敗がないのは、勝負していないことの証
勝負してこそ、成長できる。
★★★★= 80点以上 = I like it. -
Posted by ブクログ
経営共創基盤代表 冨山さんの著書
読書メモ
「人は足りない」が多い組織は人を減らした方が効率化する。
→不必要なプロセスが多いことが多い
会社は頭から腐り、現場から再生する
→ドラッカー 管理職の生産性は昔から改善されていないという話と一致
コンサルをするにあたって
人や組織は機械ではない
→人間であることを忘れるな。合理だけでなく情理をそなえる。
個人、組織、社会の動機付けの同期化
→武田塾の動画プロジェクトの話とかぶった。よく分かる。
本当の意味での全体最適を探るのが大事だ。
規模の経済と密度の経済を考慮
→中小企業ほど後者を活かすべきだと思う。土屋カバンもそんな感じか
飲み屋の話題が昔の自慢話になったら経営者は交代
→経営、マネジメントにゴールはないのだろう
産業再生は会社を救うのではなくその中にある事業、とりわけそれを支える人材である。
→人がすべての知識社会においてこれは腹に落ちる。
再生を担う人間に必要な3つの能力
1 事業を知っていること 2 経営を知っていること 3 人間に対する洞察力
ゲマインシャフト(村社会)の問題は主犯の分からない腐敗が進む
→挑戦をしない風土、減点方式、いわゆる優等生が上に進むシステムを変えないといけないと思う。
情報に意味をつけたインテリジェンスに昇華させられるか。
ガバナンスとは経営者が適切であるかどうかの判断を行い適切である者を経営者にさせること
かつての有効なガバナンス
メガバンク制、官僚によるコントロール、財閥
現代に必要なガバナンスはどんなものだろうか?
いろいろと示唆に富む内容だった。 -
Posted by ブクログ
具体的な議論が練り込まれていて学びの多い本だった。その議論の根幹のひとつがこの部分。
「AXフェーズのAIは〝部分最適〟のツールではない。事業構造そのもの、意思決定構造そのものを問い直すテクノロジーである」
私の興味は、地方の中小企業がAXを通じて、どのように強い競争力を手に入れることができるかということ。
冨山氏は、中小企業は組織階層が浅く、経営者が現場をよく知っている。そして何より、社長がトップダウンで「決めていい」組織であることが強みだ、と説く。そして、現場主義はフィジカルAIと最も相性がよい、と。
「なぜなら、現場でAIを使うとすぐ成果が見える。何がムダで、何が価値を生んでいるかが生のデータ、一次情報で見える。トップがそこに目を向け、判断し、全体設計に反映させれば、それこそが差別化可能な戦略的AXとなる。 つまり、現場から始まる経営変革、生産性革命こそが、日本型AXの中核になる。」
話の筋はわかるし、この可能性を信じたい。そのためには、日本企業特有の強さをもっと解像度高く理解して、AXのプロセスの繋ぎこみの方法を具体的にイメージできるようにしなければと思う。 -
Posted by ブクログ
本書の最後には冨山和彦氏による解説がある。その中で「この本を読んで腹落ちしなかったらヤバいでしょ」と語っているのを読んで、少々焦る。前半は比較的分かりやすいが、だんだんと専門用語が増えてきて話についていくのが難しくなってくる。
しかし参考になったことはあった。日本企業はかつて、一つの企業内で色んな仕事を経験することで「ヨコ割」の組織になりそれが強みに繋がる時代が長く続いたが、他国の影響か効率化を目指した故かタテ割りになっていった。
日本は昔から外の技術を勤勉に研究・応用して強みにしていったが、デジタル化が進んだ結果「じっくりと」考えている間にどんどん追い抜かれてしまう時代になっていった。
情報量も処理能力も人間の力を遥かに凌ぐ情報技術の世界にあっては、次々と出てくる技術を乗り換えていく割り切り思考がないとついていけなくなり、その加速が止まらない世の中が進行しているのだと思えた。 -
Posted by ブクログ
選択的夫婦別姓も取り上げられていて、そこは意外だった。
そうそう、夫婦同姓は明治以降のたかだか100年ちょっとの歴史で、もともと別姓ってか姓自体がなかったんだよな。
あとはアドバンストエッセンシャルワーカー(ブルーカラー?)の育成とか、大学は専門職大学とか実務の教育を重視してグローバル大学、教養系偏重は少なくしていくべき、とか。たしかに私が卒業したのも教養系で、簿記とか財務会計とかくらいは文系でも教えてほしかったなーと思う、情報系のホームページだけ唯一作ったけど、まったく仕事では役に立っておらんww教養系を軽視するつもりはないし、まあそれをすると自分の過去や大学を否定することになり、それは感情的にも抵抗があるんだけど、実務系もある程度は大事だなあって思う、特に新卒を育てる余裕がなくなってきて新卒一括採用や終身雇用・年功序列の文化が廃れてきた今は。メンバーシップ型じゃなくてジョブ型採用が増えてきているし。でもAIとか当時はなかったし、情報技術とかはとてもじゃないけど追いつけないよなあ。その時学んだとしても今は急激に古くなっていると思う。簿記や会計、税務くらいはまだそこまで変化が急激じゃなくて多少法律や計算が変わってるくらいだろうけど、何が賞味期限短くて、何が潰しが効いて、なにが長持ちしてお金になるかなんて、実際社会出てみないとわからんし、数年数十年経ってみないとわからんよなあという気もしている。 -
Posted by ブクログ
2003年に43歳(!)で産業再生機構のCOOに就任し、カネボウやダイエー、三井鉱山など41事業者の事業再生支援を指揮した冨山和彦氏による経営哲学書。
教科書的な経営戦略や組織論ではなく、数々の現場で修羅場を潜ってきた経験に基づくリアルな哲学を教えてくれる。
人は情で判断する生き物だから、組織を動かす為には現場の人々と同じ目線で語り合い腹落ちするコミュニケーションが大事。とは言え十人の社員がいれば腹落ちするためのコミュニケーションも十通りあるわけで、企業再生の場で外から入ってきた産業再生機構の人達が再生対象の社員たちを仲間にするためには相当な苦労があったのだろう。
PDCAサイクルを回し続けることの重要性。当たり前に聞こえるがいざ自分の組織で、と考えると途端に何から始めるべきか壁にぶつかってしまう。
マネジメント人材を育成するためには若手社員が30歳になったら1度クビにしろ、という考えは大事にしたい。自分は今28だけど、近いうちに1度は外の組織を知らねばならないと危機感を持っていたい。