冨山和彦のレビュー一覧
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ネタバレ経団連社長の日立出身中西さんとIGPI冨山さんの対談をメインにまとめた本。
これからの社長はどんな人物で、どんな資質のある人をどう育て、どう選んでいくか、などなど、社長の条件を論じた本。
コンサバ代表団体であった経団連からこういう話が出てくること自体時代の変化を感じる(ここまで日本の大企業がやられてやっとかと思うけど)
ポイントは二つ。
社長を育てるには、若い頃から選抜してプールしたメンバーを倒産寸前の海外子会社などに飛ばしてタフな経験をさせる。それを繰り返しさせて意思決定の力をつけていく。
社長を選ぶのは、社外取締役含むボード、何年もかけて、彼らにコミットしてもらって次期社長として誰が良い -
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ネタバレ経営分析の一般的なイメージとしてPL、BSの数値を四則演算などによって指標化し、業界内で比較すると想像していた。しかしながら、本書はそれら一般的かつ大学の教科書で使用されるような経営分析本と違い、数値からなぜそのような数値になっているのかを、ビジネスの実態(オペレーション人員はどのくらい?保有すべき車両はどのくらい?などに現場レベルまで因数分解する)まで落とし込んで考えていくことが本当の経営分析だという。
数値をもとにビジネス実態がどうなっているのか、一般的なモノサシやデータを使って財務諸表上の表面的な数値を、単位当たりの意味のある数値に分解していくことは一種のフェルミ推定のような考え方に近 -
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事業計画とはお金の計画を練ること。計画ゆえに時間軸があり、単年収支のみならず、減価償却やストックを含む。財務諸表で語れ。何か施作を行なった結果は財務諸表に表れる。本書の主張は明快であり、すべては財務諸表で語れということだ。
差別化の本質的な意味。
1.顧客視点で購入のトリガーとなること、
2.競争視点では他社が容易に追随できないこと。
この2つでもって「差別化」となる。顧客が製品から感じ取る「違い」を差別化と見る人が多い。差別化でもって、他社とのコスト競争を回避できる。
ー以下、メモー
本書を読んで思ったのは、ビジネスっぽいなということ。技術をやっていると、バリュー以上に技術のことに意識が向 -
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IGPI冨山さんの著作。AI・デジタル革命において、日本企業が真に見極めるべきは何かを伝えている。
AI革命による大波は、デジタル革命から遠かった医療介護現場や建設現場など、労働集約産業、さらには第一次産業にまで到達している。この波を梃子にして、飛躍的に生産性の高い産業に生まれ変わる現場も出てくる。
IoTはビジネスプロセスのオープンプラットフォーム化を促す技術なので稼ぐための差別化領域にはならず、出遅れていても経営論的に致命傷にはならない。しかしながら、世の標準に乗り遅れる可能性があることを危惧しなければならない。
デジタル革命で起きる、ほぼ確実なことと不確実なこと。ビジネスサイクルの短命 -
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ネタバレ経済学的には、好景気だから人手不足、不景気だから人余り、なのに景気停滞の今人手不足…
少子高齢化時代の今、従来と異なる経済環境を経験している。団塊の世代の大量退職から、あと20年間は続くであろう極端な少子高齢化とこの人手不足の問題にどう対処するか?まもなく日本と同じ少子高齢化問題を迎える他国のお手本となる対処法を構築できるか?日本の腕が試される。対処法の糸口として、大企業と中小企業ではなく、グローバル企業とローカル企業に分けて考えることを推奨した本。モノを生産するグローバル企業に見られるのは資本集約型であり、サービスを提供するローカル企業に見られるのは労働集約型であることを考えると、国の支援 -
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AIと銘打ってはいるが、本書はモノづくりについての本、とも言える。
まずもって、数多の関連本が出版される中、AI革命=大自動化革命、とシンプルに言い切った人は私の知る限り今までいなかった。
AIがもたらす新しい自動化を考える上で著者が提示するのは、「Sの世界」という概念。Sは「シリアス」。ネットに対するリアル、そのさらに内数として「間違いが許されない」レベルの精度が要求されるリアル領域、と私は理解した。典型例としては自動運転や介護。
ネットの世界でGlobal giantになるには多少の不具合をものともしない推進力が必須だったが(例えばFacebook)、Sの領域ではハードとソフトとのすり合