冨山和彦のレビュー一覧
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・性悪説でも性善説でもなく性弱説で見ると見えてくる
・相互安全保障を目的とした会議や根回しの業務量は人と人の組み合わせの数に応じて増えていく
・組織のハコをいじっても、成果主義を導入しても、それらが現実に仕事をする人間の根源的な動機付けに響き、シンクロしていないならば絶対に機能しない。
・戦略が仮説にすぎないことを本質的に理解し、やってみて、検証することに精力を注いでいる会社こそ、経営戦略が実践されていると言える。
・79 四つたして4で割る
・管理職の地位で付加価値を生むには相当の能力が必要
・ストレス社会というが硫黄島決戦に投入された兵隊たちを超えるストレスが現代に存在するだろうか。
・ク -
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【ノート】
・著者の一人である増田氏による前著「地方消滅」が総論的なものであったのに対して、本書はかなり具体的に踏み込んだものになっている。
・本書は知事経験者である増田氏と、東北で経営者として活躍している(らしい)冨山氏との対談形式になっている。このためか、地方自治における実例や弊害についての言及が具体的で分かりやすい。例えば「必要なのは共働きで500万稼げる仕事(冨山 P37)」や、「首長が変わると議会がガラリと変わる(増田 P89)」などという発言はかなり具体的。また、悪しき平等主義のため、余裕があると「選択と集中」を実行することができない、というのもリアルなご意見。「北海道の農業は( -
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産業再生機構でCOOを務めた冨山和彦氏が日本企業の競争力低下の原因となる構造的問題を語っている。書中何度も引用される、ゲマインシャフト=共同対社会、ゲゼルシャフト=利益追求社会というくくりは正直わかりにくい。当然、前者が日本、後者が欧米ということであるが、ドイツ語で聞き慣れない概念なので、簡単なことがむしろわかりにくくなっている嫌いがある。説明がわかりやすいだけに勿体ない。
本書では、日本のこれまでの競争力の厳選は、経営トップやそれを構成する一部の高学歴エリートではなく、現場の人たちの底力にあるとしている。カネボウやダイエーなどの再生の実例を通じて、日本の不振企業の問題の本質をえぐり出してい -
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「地方消滅」の増田寛也氏。
富田和彦氏については、よく知らない。
その二人の対談集。
面白かったのは、京丹後市が2015年3月に全国第一号で策定した「地方版人口ビジョン」についての話。
(p12 第1章 消滅危機の実態とチャンス)
2060年には、現在の人口5万8千人が約3割増えて、7万5千人に増えると書いてあるそうだ。
増田氏の地方創生会議の試算では、41%減の3万5千人としているにもかかわらずである。
地方創生会議による将来推計と、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の将来推計の違いは社会的移動の取り扱いだけなので、社人研予測でも、10年程度遅れて創生会議予測とおなじ結果が現れる -
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タイトルの内容は割と終盤にちょい役で登場してくる。本旨は、主に課長クラスのミドルマネジメント層が奮起しないと日本もお前らもやばいせよ!という叱咤激励をひたすら頂ける一冊。日本3.0(佐々木さん著)とセットで読むと30代はいてもたってもいられなくなるのではないか笑
歴史的に見ても、偉業を成す時の起点は当時の課長級の活躍によるものが多い。明治維新しかり、日本をつくった12人にある関ヶ原合戦プロデューサーの石田三成しかり。(後者は私の個人的後付け)
現場がわかって経営などトップからの情報にも触れる機会の多い課長級こそが最も機動力高く意志を持って行動を起こしやすい立場にいるのに、日本にはそういう気 -
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ミクロではなくマクロとしての創生戦略の議論
「地方消滅」(2014年)で新書大賞を受賞した増田寛也氏と、「なぜローカル経済から日本は蘇るのか-GとLの経済成長戦略」(2014)の著者冨山和彦氏の対談が新書形式でまとめられたもの。
第一章では、地方消滅(人口減少)という不都合な真実を、行政はじめ受け入れることが容易ではないことが議論されている。特に、夫婦共働きで500万円を稼げる「質の高い」仕事を増やすことが大事という議論には納得できる。工業団地を整備して工場を誘致して一定の転出抑制効果はあっても、いわゆる頭のよい学生の流出は避けられない。また、冨山氏は、「あえて里山を選ぶ若者も一部いるとは思い -
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ネタバレ○デジタル革命がバーチャルの世界からリアルな世界へ移ってきており、「シリアス」(人の命に関わる)(自動車、機械、重電、サービス業、農業)へ。
○インダーストリー4.0は生産管理をIoTによって個別の工場や企業の枠組みを超えて最適化し、資産の活用効率や回転効率を飛躍的に高めようとしている話にすぎない(在庫などの流動資産についてはトヨタのカンバン方式と同様であり、固定資産であればシェアリングエコノミーのようなもの)。
○デジタル革命ではビジネスサイクルの短命化、製品・サービス・機能のモジュラー化、スマイルカーブ現象、小さいこと・若いことの優位性の向上、トップの経営力の時代はほぼ確実に起こる。
○日