冨山和彦のレビュー一覧
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人口が減少し、ビジネスサイクルも短期化している日本人は、今後否が応でも挫折とは不可分の人生になる。常に挑戦を続けなければ企業は淘汰されるが、挑戦が増えれば失敗も増える。ここで必要となるのが「挫折を生かす力」=「挫折力」である。
「悩んでいる暇があったら、とにかく働け」どんなに不本意な仕事かにかかわらず、与えられた役割の中でめちゃくちゃ働いてみる。悩むのは「うまくいかないのではないか」と考えるからで、必死にならざるを得ない状況の方が、余計なことを考えずに済む。
マスコミで話題になるような話は、大抵うまくいった部分を取り上げるので、そこら中で成功者がうようよしているような錯覚に陥る。しかし現実はその背後に死屍累々の失敗プロジェクト、挫折プロジェクトが横たわっている。
挫折を恐れるのではなく、成功なための必要因子であるとポジティブに捉え、積極的に挑戦の機会を増やしていこうと思える一冊。 -
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なぜだか分からないが地元の県庁関連で、DXに関する意見交換会をしたいから参加してくれと言われ、付け焼刃で読んだ一冊。世の中にあふれているDXという名の単なるICT活用術とは一線を画した書籍であり、本質に迫ろうとしている(迫っている?核心をついている?)書籍であるとは思うが、なにせ自分の理解が追い付かない。久しぶりに仕事以外の書籍で、線を引き引き読んだものの、なんだかなあ。手っ取り早いHow toを求めている人にはまったく向いておらず、また、本質的にDXを考えたい人にとっても、どこまで著者とシンクロして理解できるかは、なんとも評しがたい。
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挫折ってなんだろうと考えたくて借りた。
書かれていることは、パワフルで、しかも経験に裏打ちされており力強い。経歴も実績も凄まじい。
不確実性が増す世の中で、挫折を経験したリーダーが強いという本旨も納得できる。
ただどうしても、同意できない部分が一つある。
肝心の筆者の挫折がそこまで挫折に見えてこないのだ。
学生時代に司法試験落ちたとか、ボスコンから新規立ち上げに行った話しとかが語られいるのだが、挫折というより本人は楽しんでいるのではと感じてしまった。
コレは本当にどうしようもないな。辛いなあ。
という挫折とそこからの立ち上がりの経験の話を聞きたかった自分は求めすぎなのだろうか。 -
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ネタバレ社外取締役の役割みたいなのを知ることができる。
月に1回とかで1000万かーという感じで読み進めつつ、ためになることもいくつかありました。
ガバナンスが必要になるのは、不祥事を起こさないためであるが、これが起こるのは「既存事業が赤字とかで危なくなった時」「社内の権力闘争で告発事象が発生するとき」といった、不健全な状況になった時なので、しっかり成果が出ていれば無縁なものだと思う。ただ、企業は何かしら失敗することもあるので、その時に隠さない体制づくりが必要なのだと感じる。
モラルとか、企業理念とか、そういった教育ができていればいいんだけど。
もう一つ、ダイバーシティについてスッキリした。ダイバーシティというと、多様性と訳され、女性雇用の推進、女性の役員登用、障害者雇用、外国人雇用とかがパッと思いつく。今までの仕組みってすごく居心地が良くて、変えたくないというのが性分だと思う。取り組んだところで、混乱、非効率の発生が起こる。それでも取り組む理由は、取り組んだことで起こる衝突やルールの変更などの経験を通じて、外部環境の変化に対応できる組織や人材を育てることをはじめ、混乱に乗じて変革を起こしやすくすること、混乱の中で新たなサービスや製品開発などのイノベーションを作り出すことができるためである。取り組み時の初期にあるデメリットばかりに目がいかないように、結果も出していかないとな。
社長は結果責任を含め、10年くらいやるのが望ましい。そのためには、30代から篩にかけ、40代後半で着任し、60前後で次に交代するフローが良い。 -
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抽象的な話が基本だが、たとえや具体例が豊富なので面白かった。
乱暴にまとめるなら、「DXの本質は抽象化で、ハード部分からUXまでレイヤー構造で捉えることが重要。それに合わせて組織構造を変える必要があるし、課題に応じた地図を作成してそれを見ながらDXサービスのパッケージ選択&内製開発を進めていくのが良い」といったところだろうか。
そして、それをまとめて比喩的フレーズにするなら「本屋にない本を探す」になるだろう。
世界一のレストランと言われたエルブジ、漱石のF+f、ネットフリックスの組織作り、ダイセルの生産革新といった具体例が印象に残っている。
自社のDX戦略を考えるにあたって、ウォードリーマップに本棚を書き込むという方法は面白いし、簡単に始められそう。 -
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・不要な事業を捨てることが企業の生き残りには重要
・企業は箱でしかなく、重要な事業さえ生き残っていればそれでよい、企業組織の存続にはマクロ的には意味がない
・これからは、大企業のプレーヤーが多いG(Global)と、小売りや交通、福祉、医療といった地域密着型のサービスが基本となるL(Local)の2つの経済圏がある中で、今後はGDPの7割を占めるLの世界が日本経済のカギを握る
・Lの世界では地域と顧客への密着、そして精緻に緻密に執念深く経営することが必要
・企業経営の本質とはつまり、「情理」となる共同体の基本原則をよく理解した上で外部環境の変化と折り合いを付け、「合理」(市場競争の経済原理)に基づく冷徹な判断を下すこと
・情理に偏り、あれもこれもと捨てずに問題を先送りにするのでなく、合理的判断に基づき選択と取捨を実行出来るかが、今後の日本企業生き残りにかけて重要になってくる -
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業界毎にみるのではなく、レイヤーごとにビジネスが構成され、よりユーザーに近いレイヤーの闘いに遷移してきている。
レイヤーを意識した考え方への転換がDXのポイント。
経営とデジタル化、双方から歩み寄って産業構造を変革する(IX)
これまでの日本
業種という仕切られた枠の中で競争してきた
デジタルはデジタルという業界を考えていて負けた
デジタル時代に必要な考え方
・いきなり具体化して細部に入るのではなく、一度抽象化して何でも一気に片付けられないか考えてみること
レイヤー構造
アリババはクラウドベースの膨大な計算能力を支える物理的インフラと、その上に乗るデータ解析のためのアルゴリズムという大きく二つのレイヤーがある。
API連携でさらにレイヤーを増やせるようにし、UIUXが最も上にくる。
レイヤー構造を通してシステムと人との距離を埋めていく。
ネットフリックス
・組織がイノベーションを目的としているならば、コンテクストによる経営が合う。その前提として、有能な人材で構成されている必要、部所同士が緩やかにつながり自由に動ける必要がある。
・組織がミスを犯さないことを目的としているならば、規律とコントロールによる経営を志向すべし
・成功を支えるマイクロサービスという疎結合を実現するテクノロジーは、膨大な塊のソフトウェアを分割し、独立したマイクロサービス毎の塊を作り、これを結合する機能を持つレイヤー上に載せた。それぞれのマイクロサービスは試聴データベースに個別にアクセス可能。
この、アーキテクチャーが別々に自由に活動しても一つの方向を目指せる組織風土を支えている。
ウォードリーマップ
横軸: 開発、カスタマイズ、プロダクト、コモディティ化するほど右へ、左が自社要素
縦軸: 下から01に近い層、上に行くほどUIUXに近づく。
このマップを書く中で自社の課題、向かうべき方向が見えてくる。 -
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期待したほどには面白くなかった。
1962年、経営学者チャンドラーは名著『組織は戦略に従う』を著した。これはGMやスタンダードオイルなど、当時の米国トップ企業の事業部制を中心にした研究に基づく著作で、要は環境に適応した正しい戦略に合わせて組織づくりを行うべしという説である。これに対し、1979年に経営学者アンゾフは、多角化において組織の抵抗によって戦略に適合した組織づくりは難しく、むしろ組織能力、組織特性に合わせた戦略を構築すべきとして、「戦略は組織に従う」というコンセプトを提唱する。
私の実感で言えば、破壊的イノベーションの時代の今日、おそらくどちらの概念もうまく機能しない。戦略的ピボット、戦略的変異の幅が極めて大きくなってしまうと、アンゾフの指摘通り、組織はそれについていけなくなり、戦略は絵に描いた餅になる(30代の私がピュアな戦略案作りで描いたプランの多くがこのパターン)。その一方で現有の組織能 力の変異可能性の範囲で戦略を描いても、破壊的な環境変化には適応できず、まさに破壊される戦略になってしまう危険性もある(私が40歳の頃、半導体のファブレス戦略で失敗したのが典型例)。結局、組織能力自体をもっとも重要な経営対象として、その可変性を大きくしない限り、持続的に競争優位を保つことは難しい時代に入っているのだ。今や現実の戦略は組織能力の従属変数であり、急速に変転を続ける最適戦略を打ち続けられる組織能力を持っていることが真の競争優位性の源泉なのである。
はっきり言おう。戦略は死んだのである。もはや戦略は経営作用の主役にはなりえない時代なのだ。戦略作りのために外資系コンサルティングファームに高い金を払うのだったら、最近出た早稲田大学の入山章栄教授の『世界標準の経営理論』や慶応大学の琴坂将広准教授の『経営戦略原論』を購入して、みんなでしっかり勉強して自分で考えたほうがはるかに安上がりかつ有効である。
結局、攻めにしても守りにしても、問われるのは、タフな状況、すなわちうまくいかない状況とのきである。うまくいかなかったときの、負けっぷりだ。負けっぷりが良いか、悪いか。だから、難しい仕事、すなわち「タフアサインメント」でリーダーをやらせてみることに大きな意味がある。修羅場をくぐらせ、泥水を飲む状況に追い込む。その様子をそばで見ていると、本当の姿が垣間見える。
得てして秀才タイプというのは、タフアサインメントに弱い人が多い。実は、本当の意味で社長をやる覚悟がない人が多い。だから、問題を突き付けられたとき、空気に合わせにいってしまう。与えられたお題に対して、前例踏襲的、再現的な答えに合わせようとする。柔軟性や器用さはあるけれど、悪くいえば、それを否定するほど腹をくくれていない。「あんたが出している問いはくだらないのではないか」と問い返すのは覚悟がいるのである。「あなたが期待している答えはAだと思うけれど、私はその問い自体を意味がないと思う」と言えるかどうか。
言葉を換えれば、不連続な状況にいることを理解できているかどうか。自分で考えていること、思っていること、ある意味では不連続な発想をしていることを意識していないといけないのである。弊社の行動指針「8つの質問」の第一の問い「心は自由であるか」は、まさにこれを問うている。
8つの質問(IGPIの行動指針)
1 心は自由であるか?
2 逃げてないか?
3 当事者・最高責任者の頭と心で考え、行動しているか?
4 現実の成果に固執しているか?
5 本質的な使命は何か?使命に忠実か?
6 家族、友人、社会に対して誇れるか?
7 仲間、顧客、ステークホルダーに対してフェアか?
8 多様性と異質性に対して寛容か?
ご参考までにIGPIの「8つの質問」を上にご紹介しておく。これらの問いの真意を理解し、自らの思考と行動にかけて、Yes!と答えられることが、私たちなりの経営人材の必要条件である。経営トップはもちろん、これらの必要条件をクリアできない人材は、どんな形であれ今どきの企業経営に関わって成果を出すことは難しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「コロナショック・サバイバル」に続けての一気読みとなりました。
まだまだビジネスパーソンとして勉強不足な為、自分の知識の無さが露呈する一冊となりました(汗)
知らない言葉をググりながら読んだ為、結果読み終えるのに2日かかりました。
それでもしっかりと理解したと言えるほど読み込むことが出来ませんでしたが、382Pにおよぶ本文の内容は巻末の「おわりに」に集約されていました。
【以下、原文】
本書では、その原点に立ち戻り、会社のありようを大きく変容、トランスフォーメーションする現実的な運動論を通じて、その積分値としてより良い社会の再構築、微分値として個々人のより良い生き方の再構築の方法論を考察し、幅広い読者の皆さんに提案してきた。
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ただ、コロナ後のニューノーマル(新しい日常)の時代においても変わらない日常感覚的なゴールは、社会であれ、会社であれ、大学などの非営利法人であれ、その社会単位に帰属あるいは周りをもって生きている人々の大宗が愉快に気分よく人生を送れることなのは確かなはずだ。
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今問われているのは資本主義か人本主義か、営利法人か非営利法人か、ではなく社会的ツールとしてどんな仕組みや制度に現状を変容すれば、これからの時代において人々を持続的に幸せにできるのか?である。
その明確な答えは分からないが、今の姿をかなり変容しないとうまくいかないということは、コロナショックで明確になったということだ。
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今、新たな調和、新たな仕組みを見出すためには、国任せ、会社任せ、あるいは思想家任せではなく、社会を構成する一人ひとりの主体性、能動性こそが問われているのだ。
私と私の仲間たちも、その模索に参画する者の一人として全力でその試行錯誤に挑もうと思う。
本書を通じて、一人でも多くの読者の皆さんが、それぞれの立場でCXを起点としたより良い社会の模索と再構築運動に実践参画されることを期待している。
笑って過ごせる未来を創るため、もっと知識と見聞を広げ、より深く考察しながら恐れずに新たなチャレンジを楽しんでいきたい。
説明
内容紹介
ベストセラー『コロナショック・サバイバル 日本企業復興計画』続編!
史上最悪のコロナ恐慌、日本企業が生き残るための唯一の方法とは?
ポストコロナ時代、会社のあり方は、働き方は、生き方は、こう変わる!
・GAFAに負けた日本型企業モデルは、コロナショックで終焉へ向かう
・デジタル・トランスフォーメーション(DX)と日本型組織の相性が悪い理由
・終身雇用制は限界に。10年に1度の中高年リストラは、コロナ後に加速
・電機、自動車に続き、銀行、メディア業界も破壊的イノベーションの嵐に
・DX成功の鍵は「戦略」ではなく「組織能力」・資金源となる既存事業で手を抜くな
・コーポレート・トランスフォーメーション(CX)こそがDXへの解
・日本のGDP7割、雇用8割を占めるローカル産業のDX化に活路あり。方法論のすべて。
・ビジネスパーソン全員に問われる「あなたの業(わざ)とは何ですか?」
内容(「BOOK」データベースより)
『コロナショック・サバイバル』待望の続編!日本経済復興の本丸は、ここにある。「カイシャ」モデルは終焉。デジタル×中小企業×地方シフトへ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
冨山/和彦
経営共創基盤(IGPI)代表取締役CEO。1960年生まれ。東京大学法学部卒。在学中に司法試験合格。スタンフォード大学経営学修士(MBA)。ボストンコンサルティンググループ、コーポレイトディレクション代表取締役を経て、産業再生機構COOに就任。カネボウなどを再建。解散後の2007年、IGPIを設立。数多くの企業の経営改革や成長支援に携わる。パナソニック社外取締役(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)