冨山和彦のレビュー一覧
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AIが台頭する時代で活躍するのに必要な力はボス力である。
本書では、「ボス力」という言葉が度々登場する。このボス力とは、いわゆる人とAIを率いるリーダーシップのようなものだと本書から私は解釈した。指示待ちではなく、自ら問いを立てて顧客価値を創造するプロセスをつくり出し、その成果の責任をとる。素晴らしい力だ。
しかし、これは非常に習得に向き不向きがあるのではないだろうか。文中に一億総ボスとあったが、なかなか難しそうである。
適正がない人たちも毎日しっかり食べていけるように、我々はAIを使いこなし日々世の中を良くする努力を続けなくてはならない。 -
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現在は明治維新、また第2次大戦敗戦に匹敵する大きな変革の時であり、ブルーカラー、エッセンシャルワーカーは現場技能ノウハウを持っているが、漫然と広範囲の仕事をしてきている曖昧な能力というべきものしかないホワイトカラーこそ、生き残りの試練の危機の時を迎えている!この強烈な訴えはその通りだと思う。その中で過ごしてきた自分は今は定年後の生活に入っているわけで幸運だと思う。それにしてもChatGPT、GEMINIなどAIの進歩は素晴らしく、便利になっていく一方で、ホワイトカラーは必要が無くなっていくという事は日々痛感するところ。「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」という書が話題になったというが、同書の「ホワイトカラーの仕事が無意味になり、働き手は自分の仕事が無意味でないふりをする」とはもの凄い喝破だ!
人口減少とAI化という2つの動向があらゆるこれまでの労働の常識を変えていくものであることが避けられない与件なのだ。 -
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これまでのホワイトカラーでは生き残る選択肢が減る、と言う。で提案はまず「学問のすすめ」、よりよく生きるための知的技能「リスキリング」(基礎+応用)特に言語的技法が必須で、すぐ役立ってずっと役にたつ基本スキルを身につける、事だと言う。具体的には、論語にあるかの如く、20代では「ボス力」の経験を持つ事とあり、自ら問題を提示し、答えを模索し、組織を動かして実行、その結果を背負う人になる事、それには大手企業で経験を積むより中小企業で社長の右腕となることが短期間に遥かに実力が付く、と言う。30代は自分の経験から自分の付加価値力を極める事、そして40代以上は能力やスキルのキャリアパス(即戦力)を活かせる選択をする事、と言う。その中で日本の再生への提言としては:
・「多極集住」で密度の経済性を実現できる国づくり(コンパクト&ネットワーク)
・あらゆるレベルで新陳代謝を加速させる(パラダイムシフト:活力ある成長を見出す)
・観光ツーリズムを高める(交通インフラ・農林水産業・エネルギー・通信の改革に繋がる)
・経済成長の弊害である社会保障の義務的規制の撤廃
所得税の103万円の壁、社会保険の加入義務106万円の壁、扶養から外れる130万円の壁
配偶者控除が減少する150万円の壁、配偶者特別控除が減少する201万円の壁
・付加価値労働生産性の向上(経営者と労働者との生産性を上げる工夫と規制撤廃) -
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【書名と著者】
ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか
冨山和彦
【目的】
生成AIのおかげでホワイトカラーがいらなくなりそうという世相で、働き方をどう変えるか考える一助にしたい。
【読後感】
なんとなくリベラル・エリート・自己責任論な論調の偏りや、矛盾を感じるが参考になる点はあった。
まず土台として読む書く話すスキル、数学Ⅱ、簿記会計。
これを築いたうえにリベラルアーツ。
色々と私見や持論が展開されてるが、本書のユーザの大半が知りたいのは、何を身につけるべきか と思うので、文章量に比して知りたいポイントが少なめ。
【印象に残ったポイント】
・論調に見る生存者バイアス
グローバルな競争に日本が勝てない要因は経営力。だそうだが、実際為替の影響は大きい。(ドル円90円の時代と150円近くの今はだいぶ違う)
・日本の強みはややこしくて複雑なものを扱うこと
実は定常運行するのが複雑で大変なこと(各種交通機関、快適に過ごせる気遣いがある宿、非日常を感じられるレストランやテーマパーク)これらをここまで多様かつ当然に扱う国は寡聞にして知らない。
・漫然とホワイトカラー→ブルシット化
東大法学部卒の起業家に言われるとむかっとするが、確かにわたしなんかは漫然と適当な大学入って、ソレナリ企業に入り今に至った。。
・エッセンシャルワーカーの生産性を上げよ
そもそも、医療や介護は低賃金になる構造があって人手不足。低賃金だから生産性投資が行われないのに、付加価値を出せ!というのはエリートの妄言。農家はもっと頑張れ、かたや猿払村のホタテのように実質的に規制産業にしているようなものを褒め称えるのもしっくりこず。
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第四時産業革命、society5.0という社会において、産業構造の変化、それに伴う事業、および、組織をはじめ、人材や文化などあらゆるものを変えていかなければならない。こういった時に重要な役割を担うのが意思決定を行う社長であり、本書では今の時代に必要な社長としての条件、選任方法、ガバナンス体制について、著名人からの考えで学ぶことができる。
新たな学びとなったのは、牽制機関として働く社外取締役をどう決めるかや指名委員会の運営による決定方法など、社長以外の重要人物に対する考え方、また、ガバナンス体制をどう構築するかといった基盤が大事であるということで、ある意味当たり前のようであるが考え方として抜けていた部分である。
また、社長として求められる条件としては、人間力や人望といった、単純なスキルに寄らない部分が非常に大事であるということを改めて認識できた。
社長になりたい人ではなく、社長の役割のような仕事をしたい人、が社長になるべき、ということにも納得する。 -
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過去100年で世界の経済規模は400倍。人口は4倍だから、100倍分はイノベーションによって成長している。
世界は完全なる内部循環経済しかないのに、400倍になっている。だから、地方の会社が「地域外からお金を稼ぐ必要がある」というのは唯一の答えではない。地域の中で回すこともできる。
世界で戦うグローバルカンパニーと、地域で戦うローカルカンパニーは、全く違う世界・ルールの中で勝負している。ローカルで戦うなら、区切られた市場で限られた競合と戦っているので、世界チャンピオンではなく国体代表とか市民大会チャンピオンを目指せば良い。
会社を良くするには、以下2つが必要
・課題の全体像
・解決をやり遂げたときに成果がでる確信
(改善積み上げウォーターフォール)
指標としては、
・労働生産性を追いかける
・
事業特性としては
・需要側
ー広さ(どのような広さで事業をするか?商店街なら狭いし、本屋さんなら少し広くて、コンビニなら密度を上げたほうがいい)
ー顧客インパクト(顧客が出す付加価値にとってどれくらい重要か?)
・供給側
ー競争要因の数。多いならどの組み合わせを強くするか。少ないなら、そこをどこまで極められるか?
ー付加価値。薄いなら、商品のポートフォリオを見て、もぐらたたきをしていく。厚いなら、付加価値を構成する内容の効率向上、売上獲得の費用対効果を高めることが必要。 -
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両利きの経営とは、深化と探索の両方を追求する経営のこと。
社会や技術が素早く変化する現代においては、既存事業の成功が”時代を遅れ”を生み出す元凶になる場合もある。(サクセストラップ)
よく勉強をしている人ならば、「そんなことはわかっている」と思ったかもしれない。
この本がすごいのは、「両利きの経営が大切だ」とただ声高に叫ぶだけでなく、様々な企業の成功事例、失敗事例から、両利きの経営を目指したときにあらわれる課題や、その課題の乗り越え方まで踏み込んでいるところだ。
深化と探索は、反対方向の力が必要だ。(探索とは既存事業の焼き直しや、小さな改善イノベーションではなく、自社にとって未知の領域への拡大を指す)
方向性が違うので、既存事業のマネジメントやリーダーシップでは、適応できない。つまり同じ組織・風土の中で両立させるには常に矛盾が生じる。
本書では経営者(層)や中間管理職(ミドルマネジメント)による、リーダーシップの課題であると位置づけている。
つまり、両利きの経営の成否はリーダー次第ということだ。
両利きの経営を実行する際に必要なリーダーシップの5原則を以下に抜粋する。
1. 心に訴えかける戦略的抱負を示して、幹部チームを巻き込む
2. どこに探索と深化の緊張関係を持たせるか、明確に選定する
3. 幹部チーム間の対立を回避せずに、向き合う
4. 意図的にユニットごとに異なる基準を課して「一貫して矛盾する」リーダーシップ行動を実践する
5. 探索事業と深化事業に関する議論や意思決定の実践に時間を割く
第1,第5の原則は、普遍的なリーダーシップのありかただが、2,3,4に関しては複雑かつ高難度なリーダーシップである。
経験や明晰で論理的な思考力だけでなく、強い意志、精神力、高度な調整力などが求められると感じた。リーダーとしてはかなりのハードモードと言える。
この時代に経営の持続可能性を担保するには、訓練により身につけた強さとしなやかさを兼ね備えたリーダーシップが必要なのだろう。
チャレンジしてみたい気持ちはあるが、正直、うまくできる自信はない。