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貨幣が生まれる以前の贈与交換が行われていた時代、交換は「顔」が見える行為であり、人間関係と密接に結びついていた。
しかし貨幣の登場で、交換の効率性や自由が高まるにつれて、交換はモノやサービスを単に受け取るだけの無機的で他人とのつながりを意識しない行為へと変化した。
ポスト産業資本主義の現代、企業が小さな差異を見つけて利潤マージンを確保することが求められている。
贈与交換の時代にあった「顔」を見せることが、差異を生み出す戦略の一つとして再び注目されている。
顔を見せることによって得られる、信用や信頼が企業のプライシングにどのように影響を与えているのか、経済学者の岩井克人氏に伺う。
*『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー(2014年7月号)』に掲載された記事を電子書籍化したものです。
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