冨山和彦のレビュー一覧
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一流のコンサルタントの職業観やマインドに触れられる本。知識の内容とお客様に提供する成果物は違うけれど、SEとも近しく感じ、参考になる点は多い。
以下に一部抜粋。
・クライアントとの関係は、どっちが考え尽くしたか、喧嘩をしているわけだから。
・最終的にはコンサルタントにしても、人に対する洞察や人に対する関心がないと難しい。
・ロジカルシンキングは相手に承認してもらうためのロジカルコミュニケーションをともなってはじめて実現化する。聞き手にとって受け入れてもらえる、理解してもらえる、ということが求められる。聞いているほうがそれをロジカルであると理解・納得できるか。 -
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企業再生という本当に追い詰められた修羅場を短期間でたくさんくぐってきた著者ならではの、たいへん重みのある厳しい口調で、しかし人間そのものに対する情熱すら感じられる熱い心が読み取れる。
インセンティブと性格に支配される人間の弱さに着目し、それをどう克服して組織の腐敗を防いでいくか。どう企業として強くなるのか。PDCAの回転力といった当たり前のことを当たり前のようにすることの大切さ。情と理の正反合を経た難しい局面での戦い。人の上に立ち、その人たちの命運をも背負っていくリーダーとしての使命感、志の重要性、厳しさ、覚悟といったことを思い知らされる。
多くの企業で改革の必要性が叫ばれる昨今、学ぶべき -
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【2回目(引用)】
会社は、資本の本能と組織の本能が二重螺旋のように絡んで動いていく。資本の本能が環境変化に合わせて事業分野や戦略スタイルを変えようと志向する。しかし、新しいことはやりたくないとする組織の本能が障害になるという中で、舵取りするのが経営、マネジメントだということです。これが一番ベーシックな会社と経営に関する定義です。
経営者と話そうとするときにコンサルタントに求められるものは、そういうものかもしれない。何を聞かれても。どの話題になっても、ある程度わかって話せるという対応力があるとすごく助けになる
自分だったらどう考えるというスタンスが、分析をしたたり、リコメンデーションを作っ -
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企業再生のスペシャリストが説く経営者論。
以下、本の内容に触れます(ネタバレあり注意!)。
感想
非常に刺激的です。
普通の人には体験できない、
企業再生の修羅場を垣間見れます。
修羅場で実際に直面する経営の問題は、
戦略、戦術よりも、人間関係であり、
人間関係の問題解決には他人に対する好奇心が不可欠、
という下りが印象的でした。
私は数年前に
リーマンショックで職場の修羅場を経験しましたが、
振り返ってみると、
大きな問題の1つは、職場の人間関係にあったように思います。
戦略・戦術は、実際の人間関係の中で機能しなくては、
所詮絵に描いた餅になってしまいます。
「修羅場でこ -
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カネボウやダイエー等を再建した産業再生機構でCOOを務めた冨山さんの「会社は頭から腐る」(ダイヤモンド社)を読みました。
東大法学部在学中に司法試験に合格、ボストンコンサルティングを経てスタンフォード大学にてMBA取得という抜群の経歴を持つ彼が、ファクトとロジック中心に第三者的な助言を与える経営コンサルから一転して、経営破綻した企業に株主として入り込み崖っぷちの企業を再建していく中で数々の修羅場を通じて会得した「経営に関する気づき」が明快に綴られています。
その中でも僕が考えさせられたのが、本書で繰り返し登場するキーワードの1つである「動機付け」「インセンティブ」という言葉。
会社を構成 -
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経営共創基盤代表 冨山さんの著書
読書メモ
「人は足りない」が多い組織は人を減らした方が効率化する。
→不必要なプロセスが多いことが多い
会社は頭から腐り、現場から再生する
→ドラッカー 管理職の生産性は昔から改善されていないという話と一致
コンサルをするにあたって
人や組織は機械ではない
→人間であることを忘れるな。合理だけでなく情理をそなえる。
個人、組織、社会の動機付けの同期化
→武田塾の動画プロジェクトの話とかぶった。よく分かる。
本当の意味での全体最適を探るのが大事だ。
規模の経済と密度の経済を考慮
→中小企業ほど後者を活かすべきだと思う。土屋カ -
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これまでのホワイトカラーでは生き残る選択肢が減る、と言う。で提案はまず「学問のすすめ」、よりよく生きるための知的技能「リスキリング」(基礎+応用)特に言語的技法が必須で、すぐ役立ってずっと役にたつ基本スキルを身につける、事だと言う。具体的には、論語にあるかの如く、20代では「ボス力」の経験を持つ事とあり、自ら問題を提示し、答えを模索し、組織を動かして実行、その結果を背負う人になる事、それには大手企業で経験を積むより中小企業で社長の右腕となることが短期間に遥かに実力が付く、と言う。30代は自分の経験から自分の付加価値力を極める事、そして40代以上は能力やスキルのキャリアパス(即戦力)を活かせる選
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【書名と著者】
ホワイトカラー消滅 私たちは働き方をどう変えるべきか
冨山和彦
【目的】
生成AIのおかげでホワイトカラーがいらなくなりそうという世相で、働き方をどう変えるか考える一助にしたい。
【読後感】
なんとなくリベラル・エリート・自己責任論な論調の偏りや、矛盾を感じるが参考になる点はあった。
まず土台として読む書く話すスキル、数学Ⅱ、簿記会計。
これを築いたうえにリベラルアーツ。
色々と私見や持論が展開されてるが、本書のユーザの大半が知りたいのは、何を身につけるべきか と思うので、文章量に比して知りたいポイントが少なめ。
【印象に残ったポイント】
・論調に見る生存者バイアス
グ -
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会社員として、ビジネスとして刺激になる良い危機感を抱く契機になる読書ではあったけど根底にある著者の意識とか価値観に拒否反応が拭えなくてモヤモヤがつきまとう。
同一賃金同一労働とか、言ってることそれショックドクトリンじゃ、とか。内容が濃い中でさらりとパワーワードが出てくると、もっとそれらについての著者の意図や背景が知りたくなる、どういうつもりで言ってるの、その問題どう解釈してるの、と。安易に口に出すものじゃないのでは、何様なんだろうと思うこともあった。
ビジネスの世界ではそうかもしれないけれど、この広い世界で生きる中の倫理観や哲学はどこに?という疑問。
自分の意見と言うことに自信がありすぎる -
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ネタバレ本の要旨
人手不足と人余りの同時進行: 少子高齢化により、日本全体で労働人口が減少しています。しかし、その影響は均一ではありません。観光業、介護、医療、物流、建設など、現場での仕事が多いローカル産業では深刻な人手不足が起きます。一方、生成AIやDXの進展により、事務、管理、分析といった業務が中心のホワイトカラーは仕事が代替され、人が余る状況が生じます。
ホワイトカラーの危機: 従来のホワイトカラーの仕事はAIに置き換えられる可能性が高く、特に「部下」の立場の仕事は消滅していくと指摘されています。生き残るためには、AIを使いこなす「ボス力」や、AIでは代替できない価値を生み出す能力が不可欠とな