冨山和彦のレビュー一覧
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ネタバレ富山和彦さんの「ホワイトカラー消滅」を読みました。帯のタイトルは「人手不足なのに、なぜ人が余るのか」です。急激な人口減少で人手不足は顕在化している。顕著な例は地方のエッセンシャルワーカーという人たち。人が生きて暮らしていくために必要な仕事の担い手が圧倒的に不足している。一方で生成AIは大企業のホワイトカラーの仕事を効率的に代替し、大企業のホワイトカラーと呼ばれる人たちは大量に余る事態が予想される、ならば、その人達を地方のエッセンシャルワーカーとして転用するのが合理的。ただ、簡単では無い。地方のエッセンシャルワーカーとして働くマインドセットも必要でしょうし、そのためのアンラーンとリスキリングが必要。簡単に言えばそういうストーリー。まあ、そうなんでしょう。日本の雇用維持を目的とした政策の課題、地方の低賃金を前提としたコスト削減前提の企業戦略の見直しも必要。つまり、国の政策レベルでは雇用維持を前提とせずに、企業の新陳代謝を促す。企業レベルでは価格優位性から高付加価値戦略への転換。そして個人レベルでは地方で活躍するというマインドセットとアンラーン、リスキリングが必要というもの。まあ、個人としてはITリテラシーを上げ、企業経営ができる戦略思考と何でもできるまさにスーパーゼネラリストのスキルが必要という感じかな。もちろん、グローバル大企業で勝ち残るという戦略もある訳だけど、基本的に今よりずっと厳しい狭き門になるという事。見極めは重要。まずは自分を客観的に評価するところからですね。
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ネタバレ冨山和彦さんの「日本経済AI成長戦略」を読みました。巻末には松尾豊先生との対談と松尾先生のあとがき。この対談にすべてが凝縮されていたような気がする。
少し、引用すると
・推論は英語にした場合に「インファレンス(推論・推定)」と「リーズニング(論理的推論)」の違いがあり、これまでの AIが行っていた画像認識など、分類の出力などを行うのはインファレンスになります。
・最近の A Iは先ほども説明したような、何度も LLMを使い長期的かつ探索的な思考を行うリーズニングを行っています。
・今の AIが行っていることは、人間の思考に近いと言えるでしょうね。
・創造性とは相対的であり、ある種のパターンでもあると言えます。創造性なんてものはないと僕は思っていますし、今の AIがすでに実現していることでもあります。
・A Iを前提とした A Iネイティブな社会やアーキテクチャへの変換であり、ガバナンスの再構築が必要だと。その再構築をどのように行うかが、 A Iビジネスにおける勝ち負けを分けるポイントであると僕は考えていますし、テクノロジー云々ではなく、こちらの勝負の方が重要だとも思っています。
・A Iビジネスでも一番儲かる領域はアプリケーションです。現在のように最新の A Iモデル開発に多大な投資を続けているウィナー・テイクス・オールのスタイルで、この先果たして儲かるのかどうかは懐疑的です。
・日本企業の大半はハードウェア・デファインドであり、ソフトウェア・デファインドな組織構造ではないですからね。
・A Iについての知識や理解がありモデルを開発できるだけでなく、 A Iを使って変革を起こしていける。組織を変えたり、新しい領域に取り組んでいくことのできる人材が重要
・問われるのはビジネスの本質を理解する能力であり、テクノロジーではないと。
・従来のリーダーシップ人材育成と似ているように思います。社会的に大きな変化を伴うので、法律のことを分かっている必要がまずあります。組織を変える必要もありますし、これらの取り組みを総合的にできる能力も求められる。一方で、人間性という付加価値も理解している必要がありますから、大変だと思います。
・実現のためには次元を一つ上げて、世の中を抽象化し俯瞰して考えることが重要だと思います。
・圧倒的に抽象論か圧倒的に具体か、その2つにこそ意味があって、中途半端な抽象論や中途半端な具体は力としては大変弱い。 -
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父の推薦書。
生成AIの進撃で漫然としたホワイトカラーの仕事はなくなっていくことは明らかである。
一方、ローカル産業のエッセンシャルワーカーは深刻な人手不足に陥っており、ホワイトカラーがアドバンストエッセンシャルワーカーにシフトできるか、が重要。
これからの社会を生き抜くためには、知識としての勉強ではなく、リベラルアーツをスキリングして社会に出ること、さらにリスキリングを重ねて自身を進化させていくことが大切になると理解した。
ただ読むだけでは理解に苦しみ、
理解を深めるのにかなりちゃっぴーの力を借りたがおかげで私なりに自分の中に落とし込めたと思う。
わたしの子供たちが生きていく時代を知ることは、子育てにおいて大切なこと。「育てる」ことだけでなく、彼らが生き抜いていく時代を一緒に見据えて、必要な体験や勉強をサポートできたらと思います。 -
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ネタバレまず、失われた30年と呼ばれる時代が、生産年齢人口の多さを吸収しようとした企業のコストダウンアプローチと低賃金を背景とした低付加価値生産性戦略による成長なき安定の時代だったということがよくわかった。
現在は、さまざまな業種で人手不足が叫ばれる中、DXやAIによる特にホワイトカラー職の人余りが進行する。日本ではエッセンシャルワーカー職やローカル企業の賃金が低い傾向があるが、こうした職はAIやロボットに代替できない。
漫然とホワイトカラーな社会人は、必要に応じて非ポータブルな知識はアンラーンし、リスキリングしなければならない。但し、リスキリングは基本的なスキルが身に付いている前提。それが怪しい場合は、基礎となる言語的技能や数学、簿記会計などを学び直した上で必要なスキルを新たに付加していくべき。
日本はジョブ型雇用ではないことが多く、スキルと報酬の対応関係が明確でない。自分のスキルや能力、経験に対し、自分の給料は妥当かどうか、給料の2-3倍程度の対価を稼げる仕事をしているか厳しい目で確認しなければならない。 -
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ネタバレ挫折とは挑戦すると言うこと
若いうちに挫折を沢山経験すると
だんだんと挑戦することの恐れがなくなったり
挫折した時の対応がうまくなったり精神的にも強くなったりする。
優等生、失敗をしてこなかった人間よりも
たくさんの挫折をして来たことが大きな強みになり履歴書上でも有利になれる。周りにも優等生でなく、挫折をして来た人がいたほうが、お互いの理解があり、もし、世界を敵に回してしまったような挫折をしてしまっても、味方になってくれる人がいると、心強い。
リーダーとしての話がよく書かれていて、部下を切る勇気や、敵を減らしていく方法も書かれていた。
20-30は自分を磨くために時間とお金がある。
挫折は本当の仲間と出会える -
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都市部を中心としたホワイトカラー労働(特にルーティンなもの)がAIに取って代わられ、地方x技術労働(保育、介護、グルメ、観光)が人間にとって重要になる、という論旨は、なんとなく頭では理解していたものが言語化されて、非常に良かった。職人が生き残る世界は居心地が良い。
一方で、ホワイトカラーが生き残る術にも触れており、それはオールラウンドな準経営者層(簿記でいうと2級程度)になるしかない、と。その為には基礎教育(=リベラルアーツ)をリスキリングしなければならない。例えば「数学Ⅱ」できれば「物理Ⅰ」まで身に着けておけばデリバティブの基本は理解できる。
リベラルアーツは身に着けるだけでなく、応用が必要だし、それは脳の訓練が必要であることにも触れている。町中を歩いていて、「この古びていていつも空いている食堂はなぜいつまでの潰れないのか?逆にすごく流行っているように見えたファストフード店がなぜ閉店したのか?」ということを不思議に思うか(=問いとするか否か)、その不思議を解こうとするか(=正解を模索するか否か)、そしてそこにビジネス上をチャンスを感じたら行動を起こすか(=決断するか否か)を常に考えることが大事。 -
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本書のような書籍を私はよく読むのだが、腹落ちする部分が非常に多い。
逆に今の若者は、現代日本をどう見ているのだろうかと考えてしまう。
産まれた時から「経済が停滞している日本」と言われ続けてきた。
それでは現代日本は後進国なのかと言えば、そんなことでもない。
蛇口を捻れば安全に飲める水が出てくるし、治安も非常にいい。
電車も時間通り動いているし、週末に家族でレジャーだって行けている。
電気もインターネットも安定しているし、街中で暴動が起こることもない。
どう考えても、世界的にも恵まれた国に生まれたと言ってよいだろう。
もちろん、個々人の生活を細かく見れば、それなりに不満もあるだろうし、人によっては非常に苦しい生活を強いられている人もいるはずだ。
しかし、総じて考えてみれば、日本ほど豊かな国があるのだろうかと思ってしまう。
GDPは3〜4位と、以前として世界の中では経済大国と言えるが、成長率では著しく低成長。
だからこそ「失われた30年」と言われ、経済が停滞していた国家だった。
デフレスパイラルによって、給料は上がらないが、物価も安く、失業率が低いまま維持された。
日本は国家として、企業の収益性よりも、失業者を出さない選択をしたと言える。
その選択は、労働者を守るという一面があったのは事実だが、負の面があったのも事実。
労働者を守ると言いながら、しわ寄せが派遣社員などの非正規雇用者に向かったのが、そのもう一面である。
失業者を出してでも企業の収益性を目指さなかったために、新陳代謝が遅れ、非効率で収益率の低い企業が生き残ってしまった。
そんな30年がいよいよ変わる(終わる)ということなのである。
給与も上がって物価も上がっていくのは間違いないが、まさに企業も収益性を求め、生き残りをかけていくということだ。
企業のグローバル化が益々進んでいくが、これがすなわち、世界ルールの中でガチンコで対決していくことを意味する。
働く社員も例外ではなく、世界の人たちの中で優秀な人は生き残り、そうで無い人は厳しい状況に追いやられていく。
つまり「100%自己責任」の時代に突入したということだ。
今まではゾンビ企業によって、企業の収益性を捨ててまでも雇用が守られていた。
そこが大きく方向転換される。
その戦いについていけなくなって、脱落する者が多数出てくるだろう。
自己責任とは言え、そんな社会の中でどう生きていくかを模索するのは、相当に難しいだろう。
冨山氏が別の著作でも書いていたが、ホワイトカラーは特に、これらの状況に加え「AI」の影響をモロに受けていくはずだ。
自分が今までやっていた仕事は、AIに置き換わっていく。
事務的なルーティーン作業であれば尚更だ。
そんな時に別のどんな仕事に就けばよいのか。
これだけ少子化、労働者不足の日本なので、仕事さえ選ばなければ、失業しないはずである。
今までホワイトカラーで働いていた人が、まだまだAI・ロボットに置き換わりにくいブルーカラーの仕事に転換できるか。
特にローカル地域は超人手不足のため、場所のこだわりを失くしさえすれば、仕事はあるはずだ。
しかし勿論だが、今までの収入を確保できるはずはない。
AIに置き換わって失業するよりは、働いた方が良いと思うが、それができる人とできない人もハッキリと分かれてしまうだろう。
自己責任の時代にどうやって生きていくか。
真剣に考えてしまうが、いざ自分のことを考えると、上手に対応できる自信は全くない。
長生きすることを考えると、今から細く長く生きる道を模索した方がよさそうだ。
地道にコツコツ、戦略的に出来ることの幅を広げていければと思う。
(2025/6/10火) -
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著者の西山圭太さんは元経産官僚。正直、誰?で、「松尾豊氏推薦!」「冨山和彦解説」の帯に誘われ購入した。読後は、それまでのDXに対するモヤモヤが晴れた気がする。
キーワードの一つであるアーキテクチャの定義「到来しつつある新しい産業、社会を捉え直し、構築し、表現するための手法であり、発想(p170)」に腹落ちし、IX時代の歩き方である①課題から考える②パターンを探る③アジャイルにこなす④抽象化するは、明日からでも意識していこう。
注目の冨山さんの解説では「世の中にはなんちゃってDXやDXごっこプロジェクトが跳梁跋扈する(p247)」などらしい毒舌がある一方で、「組織能力的にトップから現場までその力(新結合力=「パクリの掛け算力」)が高い人材によって構成されているということ、すなわちアーキテクチャ認識力、思考力を持つ人材に恵まれていることがIX時代において決定的な重要性を持っているということだ(p247)」は本文を補完する素晴らしい内容だった。 -
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『三菱総合研究所は、2035年にホワイトカラー(事務担当)が180万人余剰になるとしているが、実際はすでに始まっている。』
確かにAiによる人員削減の話題をちやほや聞いておりますので、これはさらにもっと早い段階で、そしてさらにもっと多く余剰人員が出るのではないかと思っております。
多くの人はホワイトカラー>ブルーカラーという感覚をお持ちでしょう。今後これはそうはいかんざき!となりますので、適当にFラン卒業して、地元に帰って自宅通いで事務員としてそこそこのお給料で勤めながら地元ライフを謳歌しようというマイルドヤンキー的なお前ら(娘2人含む)、これ読んでお先真っ暗だから安心しろ。
このまま行くとホワイト生活からブラックになりますから。あーAiって怖いよね、ほんとAIタヒってくれんかなー、いやいやそうじゃなくAiを武器にできるホワイトカラーになってシン・ホワイトカラーとなり生き残るしかありませんぞ、お前ら(娘2人含む)。
最後の『日本再生への20の提言』など、私のような零細企業の経営者に対しては非常に厳しいお言葉をいただき、反省するところは反省し、そして反省するところはやっぱり反省し、そして反省しかありません。とにかくAiを使いこなせるよう、早速自分の写真をフィギュアにしてみます。がんばります!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ内容の濃さとボリューム、翻訳された日本語という読みづらさで骨が折れた、、が勉強になった。
解説された方の講演を聴いたのをきっかけに読んだ本。
両利きの経営=探索と深化について、特に意識しないと進化だけになるのでとにかく価値を出すのは探索、総論的にはよく言われることだけど、それをかなり詳しく書いてある内容。
そして、成功させるためには企業内での団結、方向性を統一することが必要で、心に訴えかける抱負の浸透が重要というのは、「宗教的に理念の統一がされた組織は強い」と言われていることとの共通項を感じた。
終盤の具体的な成功事例は複雑で、経営幹部との関わりが希薄な立場からすると難しい内容だった。
そして最後に一番大切なのは心に働きかける動機付け、というのが問題解決に書いてあった本と同じだった。究極はマインドマネジメントが大事なんどな。
企業変革の支援にも参考になりそう。
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探索のアイデアでは、既存事業の深化の利益を活用して競合からリードできることが必要。
そのためには既存事業に携わる社員から資産を提供してもらうことへの社内理解が必須。トップからのバックアップが無くては社内から抗議・排除されてしまう。
探索ができるためには、既存の文化から程よく切り離される必要があり、子会社として分離する、地理的に離れた位置にする、など革新に専念できるような環境づくりも必要。
そして、分離されたチームであっても大きな組織としての団結を感じさせるために、共通の理念や統率者を立てるなど、組織体制には気を配る必要あり。
両極端な探索チームと深化チームをリードするには、1人のトップが2面性を持ってやり切るのか、
幹部チームとして2面性を成立させるのかのどちらか。2チームへの矛盾した態度を貫く。
チームで乗り越えるならば、2面性の対立に向き合い、腹落ちするまで議論を行う必要がある。
それぞれのチームにはそれぞれ異なる目標を管理する必要がある。探索にはマイルストーン、フィードフォワード。