冨山和彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
グロービスでお世話になった田久保先生が「必読!2回!」とのことだったのでポチッと購読。
要するに、業種や職種といった「タテ割り」はどんどんなくなり、GAFAに代表されるように全てがミルフィーユ状の「ヨコ割り」になっていく。その中でどの部分を外部に頼り、自分たちがどこで勝負するか、横並びになっている本屋の本棚にまだない本をどう探すかが大事という話。
例の一つとして、ネットフリックスはクラウドサービスに全面的に移行する代わりに、顧客の視聴経験の最適化には徹底して自前開発にこだわったものが挙げられている。
しかし、解説の冨山和彦さんが「本気で危機感を持たなかったら、あなたヤバいでしょ」と書いて -
Posted by ブクログ
現IGPIグループ会長の冨山和彦氏による、10年ほど前の著書。
後書きにもあるように、氏の個人的な経験に基づいた"知恵"(考え方)について記載してあり、コンサル的なロジカルさよりも感情面に大きく寄せた本である。したがい、合う合わないは人により大きく出る本かもしれないが、そこは「フィットすること、ピンとくるところだけを参考にしてもらえばOK」(同書"おわりに"より)
しかし、産業再生機構のCOOとして、再生案件の最前線で辣腕を振るった氏の経験に基づく言葉は、多くの人々の胸に迫るのではないかと思う。
以下、個人的になるほどと思った言葉:
○敗因の分析は、過去 -
Posted by ブクログ
本書で描かれるDXは「インダストリアルトランスフォーメーション」を前提としており、ハードウェアのゼロイチの世界から始まり、壮大な変革論に続いていく。実例や比喩表現も秀逸であり、何周も読み込みたい本であった。
・レイヤー構造でエコシステムが形成されている
・優良なグローバル企業の特徴として、①顧客の要望を直接伺うチャネルがあり、顧客対応を全て細部まで行なうわけでなく、要望を抽象化することで必要な対応のパターン化する。②顧客のいまの課題ではなく、2、3年後の課題やその先にいる顧客の将来を見ている③ギリギリの標準化を繰り返し、低コストで顧客層や提供価値を広げる
・エルブジという古い料理店の事例。 -
Posted by ブクログ
100年に一度と言われたアジア通貨危機、リーマンショック、東日本大地震、新型コロナなど、有事が平時となった時代のリーダートランスメーションについて、筆者の経験や時代観を踏まえながら説いた激熱書。生々しい実体験や筆者の厳しくも勇気の貰える歯切れの良い言葉の数々に背中を押されること間違いなしです。リーダーについて考える人全般、特に大企業の中間管理職にはお勧めの本です!
○従来の優等生的な調整型、ボトムアップ型リーダーの限界と挫折力を持ったトップダウン型リーダーの必要性(序章+1章)
背景1
独裁、トップダウンに対する警戒心
→第二次世界大戦のカタストロフィから、日本は独裁的なトップダウンを -
Posted by ブクログ
元経産省の役人である西山氏による、骨太のDX解説本。
本書のメインメッセージは、「デジタル化が今日の人類社会に対して持っている最も重要なインパクトは、それが産業構造全体を大きく変容させる力を持っていること、すなわちインダストリアル・トランスフォーメーション( Industrial Transformation = IX)にこそあるということ」(本文より)である。つまり、今世に広まりつつあるDXとは、"イマココ"にある業務の効率化のための道具などでは毛頭なく、世界を全く新しいものに変えてしまう力を秘めた物だ、ということである。
それらのドライバは、ムーアの法則によるハードウェ -
Posted by ブクログ
この人の本は今までにも何冊か読んで感銘を受けた。本書もその一冊になった。グローバルで戦うには、あるいはローカル戦を選ぶのなら、という視点で、とにかく過去の成功体験に縛られずにどう戦うべきかを説いている。
同じコンサルでも大前研一氏とは違う説得力を感じる。冨山氏が実際に経営者であり、数々の社外取締役も兼任しているから、歯に衣着せぬ発言にも責任感が背後にあるのだと思う。
技術が進歩し細分化し過ぎているからこそ、日本企業が昔から持っているチームプレイが力を発揮する時だと説いている。しかしそれは過去のやり方を踏襲したり小手先の改革ではなく、海外も含めた競合を踏まえ、優秀な人材の活かし方を考えた上で -
Posted by ブクログ
ネタバレ選択と集中ではなく、捨てることが大事というタイトルからしてすぱっと明確な本。冨山氏の本
古くて大きな会社に対する処方箋として名著。
企業再生実務の観点からも非常に示唆深い。
昭和時代の遺産、歴史を学べる本とも言えそう。
後段のGとLの世界の課題感も個人的には共感。
メモ
・現代においてイノベーション環境で持続的に成功している会社は、コアをわきまえた上で、事業と機能の新陳代謝と連続的なイノベーションを積み上げている。コアドメイン周辺で起きそうなラディカルなイノベーションシーズは若くて小さな会社を買収していくスタイルをとっている。
・運命共同体を形成する約束事としての企業理念やらしさなんてもの -
Posted by ブクログ
ネタバレ冨山さんの最新刊。前作のコロナ・サバイバルショックを読んで期待していたにも関わらず、それを上回る充実の内容だった。今後の会社経営のバイブルになること間違いなし!
目指すべき会社のカタチ、持つべき組織能力として、新憲法草案を、人事組織管理、組織構造と運営、事業戦略経営、財務経営、コーポレートガバナンスという5つの切り口で提案されているのが非常に面白かった。
CXを微分すれば、個人としての働き方、生き方のトランスフォーメーションとなり、CXを積分すれば社会や国家としてのトランスフォーメーションとなる。会社の在り方に関する新たなアーキテクチャへの転換は、そこに関わる個々の人間の生き方及びその集合 -
Posted by ブクログ
ネタバレCOVID-19が猛威を振るいだした2020年4月に書かれたにもかかわらず、かなり鋭い深い内容となっている。さすが冨山さん!
118ページという薄い本なので、コロナ渦でささっと書き上げたのかと思いきや、冨山さんの経験のエッセンスを余すことなく言及されている。
平時と緊急時では経営手法は全く異なる。生死がかかっている危機時には情理は排除し、合理を優先すべきである。国民感情や社内の空気などという実態不明のお化けに惑わされずに、「理屈通り」にやるのが経営である。理屈通りにやらないから多くの人が仕事を失い、未来をつかむチャンスを逸する。合理する力こそが未来をつかむ力なのだ。
この力を持っているリー