冨山和彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
上司の推薦で読む
両利きの経営が、企業の存続のために必須なことを理解。また、これは個人にも応用できるかなと思う。毎日の仕事を完璧にするのも大事だが、適度に諦めて帰宅後にもっと長期的に役立つことに時間を費すのも大事。衰退してしまう企業の多くは、両利きの内新しい領域への探索が上手くできないことが多いらしい。自分自身もそんな気がするので、意識的に多少のリスクを負いながら探索しよう
あと、大前提として戦略に合う企業文化を醸成することが必要とも書かれていた。文化はセンスが要る気がして難しそうやけど、普段から意識はしたいなぁ
良い文化があるところはやはり強いと思う -
Posted by ブクログ
経営共創基盤CEOで、数々の企業再生などに関わってきた冨山氏の本。何冊もこの人の本を読んできたが、本書も相変わらず「歯に衣着せぬ」物言いとブレない思想が貫かれている。
危機対応時における「べからず集」が面白かった。精神論や逆に情に流されるリーダーの組織では必ず沈没する。リーダーは人に恨まれようが先を見据えて柔軟かつ冷徹に「やるべきこと」に果敢に取り組む胆力が必要だと説いている。「間違った現場主義」「資金繰りの辛さを知らないエリートが陥る罠」も面白かった。そして組織人に対しては「組織が修羅場になったら、その修羅場をとことん経験する」ことを勧めている。確かに、理論だけでなく修羅場で実戦を積んだ経験は他の組織に行くことになっても役に立つ。 -
Posted by ブクログ
両利きの経営の増補改訂版。事例がアップデートされ、入山さんと冨山さんの解説も増補されている。
両利きの経営は人口に膾炙した感があるが、その実行の難しさはあまり理解されていないように思う。単に深化と探索の両方を追えばいいというわけではなく、容易に深化の道に陥ってしまう組織の慣性=経路依存性を跳ね除け、探索の道を探るのか。また、単にアイディアを出せばいいというものではなく、それをいかにスケールされるのか。そこに力点がある。
そのためのフレームとして、既存・新規事業×既存・新規顧客のマトリクス、深化と探索、アイディエーション、インキュベーション、スケーリングを提示する。
膨大な事例とともに著者たちがポイントとしているのは、探索型組織をどこにつくるのかとスケーリング。
探索型は既存組織のリソースを活用しながら、一方で既存組織の枠組みからは離れて動けるようにしてあげる必要がある。なので、スピンアウトするのではなく、社内で別組織とするといったことが強調される。また、スケーリングの難しさは多くの紙幅が費やされている。実際、スタートアップとの連携やデザイン思考、リーンスタートアップなどの方法論によって、アイディエーションやインキュベーションに取り組んでいる企業は数多くあるが、スケーリングのタイミングで大体失敗している。スケーリングにあたっては、既存ビジネスから新規事業へのリソースの移転が必要だけれど、それ自体、そもそも既存事業側からしたら面白くない。さらに新規事業は簡単には収益化せず、短期的には既存ビジネスに投資した方が有効にみえるからだ。
そのために、経営がちゃんとコミットし新規事業を支援すること。一方で撤退の基準も決めておくこと。このあたりの具体的な事例が特にIBMとシスコの事例を使って説明される。
また、冨山さんの解説でも触れているがアイディエーションも自分たちで画期的なアイデアを考えないといけないという思考パターンにはまることも多く、どちらかというとパクるつもりで取り組む必要があるなど、学びは多い。
それにしてもアメリカの本らしく分厚い。そこだけが玉にきず。最後に冨山さんがちゃっかりIGPIの宣伝をしているのが笑えた。 -
Posted by ブクログ
2冊同時投稿「DXの思考法」「アフターデジタル」
必ずしもテーマが綺麗に重なっているわけではないが、私の中で一つのトピックなのでお許し頂きたい。
で、まあデジタルトランスフォーメーションであるが、平たく言うとなんなのか。
前者「DX」はその構造的理解を、後者「アフター」はその先端的実装事例を解説してくれる。
「DX」の肝は、データは階層構造で把握すべき、というもの(本書の例えでいうなら、ミルフィーユ)。「アフター」の肝は、もうリアルの世界でデジタルをどう使うかの時代ではない、両者に境はなくユーザーはそれを意識していない、企業に求められるのは最適なジャーニーの提供だというもの。
前者は概念中心で使用実例はコマツやダイセルなどごく一部。後者はデータの構造よりは、そこにある何かしらのデータを分析することでユーザーはここまで満足感を味わってくれる、という事例がエキサイティング。一方、そもそもデータとは、という抽象論には立ち入らない。
どちらが良いということはないが、私個人の関心には「アフター」がよりフィットした。
ちなみにどちらもデータ分析そのものの指南書ではない。これを読んでも、自社の基幹システムに吐き出させた生データを前にして勝手に手が動き出すということはない。
何が起きているのかをコンセプチュアルに把握できれば、あとはデータサイエンティストなどプロフェッショナルや人工知能を有効活用すれば良い、という割り切りだろう。
うむ。
その通りだろうが、なにかものすごくわかった気はするが、畳の上の水練でシステム予算を溶かしてしまったらどうしよう、そんな不安に駆られる経営層もいるのではないだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなぜローカル経済から日本は甦るのか GとLの経済成長戦略 (PHP新書)2014/6/13
G経済圏とL経済圏それぞれで別の戦力を用意せよ
2015年4月15日記述
産業再生機構元トップの冨山和彦氏の著作。
本書では企業、産業がかつてに比べG(グローバル型)、L(ローカル型)とはっきりと分かれていてそれぞれに効果のある対策は異なるということを示している。
これまでも感覚的に思っていたことではあるけど、国際競争に耐えずさらされているメーカーとJR、バス会社などを同列に扱うことにそもそも無理があるのだ。
(国の産業政策だけではなく個人にとっても同様。MBAを取得や高レベルの英語力が日本人全員に必要かどうか等・・・)
G型企業のこれから、ガバナンスがどうあるべきかは本書に加えてビックチャンスという著作に冨山氏がまとめているので参考にされたい。
L型については本書がよくまとまっている。
雇用にしてもGDPにしてもおよそ7割をしめているというのは意外だった。
L型では密度の経済性が効く。
L型経済圏に対して単純な規制緩和ではかえってブラック企業などが増えてしまう。
スマートレギュレーション(賢い規制)が必要である。
サービス業などは国境を越えることは出来ない。(バス、鉄道、観光・・)
サービス業の最低賃金を上げ生産性の低い会社の退出を促す。
地域金融機関、保証協会のあり方の見直し。
特に信用保証協会からの代位弁済が毎年一兆円を超えている。
これを見直し生産性の低い企業へ緩やかな退出を促す。
個人保証でも贅沢品を除いた財産は取り上げず路用に迷わないように変える。
税制や補助金も生産性の高い会社に傾斜的に配分するべき。
失業対策も対企業ではなく直接個人に対して。
人手不足対策を真剣に行う(放置すれば人がいなくて過労死する場合も・・)
非高度人材の外国人を移民としていきなり受け入れると
劇的なショック反応が起こる可能性がある。
日本国内で少子化対策、生産性向上、女性と高齢者の更なる活用を徹底的に行う。
いきなり外国人労働者を入れることは最低賃金の引き下げとほぼ同じ効果を持つ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ結果を出すリーダーはみな非情である 2012/10/25
5つ星のうち4.0 常に与党の立場で考え行動する
2014年4月15日に日本でレビュー済み
産業再生機構でトップを勤めた冨山和彦さんの本。
流行している言い方だと意識高い系の本になるのだろうか。
ただし良い意味で危機感を持って動いた方が良い事が多い今の時代には本書は何らかの示唆を私達に与えてくれると思います。
富山さんの著作は他に「会社は頭から腐る」「挫折力」などを読んでいたのである程度は話の流れは殆ど同じです。
(*無論読んでいなくても問題なし)
本書にしかなかった話で興味深かった事をまとめてみます。
会社にも寿命があること。
→ソニーがかつてのイノベーティブな会社になれないのは組織が10万人以上、創業60年を超えていることからも理。
グーグルやアップルのような会社ではなくGEのような会社を目指す。
論理で物事を判断する、情緒的直感で判断しない。
情に流される経営者では駄目。
サンクコスト(埋没費用)に振り回されない。
地道な説得を続ける事の大切さを痛感すること。
→論破すれば良いと良いというものではない。
守旧派に恥をかかせるような言い方をしない。
社内の空気、雰囲気を少しづつ変える努力をする。
最後の一打は外圧などを使っても良い。
アリとトンボの目を持つ課長(管理職)を目指す。
現場と経営者層の両方からの一次情報が取れることを大切にする。
自分がトップならどうやるのかを常に考えておく。
常に与党の立場で考え行動する。
口先だけの万年野党、評論家にならない。
→いざ権力を握っても民主党にようになるから。
戦略的思考は血も涙もない結論を導く。
引き算(捨てる)の意思決定が出来るようにする。 -
Posted by ブクログ
リアルな経営分析とは何かを考えさせられる本。
アカウンティングを学び財務三表の見方を理解していたが、財務諸表上の数字を見て財務指標分析をするといった数字上の分析手法では本当に実態にあった適切な分析ができるとは言えないということを理解した。
その分析対象の企業がどんな会社かを定性的に想像できることが何よりも重要。
行っている事業はどんな構造でどうやって儲けているのか、その業界の構造がどうなっているのか。
今ライフサイクル上のどこに位置しているのか。
取引先はどんなところか、それが意味するところは何か。
P/Lからその会社の事業構造を具体的に創造し、そこから仮説を立て、違和感のある数字を確認する。そして、B/Sを見て資産状況から何が言えるのかを考える。
リアルにその会社の実態を創造し、置かれている状況から考えられる課題を見極めて財務諸表と比較し定量的な課題の答えを見つける、そういった分析の仕方が学べる。
身近な商材の例をとってわかりやすい内容になっている。
また、規模の経済や範囲の経済、密度の経済、ネットワーク経済性といった事業経済性の基本も学べる。
日頃からビジネスの具体的想像を意識させてくれる良い本である。 -
Posted by ブクログ
久しぶりのザ・経営書。
イノベーションと言えば、クリステンセンさん世代(?)な私。有名な「イノベーションのジレンマ」を越えるには、クリステンセンさんの言うように新規事業担当を別組織にするだけじゃ既存の経営資源使えないじゃん?という問題意識から書かれている。
しかし、結局は別組織にして、上が仕組みや文化でしっかり繋いでねというように読める。
この手の経営書、以前は随分読み漁ったが、結局経営者次第じゃんと思えてしまって、しばらく遠ざかっていた。この本は訳が良いのか翻訳本にしては読みやすいし、事例も豊富で面白いんだが、やっぱり当時の感想を思い出した。学者さんが大企業を一括りにして語っている感が、マネジメント層ではない人間には刺さらないんだよなあ。。