冨山和彦のレビュー一覧
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リアルな経営分析とは何かを考えさせられる本。
アカウンティングを学び財務三表の見方を理解していたが、財務諸表上の数字を見て財務指標分析をするといった数字上の分析手法では本当に実態にあった適切な分析ができるとは言えないということを理解した。
その分析対象の企業がどんな会社かを定性的に想像できることが何よりも重要。
行っている事業はどんな構造でどうやって儲けているのか、その業界の構造がどうなっているのか。
今ライフサイクル上のどこに位置しているのか。
取引先はどんなところか、それが意味するところは何か。
P/Lからその会社の事業構造を具体的に創造し、そこから仮説を立て、違和感のある数字を確認する。 -
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久しぶりのザ・経営書。
イノベーションと言えば、クリステンセンさん世代(?)な私。有名な「イノベーションのジレンマ」を越えるには、クリステンセンさんの言うように新規事業担当を別組織にするだけじゃ既存の経営資源使えないじゃん?という問題意識から書かれている。
しかし、結局は別組織にして、上が仕組みや文化でしっかり繋いでねというように読める。
この手の経営書、以前は随分読み漁ったが、結局経営者次第じゃんと思えてしまって、しばらく遠ざかっていた。この本は訳が良いのか翻訳本にしては読みやすいし、事例も豊富で面白いんだが、やっぱり当時の感想を思い出した。学者さんが大企業を一括りにして語っている感が、マネ -
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冨山さん、成毛さんという論客二人による日本改革に向けたアプローチやプランについて自由に語っていただいた本。
基本的には昭和的な社会制度・文化が根強く残っている今の日本を欧米を始めとしたグローバルの潮流を意識した仕組みに転換していくべきとの主張。
非現実的な極論も多いものの、それが故に論点がクリアに示されている。
最後は政府や社会のせいにせず、自身で自己トランスフォーメーションしていき、好きなこと、楽しいこと仕事にすることを推奨してくれている。そのためにはそこで他者と差別化し、価値を生み出す必要があるが、今の時代はそれができる環境にある。そしてそのような発想を個々人がもち、行動に移せば、日本が -
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著者の経験の中での「挫折」はなかなか高いレベルのものなので、読者が身近に感じる経験ではないが、
著書から、仕事をする上での覚悟と取捨選択の重要性を意識されられた
特に大企業に所属している人に刺さる本だと思う。
著書の中にもあったが、「著名な本を読んで内容を知っているだけではダメ。自分の生活の中で体現できるようにならなければ自分の知識とは呼べない」ので、この本で学んだことをしっかり体現できるように意識したい
備忘用メモ:
・リーダーの思いや危機感はなかなか伝わらない→とにかく耐えること。今期強く「お願い」をすること
(日本はシーソー式/49が51になれば一気に改革は進む)
・味方作り、敵減らし -
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ネタバレ選択と捨象 「会社の寿命10年」時代の企業進化論 2015/6/19
永久に変化し続けないと淘汰されてしまう
2015年12月13日記述
元産業再生機構COO、経営共創基盤CEOの冨山和彦氏の著作。
2014年10月6日から2014年12月22日まで朝日新聞・朝日新聞デジタルにおいて計10回にわたり連載された「証言そのとき 再生請負人がゆく」をベースに大幅に加筆したものである。
本書で唯一残念であるのは誤字である。
P48のタイトル 中小企業の経営者から産業革新機構のCOOへ
明らかに産業再生機構の間違いであろう。
朝日新聞出版の編集、校正はどうなっているのか?
自分が読んだのは第1刷の -
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『挫折力』が面白かったので、遡って読んでみた。
その昔、毎日のようにニュースで見た産業再生機構の4年間のドラマはすごく刺激になった。
P132
重要なことは、カネボウの意思決定者が、合理的な意思決定を下せるように、プラットフォームをすっきりしてあげることなのだ。
P146
経営というのは、基本的に自由裁量行為である。違法行為や反社会的行為は論外だが、何をするのかは経営に委ねられる。執行と監督を分離した取締役会なら、ビジネスジャッジメントの範囲である限り、そこで口出しはするべきではない。
P152 (株主主権に関する記述)
マルクスではないが、生産手段、付加価値の源泉は、再び「働き手」、人