冨山和彦のレビュー一覧
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自分は今41歳。将来展望について考えさせられる...。
以下、備忘録的にまとめ。
現在の公的な年金制度や医療保険制度は、高齢者1人を若い世代2,3人で支える構造になっている。このままでは、若い世代の負担が大きすぎて、彼らの活力を奪ってしまう。
30代以下の働き盛り世代の活力を甦らせるには、今の社会で多くを占める60代以上の世代の中でも多数派を占める団塊の世代が、自らの既得権を手放すしかない。
具体的には・・・
・公的年金は、所得や資産のない人だけに給付する、いわば「掛け捨て保険」の形にする。現行の公的年金制度については、これまで払い込んできた金額に一定の金利を上乗せして全員に返し、い -
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まずは論理的思考を取り入れる筋トレ。この積み重ねがコンサルのファンデイションをつくり、そのあとに経験が上澄みとして入っていく。経験だけでまわすことも出来るけど、それは、毎日の筋トレがベースにあるから。
だから一つ一つにこだわり、自分の目で、他者からの評価を受けいれて成長することを繰り返しながらコンサルとしての自分の形を作っていくべき。という非常に筋の通った話で、なおかつ具体例なども出ていて参考になる。
これからコンサルを目指そうという若い人むけの本だが、コンサルに成り立て36歳にもできるのだろうか、というかそれをキャッチアップする努力をしなくてはいけないと強く思った。
普通の企業にも優秀な人は -
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「すべては未来の子供達のためにあなたが何ができるか」
これが富山さんが本書で指摘していることの根本の思想です。
本書の中で、団塊世代に代表される既得権益者にとっては到底受け入れられるものではないような提案が次々提示されています。
年金は掛け捨て型にする、大学は一部を除いて職業訓練校に特化する、解雇規制・定年制・年功性の3点セットの同時実施などがそれです。
ですが冒頭で述べた思想があると、既得権益VS非既得権益のような二項対立は避けられますし、得られる利益も大きいはずです。
これからは30代以下の人々が、革命の主導権を握っていくべきです。そのために自分にできることを一つでも見つけ、行動に移 -
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・学ぶ姿勢としては、ある意味で謙虚さが必要であり、そういう姿は日本人的には美しいかもしれない。だが悪く言えば相手に合わせるために、自分を押さえ込んでいる。これは答えのない問題を考えたり、あるいは問題設定さえ自分で行い、自分なりの答えを創造していく際には、マイナスに働くことが多い。
・必死に自分の頭で考え、自分で仮説を生み出して、挫折を繰り返しながらたどり着いた「自分流」こそが正解なのだ。そしてその過程において生まれた「勉強不足」の意識こそ真の学ぶ姿勢である。そこからの学びこそが、真の知識や知恵を私たちに与えてくれる。まずは、「正解は一つではない」いや「正解は誰も持っていない」と考えてみることだ -
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ネタバレ以下メモ
・企業というのは良くも悪くもゲマインシャフト(自然共同体)的なムラ社会、その中で最も評価されるスキルというのは内部調整能力。
・組織が巨大であればあるほど、外敵と戦っているという感覚は鈍くなる。トップに登りつめた人=内部調整力に長けた人、しかしそれでは外敵と戦えない。
・ゲマインシャフト社会の中、とりわけ順調そうに見える集団の中では、どんなに優秀な人間であっても、ピーターの法則が言っているように、無能レベルに近づいていく。
・トーナメント制エリートは、負けを知らない。
◎経営者は絶対に責任をとれない。責任をとれないくらい重い責任がある。人は失業したり、病気になったり、明 -
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負けないビジネスモデルを打ちたてよ
大空洞化後の「新しい成功法則」とは?
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『日本経済 今度こそオオカミはやってくる』目次
第1章 責任回避システムが社会を壊す
〜 機能不全が続く日本
・複合連鎖危機で日本の価値そのものが下がっていく〈竹中〉
・「要請」という形で現場に意思決定を押しつける〈冨山〉
・コメンテーターのような政治家ばかり〈竹中〉
・最難関の組織の経営能力は簡単には身につかない〈冨山〉
・関東大震災前に「東京改造計画」を持っていた後藤新平〈竹中〉
・じつは震災前に勝負が決まっていた〈冨山〉
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人間の心理の深~い部分を全部炙り出した1冊です。
『「人はインセンティブと性格の奴隷である」だから、小賢しい組織論やスキル論よりも「人間集団を正しく動機づける」ことの方がパワーを生み出す』
『人間の価値観、行動洋式そのものを変えるのが真の経営者だ、という人もいるが、実態は、そこにいる個々人が本来持っていた個性ややる気に対して働きかけた結果、モチベーションと組織能力が飛躍的に高まった』
『経営者としての私のスタンスは、まずは人間を動機づけているものの本質を理解する努力を行う。そこに的確に働きかけ、勇気づける。本人が相互に矛盾するインセンティブの相克に苦しんでいるのなら、それを整理して、ある -
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日本におけるトップコンサルタントの1人である波頭氏、事業再生の請負人である冨山氏による、次代のコンサルタントに求められる資質は何かをディスカッションする対談本である。
戦略コンサルタントと言えば、クライアントが進むべき方向性をチャートを駆使してプレゼンするイメージが強く、その後の実行の部分はコミットしないイメージがあった。しかし、本書ではそのイメージを良い意味で裏切ってくれた。これからの企業は「エクゼキュージョン・ケーパビリティ」、すなわち組織の実行能力が非常に重要な経営要素になり、戦略コンサルタントもこの実行部分に関与する必要性を説いているからである。
また、クライアントの実行を支援する -
Posted by ブクログ
経営者に必要なのは,決断力。情と合理,それを両立させた者がふさわしい。著者の過去の経験から導かれる日本企業の問題点とその洞察は納得感がある。挫折力にもあったが,やはり修羅場をくぐりぬけてきた経験があるとないでは,窮地に追い込まれた時に使えるか使えないか決まる。リーダーはいつでも責任をとれる存在であるべし。
自身が東大→MBAというキャリアを持ちながら,学歴社会に疑問を呈するのは不思議ではない。まったく自分もそう思う。大企業に行くことで安定を手に入れているのかもだけど,大企業病にじわじわと汚染されてしまうのも事実。そんなのはまだ御免。今のうちに社会で食っていけるスキルを身につけて,30,40代で