井沢元彦のレビュー一覧

  • 逆説の日本史15 近世改革編/官僚政治と吉宗の謎

    Posted by ブクログ

    逆説の日本史シリーズの江戸時代編。
    綱吉以降の6代目家宣から、10代目家治までをまとめている。

    とにかく正しい歴史を理解するうえで重要なのは、「史書というのは勝者=時の権力者が書いてきたもの」という視点だ。
    書いた人自身にとって、都合の悪いことは書かれない、または都合の良いように書き換えられている、という「推測」を歴史解釈に取り入れるべき、という井沢さんの観点に大いに共感する。

    今作では、徳川吉宗およびその孫松平定信がいかに愚かな政治家であり、教科書に載る様な「名君」とは程遠いのか、そもそも性格自体も粘着質で尊敬に足らない人物だったか、はっきりと分かって非常に面白い。

    0
    2013年01月14日
  • 逆説の日本史5 中世動乱編/源氏勝利の奇蹟の謎

    Posted by ブクログ

    天皇vs武士の構図で、その後の日本のあり方を決めた、この時代が一番面白いかもなぁ。日本初のアイドル義経が不死伝説を作ったことも大きなことだったと思う。ともかく面白かった。

    0
    2012年08月20日
  • 逆説の日本史14 近世爛熟編/文治政治と忠臣蔵の謎

    Posted by ブクログ

    1巻からずーと継続して単行本発売→即買しているうちの一つ。学生時代は先生が嫌いであまり好きじゃなかった歴史を大好きにしてくれた作品。この巻は江戸時代中期ですが、昨今の領土問題の根幹の話は腑に落ちます。

    0
    2012年08月18日
  • 逆説の日本史4 中世鳴動編/ケガレ思想と差別の謎

    Posted by ブクログ

    平和とは、むなしい言葉。戦争の無い状態。暴力団まがいの手練手管を要する。綺麗なものではない。家康の豊臣滅亡させた例。日本は歴史から何も学んでいない。歴史から何も学ばない国である事が歴史から分かる。頂点に至った時のグランドデザインがないからだ。

    0
    2012年07月25日
  • 逆説の日本史3 古代言霊編/平安建都と万葉集の謎

    Posted by ブクログ

    和、怨霊、言霊…知られざる日本の宗教観を軸に歴史を読み解く。言霊の話は面白かったな。歴史学の中ではこの本、どう評価されてるのかなぁ。

    0
    2012年07月05日
  • 「誤解」の日本史

    Posted by ブクログ

    ・井沢元彦の本を読むというだけでワクワクする。

    *扶桑略記の、天智天皇の最期を書いた部分が見てみたい。行方不明になったとされる記述の後に、数十字抜けている、あるいは脱落させられていて正確には読めないが

    0
    2012年06月29日
  • 逆説の日本史14 近世爛熟編/文治政治と忠臣蔵の謎

    Posted by ブクログ

    歴史は、時代時代を切り取ってマニアックに閉じこもって覚えるのではなく、マクロから視ることが大事。この逆説シリーズは、そもそも当たり前で冷静な視点で物事を考えるべしと気付かせてくれる、よいキッカケになる。

    忠臣蔵と赤穂事件の違いから、日本史全体を一気通貫している怨霊信仰・日本教が浮かび上がる。のちの倒幕や二・二六事件の思想に繋がっていくなんて。こんなこと学校じゃ絶対教えてくれない。

    「自分の歴史的位置」言い換えれば「使命」が認識できていたかどうか。綱吉後の新井白石に対する著者の考察は鋭い。

    ドラマ的には地味な江戸時代中期、一層興味がわいてきた。

    0
    2013年01月23日
  • 逆説の日本史14 近世爛熟編/文治政治と忠臣蔵の謎

    Posted by ブクログ

    “側用人”という改革実行のためのシステムを作り、戦国のある種野蛮な気風を一掃し、文治主義を確立した綱吉の功績。
    そしてそれがいかにして後世に貶められて伝えられているか。
    忠臣蔵のウソとそのウソが何故補強されて今日まで伝えられているのか。
    14巻も相変わらず面白いっ。

    0
    2011年12月20日
  • [決定版] 世界の[宗教と戦争]講座

    Posted by ブクログ

    点を線にして面にする。各宗教それぞれの関連性を解説しながら、流れるように世界の宗教をまるごと理解できる本になっています。
    まさしく決定版です。

    0
    2011年11月07日
  • 歴史の嘘と真実

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    伊沢元彦さんが、名古屋生まれであることを、この本を読んで初めて知りました。

    標題とはうってかわって、「歴史」の嘘と真実を書いているのではなく、
    副題にあるように、誤解だらけの「正義」と「常識」について書かれた本だと思いました。
    歴史はあくまで、その一部に過ぎません。

    歴史の多くが、戦いに勝った側の歴史なので、負けた側の歴史は消え去ることがあります。
    歴史は常に半分の真実しか残っていないことを知っているはずです。

    愛知について、空港だけは早期に整備した方がいいと書いているのは蛇足だったかもしれません。
    名古屋空港で不足していたのは道路の拡幅と鉄道の整備でした。
    それを行わな

    0
    2011年11月06日
  • 逆説の日本史12 近世暁光編/天下泰平と家康の謎

    Posted by ブクログ

    2005年のハードカバー発行時に読んでいましたが、6年ぶりに再読。関ヶ原の駆け引きはいろいろな本で何度読んでも本当に興味深いですね。(例: 司馬遼太郎さんの「関ヶ原」等) その後の幕府の仕組み作りも含め、家康という人の凄さ… 当たり前ですが。

    0
    2011年09月17日
  • 逆説の日本史12 近世暁光編/天下泰平と家康の謎

    Posted by ブクログ

    信長・秀吉、2人の独創的な支配者の興亡を目の当たりにした家康が75年の人生を目一杯に使って築き上げた徳川幕府。
    その権力の簒奪から確立までの権謀とその真意。
    諸大名及び宗教勢力の統制政策、信長・秀吉からの流れで読み解く見方に納得。

    0
    2011年09月07日
  • 逆説の日本史11 戦国乱世編/朝鮮出兵と秀吉の謎

    Posted by ブクログ

    秀吉、この日本史上最大の英雄が行った政策の真の意味を窺い知れる。
    宗教政策、軍事政策とも信長、秀吉、家康の3人を流れのなかで見ていかないと、その意味を理解することはできない。
    唐入り、その文禄の役と慶長の役の意味目的の違いと、
    そもそも唐入り自体の当時の世界史的情勢からの視点に納得。

    0
    2011年09月02日
  • 穢れと茶碗 日本人は、なぜ軍隊が嫌いか

    Posted by ブクログ

    「穢れ」と「汚れ」は違います。どちらも「ケガレ」と読みますが、「汚れ」は消毒すれば落ちるのに対し「穢れ」は消毒しても落ちません。例えば、あなたの嫌いな人があなたの空の茶碗に痰を吐いたとします。それを洗い、消毒して、科学的にも何の雑菌もない状態にしても、あなたはそれをまた使うことはできますか? おそらく出来ないでしょう。それは「穢れ」が落ちないからです。
     では「穢れ」を落とすにはどうすればいいのか。それは「水」で流すと落ちます。水道水ということではありません。川の水とか海の水とか、どちらかというと水道水より雑菌のある水のことです。神社で参拝前に手水で手を洗うのは「穢れ」を落とすためです。
     

    0
    2017年08月15日
  • 言霊――なぜ、日本に本当の自由がないのか

    Posted by ブクログ

    『言霊』とは文字通り、言葉をコミュニケーションツールとしての単なる記号と捉えずに、その中に霊性をみとめる考え方のことです。
     例えば受験生に対して「落ちる」とか「すべる」という言葉を発してはいけない、という習慣も、知らず知らずのうちに「言霊」を意識しているからです。
     どちらかというと悪い使い方をされることのほうが多いです。日本の怪談などで「末代まで呪ってやる〜」と言って死んだ人間が怖いのは、言霊のせいです。(因果応報の仏教思想も関係しているかもしれませんが…)死んだ人間に何が出来るんだ、という合理的な考え方の人には、何も怖くありません。
     この言霊思想がいかに言論の世界で大きな障壁を生んでい

    1
    2017年08月15日
  • 逆説の日本史1 古代黎明編/封印された「倭」の謎

    Posted by ブクログ

     卑弥呼失脚と日蝕の謎、出雲大社の参拝方法に込められた国譲り神話の謎、聖徳太子の『和』という文字に込められた謎、など教科書では習わなかった歴史の深いところまで踏み込んで解説してくれます。とても面白いです。
     井沢古代史を読むときに大事なキーワードとなるのが『怨霊』です。怨霊史観といってもいいかもしれません。強引なところも無きにしも非ずですが、確かにそれを通して明らかになってくるものがあります。陳腐な表現ですが「目から鱗が落ち」ます。
     
     詳しい説明は興を削ぐと思うのでこれ以上書きませんが、強烈にオススメします。
     シリーズは長く、自分は7巻くらいまでで止めてしまいましたが、この1巻と、聖徳

    0
    2017年08月15日
  • 逆説の日本史2 古代怨霊編/聖徳太子の称号の謎

    Posted by ブクログ

    この人の本を読んで思うのは、歴史学者って本当にデタラメなんだなということ。もちろん、著者の説が全て正しいとまでは思っていない。しかし、例えば日本書紀は、その編纂者や時期などから内容はそのまま信じる訳にはいかないのは著者の言うとおりだと思う。にもかかわらず、学者の間ではそうではないらしい。原発問題でも分かったことだが、専門化でもダメな人はたくさんいる。専門化の言うことだから間違いない、とは言えないのは歴史学でも同じなのでしょう。

    0
    2011年07月21日
  • 逆説の日本史10 戦国覇王編/天下布武と信長の謎

    Posted by ブクログ

    この人の主張が全て正しいということは勿論ないだろう。しかし、著者が言うように専門家の主張が必ずしも正しくない、時にはとんでもない主張が通説になるというのは事実である。私が大学時代に専攻した法律学の世界でもそのようなことが見受けられた。若い歴史研究者がこの作品に触れることにより、将来の歴史研究が今までとは違ったものになることを期待しています。

    0
    2011年07月17日
  • 野望(上) 

    Posted by ブクログ

    今まで読んだ武田関連本で一番面白いと思います。
    癖がなくて読みやすいし、人物が皆生き生きとしてて惹き込まれます。
    殿と勘助のやり取りは風林火山と似てる感じ。
    後、高坂ファンの目線としては、恐ろしいぐらいの贔屓っぷりで何かもうお腹いっぱいです。小姓時代が可愛い。
    分厚くて持ち歩きが大変ですが、オススメです。

    0
    2011年06月02日
  • 言霊――なぜ、日本に本当の自由がないのか

    Posted by ブクログ

    仕事の上司よりお借りしました。自分では絶対に手に取らない本だったもので・・(笑)
    内容は、自分が持っていない視点を植えつけられました。とても刺激的で新鮮でした。
    歴史について、私自身は全く詳しくないのでそれが正しいのか間違っているのかは判断できませんが、「納得してしまった」というのが全てです。
    そして、私自身、「言霊信仰」の信者であることに気付かされました。
    ものの考え方全てが、非科学的な「言霊信仰」に基づいているなぁ・・と改めて気付いた次第です。

    面白かったです!!!

    1
    2011年03月01日