有川浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ本書の大きなテーマが「近い将来に身内が死ぬ」だと思う。夫婦や恋人、それに近しい魂の繋がりがある関係の人が死を宣告されたとき、自分はどう苦悩するのか。病気の進行を抑えられないもどかしさに苦悩し、死んだ後に声も顔もおぼろげになっていくことを想像して悲しくなると思う。
他人の死は自分の死より受け入れづらいことだと思う。自分が死ぬことは覚悟できるが、他人が死ぬことを許容できないのはどうしてだろう。現実味がないからだろうか。
AサイドもBサイドも幸せに最後を精一杯に生きていたと思う。病気にならなければと幸せな時間がもっと続いてはいたが、それはもしもの話である。2人は死を覚悟し、幸せに生き抜いたと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ高知県の県庁で働いている掛水が徐々に「お役所の人」から成長していく物語。
お役所の仕事に関しては全く知らない状態だったので、読んでいて勉強にもなった。
民間の人から見ると非常に堅いし動きはスローペースに見えるという点は初めて知ったが何となくイメージしやすかった。
そんな中でも「おもてなし課」という比較的自由な課でどのように観光を推進していくかが課題となっていたが、
多紀との恋愛要素があり、清遠や吉門と徐々に距離を縮めて親睦を深めていく場面があり
読んでいてほっこりする場面が多かった。
清遠が出した高知県丸ごとレジャーランド案は、そのように「何もない」状況を活かすのかと感心した。
物事は捉