有川浩のレビュー一覧
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塩の巨大な結晶が地球に飛来したことを契機として、人が塩となり死んでしまう塩害と呼ばれる架空の大災害に見舞われた世界。そんな荒廃した世界で生きる男と少女、その周囲の人達の恋愛と災害との戦いを描く物語。
作者あとがきでも書かれているが、本書は未曾有の大災害である塩害との戦いを描いた本編とその後の登場人物の後日談等を描いた番外編から成る。
全編を読んで感じたのは、純度の高い恋愛小説だったなということ。主人公達だけでなく、登場人物が全員一途に相手のことを想っている。それこそ崩壊する世界のことなんてどうでもいいかのように。
一方で、塩害から世界を救う話については、所々展開が強引に感じる部分もあったが、作 -
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『レインツリーの国』読み終わった〜。登場人物の気持ちの描写がマジで刺さる。喜びや戸惑い、切なさとかが自然に伝わってきて、読んでる間ほんとに物語の中にいる気分になった。文章も読みやすくて、サラーっと読めるのに、あとからじんわり余韻が残る感じ。読んだあとも何回も思い返したくなるし、高校生活とか自分の周りのことに重ねて考えちゃう場面もあって、マジでオススメ。
特に印象に残ったのは、登場人物の感情の揺れや日常の描写。どんな小さな場面も丁寧に描かれてて、物語の世界に自然に引き込まれる。最後まで読み終わったあと、余韻を味わいながら「また読み返したいな」って思える、不思議で魅力的な一冊だった。 -
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自衛隊三部作 第二弾『空の中』。
未知との遭遇から、相互理解を経て、信頼を築き、共生の未来を探る物語。SFであり、ファンタジーでもあり、そこに有川さんらしい恋愛小説が加わります。
有川さんは“大人のライトノベル”を描きたかったとか。それが何を目指すのかわからないけれど、友人としての信望、仕事としての信奉、家族としての信頼……と、大人でなくても心惹かれる場面が展開される。そこに、年代の違う恋愛が絡まるのだから充実の第二弾です。
未知との遭遇をテーマにしながら、より人間的な他者との関わりを描き、わかりあうこと、信じあうことの尊さを――年齢に関係なく楽しめる作品だと思います。
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ネタバレ昔ながらの町内に「ジジイ」呼びに抗う3人のおっさん!則夫の実は1番ヤバいのが好き。早苗が大事なあまり暴走しているのが面白い。結局壊れた戦車が1番おもろい。改造スタンガンとか盗聴器探索とか夢いっぱいで好き。町にコミュニティがあるのはもう田舎だけよなあと思うなどした。勧善懲悪って素敵。メインキャラクターは大方良い方向に成長していってるけどそこにも人間らしさが汲み取れて良いな。清一の息子夫婦はいまいち好きになれなかった。あと潤子も早苗にしたことが酷すぎて同情はできなかった。その時点で早苗のことは好きになってたのか…。ゆうきは初登場こそびっくりしたけど「また稽古しろ!」って思ってたのが実現したのでそこ
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ネタバレどうしようもない事情から愛猫を手放さねばならなくなった青年が、新しい飼い主を求めて旧知の人々を訪ねる旅物語。
「吾輩は猫である。」から猫の独白から始まる物語だったけれど、正直、猫の独白部分はあまり面白くなかった。
しかし、旧知の人々の青年とのエピソードは面白く読めた。時には、涙を誘うところもあったし。
青年が、どうして愛猫を新たな飼い主に託さねばならないのかという理由は大きな謎だったけれど(物語の中では青年のリストラだと旧知の人々は思っていたが)、私の推理は、青年が結婚する女性に体質的な強度の猫アレルギーがあるからじゃないかと考えていた。というのも、私の娘が猫アレルギーで、猫の毛を吸い込む -
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ネタバレ巨大隕石(塩の結晶物体)により人々が塩化する災害にみまわれた世界で、元自衛官と彼に助けられた女高生を中心に彼らに関わる人々と世界を災害から救う物語。
序盤は塩害によって人生を翻弄される「終末のフール」(伊坂幸太郎著)を思わせる切ない話だった(涙涙)。
その後は何となく恋愛小説的なお話となりちょっとだらけたけれど、天才科学者が登場すると話が面白くなった。私は、中学生の頃、よくSF小説を好んで読んでいたから。
主人公(彼)が、命をかけて塩害の元となるものに立ち向かうのだけれど、天才科学者曰く
「彼が作戦を成功させるとしても、彼は世界なんか救ったんじゃない。君が先に死ぬのを見たくないってだけの -
本格的なパニック小説
巨大な甲殻類が襲ってくるという怪獣映画的な設定には驚きましたが、福井晴敏さんの作品を彷彿とさせる、本格的なパニック小説作品。
しかしこの作者の有川浩さんはライトノベル出身の方だったのですね。
デビュー作の「塩の街」が電撃文庫から出ていたとは驚きました。
物語は主に潜水艦の中の15人の視点、そして県警や派遣幕僚団、機動隊の視点から交互に描かれていきます。
県警や機動隊の側では烏丸参事官と明石警部が良かったですし、軍事マニアの掲示板もリアルで面白かったのですが、やはり軸となっているのは潜水艦でのドラマでしょうね。
夏木と冬原はとても良いコンビで彼らの会話も楽しく、次々と起きる出来事に対するそれ