あらすじ
クリスマスに倒産が決まった子供服メーカーの社員・大和俊介。同僚で元恋人の柊子に秘かな思いを残していた。そんな二人を頼ってきたのは、会社に併設された学童に通う小学生の航平。両親の離婚を止めたいという航平の願いを叶えるため、彼らは別居中の航平の父親を訪ねることに――。逆境でもたらされる、ささやかな奇跡の連鎖を描く感動の物語。
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冬になったら読みたい本。毎年読んでるはず。
家族愛と恋愛を丁寧に描いていて、近くにいる人を大切にしようと思える一冊。
「自分と彼女の辞書が違うことが面白かったけど、その違う辞書が原因で別れることになった」の一説は一生忘れないと思う。
それぐらい、当時高校生?の私に響いた。
他の人より特殊な経験をしている自負はあるからこそ、主人公の心の傷に共感できて重ね合わせることができるのだと思う。
いいか悪いかは別として。
あと個人的には、「悪役」とはっきり言える人たちがいないのがこの本の素敵なところ。
やってることは間違ってたとしても、彼らにもみんなと同じように心の傷があり、その人が守らなければならない家族や仲間がいる。
憎めないけど、胸が痛むけど、どうかみんな幸せになってほしいと願わずにはいられなかった。
むしろ、のっぺりしてる親父が一番嫌いだった!彼なりに悩んでたけどね。
まあそんな一冊。
やっぱりキャリアウーマンって難しいなあ。とも思った。
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泣いた。それぞれの登場人物(大和、航平、赤木)にフォーカスして、家族だったり恋人だったりの愛が深いなあと。航平がかなり大人で、でもどこかに幼さが残っていて強い子だなあと思った。不幸を比べる、とか相手を傷つける、とか日頃考えてたことが文章化されていて、思わず日頃の言動を顧みた。いや家族だ。『選択肢のない人間』だった下っ端2人やレイが初めて選択肢を選んだところが胸に熱く感じた。英代さん、ベンさん良い人すぎる。結局会社は廃業してしまったし、離婚もしてしまったけれど(当人達のベストアンサーではない?)でも未来に光が残る終わり方だと思った。シチュエーションはかなり違うが、『辞書が違う』を柊子側でやってしまったことがあって、それもあって深く共感した。人の不幸を分からなくても寄り添いたい、助けたいって気持ちは本物だろうし、それを利用して傷つけるのは卑怯なのは分かる。でも不幸って辛いね。不幸を描いている分先にあるであろう幸せが際立っているように思えた。すごくよかった……
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クリスマスに読み終えた。
苦労を比べる。考えたこともない。しかし、それで人に優しくなれる。
親の勝手で子供が振り回される。よくある話だが、小学生の航平は周りの大人から影響を受け、最後には一人前の大人の男として立ち上がった。
世話になった大和と柊子の背中を押し、大好きでよりを戻して欲しかった両親の離婚を受け入れる。
刹那いクリスマスとなった。
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最高。不幸の比べっこはしない、ほんとに大事。
不幸にもランクがあるのは事実だけど、自分の胸には自分の不幸が一番辛い。だから比べても仕方ない、他人にも自分にも。
朝井リョウの正欲と似たものを感じた。人は自分がいちばん可愛くて可哀想でありたいんだな、って再認識出来た。自分は不幸だって思って自分より幸せそうな人達に向かって槍を投げている方が楽。
『自分より幸せそうな人達』ってのがもう決めつけててダメ、自分と他人を比べないのはむずかしい。
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主役は、32歳の大和。児童預かり所を舞台に繰り広げられる話。大和は、子供の頃父親から虐待を受け、守ってあげた母にまで裏切られ、酷い幼少期を過ごした。救いは、母の知り合いの英代。英代の会社で働くが、クリスマスに倒産が決まってしまう。元恋人の柊子、美人で頭がいいが空気読めない朝倉、いつもいいとこでフォローしてくれるベンさん、小学生の航平などが登場する。大和と柊子の恋の行方が気になりましたが、航平の家庭の事が主体になってくる。航平の父が働く整骨院に2人の取立て屋がくるが、院の花瓶を割ってしまい、気の小さい取立て屋は、弁償の話を2人でしているところは、笑えました。誘拐を機に、ちょっと変わってしまった取立て屋さんが残念でした。全てがうまくはいかなかったけど、大和と柊子の恋の復活はありそうな感じだったのでよかったです。泣けるようなシーンもありとてもよかったです。
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自分の境遇を憂うことは大切だ。けれど、それにとらわれることと受け入れることは違う。年をとっても、変わらないものがあってもいいと思える、そんな物語。
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トーコ、大和、わたる
不幸を比べたって仕方ないでしょう
もったいないという言葉が
物ではなくて、相手の気持ちにかかる俊介の辞書にはない文法だった
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最初の西部劇調のところからはどんな話か分からなかったけど、読んでいくとみんながお互いを思い合ってるのになかなかうまくいかないってほんわかしたりじりじりしたり。
みんな優しいんだよ
家庭にそれぞれ問題がありながら、の大和の優しさがぐっとくる
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有川さんの、この胸にくるなんとも言えない感じが好き。始まりから終わりまでキレイな物語。
大和と柊子ごお互いに想いあっているのにヨリを戻せないところがもどかしかった。
夫婦ではダメでも親でならうまくいくこともある。逆の場合もある。いずれにせよ子供の心が傷つかないことを願うばかりだ。
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有川さんの小説って
テンポが良くて読みやすい
ページをめくる手が止まらなくなる イッキ読み。
クリスマスに倒産が決まっている
子供服メーカーの社員と、
その会社でやっている学童に来てる子供との ちょっとせつなくて
ほっこりするお話し
主人公 俊介のぶっきらぼうで優しいところ
元恋人で同僚柊子とのお互い想いを残して 想い合ってる関係も良いです
とにかく有川さんの描く男性がかっこよすぎ~~
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どのキャラも魅力的で会話シーンでは画が浮かぶほどでした。
DVの加害者と被害者の共依存って理解しがたいけど、私も実際に三人くらい相談されたことあって結構存在する。でもその共依存関係の外なのに巻き込まれてしまう子どもは本当にかわいそう
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前半のワクワクから後半のドキドキ、そしてラストの感動。
一気に読み進めてしまいました。
愛って様々なカタチがあるよね。この物語の中の愛は全て素敵なものだと私は思います。
映像化しても面白そう!
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体を痛めつけられることもだけれど、心に痛みを受けると、体以上に痛く、引きずってしまうのだなと。
過去のトラウマのせいで生きずらさを抱えていながら、大和は根っこが優しい。
ヤクザのキャラも憎めない。
誰かのことを誰かが想いやれるって大事。
ハラハラする場面もありつつ、安定した展開。
痛みを感じつつ癒される不思議。
2人がしっかり向き合っていけますように。
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子供が親を思う気持ちが純粋で悲しかった。
生きていると、ときに想定外のことが起きる。落ち込み自己嫌悪になり何もかも捨ててしまいたくなるけど自分の人生自分に正直に生きれたらどれだけ救われるだろう。
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序盤、モブキャラの解説がちょっとクドいなと思ったりはするが、話が本筋に入り始めてからは没頭できる。スリルで引っ張りつつ、感動要素もたくさんあるので、読み応えあった。
Posted by ブクログ
クリスマスに倒産が決まった子供服メーカーに勤める俊介と柊子は元恋人。そんな二人を頼って近所の学童に通う航平がやってきた。両親の離婚を止めたいという航平の願いを叶えるため奮闘する二人。そんな二人はある事件に巻き込まれてしまい物語はジェットコースターのように加速していきます。ささやかな願いすら叶わないクリスマスなんてあるもんか!幸せになるために必要なのはちょっとの勇気と素直になる心ですよ。
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誰だって他人の大怪我より自分が負った切り傷のが痛い、みたいな言葉はずっと私の中で大事にしてる。不幸の比べ合いっこは不毛。それを前提として、どうやって理解し合えるか、寄り添えるかに時間を割きたいと思ってるし、そういう姿勢の人間でありたいと思う。
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育った環境、不運だった過去は変えられないけど、それでも全てを受け入れて、周りの幸せを考えられる強さを持った大和が素敵だった。
自分も周りの人を大切にできる強さが欲しい。
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サービスアパートの図書室で借りた。
クリスマスに倒産が決まった子供服メーカーの社員・大和俊介。同僚で元恋人の柊子に秘かな思いを残していた。そんな二人を頼ってきたのは、会社に併設された学童に通う小学生の航平。両親の離婚を止めたいという航平の願いを叶えるため、彼らは別居中の航平の父親を訪ねることに――。逆境でもたらされる、ささやかな奇跡の連鎖を描く感動の物語。
元恋人同士、別居中の両親とその子、ヤミ金業者…さまざま立場の人たちが絡み合った物語だった。
父親としては認めるけど、夫としては無理…って子供からしたらきついけど、しょうがなさはあるよね…。
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航平、がんばった。
いい男になりそうだけど、あまり早く大人にならないで、目一杯、子供時代を過ごして欲しい。
書くこともずっと続けてくれたらいいな。
Posted by ブクログ
72点。
面白くなかったわけではないけど特別面白かったわけではないかな。登場人物の人間性はどれも好き。糸山と石田のキャラが好きだったんだけど誘拐のところからちょっと解釈違いだなあ…そこが残念だった。最後まで憎めないキャラでいてほしかったな。
Posted by ブクログ
クリスマスに倒産が決まった子供服メーカーの社員・大和俊介。同僚で元恋人の柊子に秘かな思いを残していた。そんな二人を頼ってきたのは、会社に併設された学童に通う小学生の航平。両親の離婚を止めたいという航平の願いを叶えるため、彼らは別居中の航平の父親を訪ねることに――。逆境でもたらされる、ささやかな奇跡の連鎖を描く感動の物語。
うーん、感動するのは最後だけかな。悪人にも善の部分や事情があり、人間味があるのは良かったんだけど、クズはクズだったりもする。私は主人公の親は絶対に許せない。
冬美先生にフラフラする彼らもいまいち納得できなかった。
主人公と柊子みたいな環境の違いを埋めるのも、難しいよなあと思ってしまう。
読後感はいい。
Posted by ブクログ
会社の倒産話から、こんなところに着地するなんて、という意外性がある話。色んな立場の人の人生が垣間見えた。恋愛話をもう少し掘り下げてほしい物足りなさはあったけど、温かくて希望のあるラストだった。
Posted by ブクログ
はじめから驚かされ、そうならざるを得なかった者たちが苦しみながら生きる様子が伝わってくる作品。クリスマスに溶けていく、すれ違いながらも相手を思いやる、ほんのりした蠟燭の明かりのような物語。