森沢明夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
森沢明夫さん。昨年から読み始めた作家さん。
まだ今回で6冊目のビギナーですが、
私の中では、森沢さんの作風を言い表すと、ほっこり温かく、文中の言葉が心に響く。という印象。
こちらの作品は、先入観無く読んだのだけど、序盤で驚かされた。
主人公のミーコが風俗嬢で、なんとプレイの描写が描かれているのだ。
これは驚いた。
森沢さん、こんな物語を描くんだ・・・と。
ただ、読み進めると、この物語は温かく、そして強い絆で結ばれた母娘の話であることを知る。
主人公ミーコはシングルマザーで娘のチーコと2人暮らし。
元夫の借金を返済すべく、そしてチーコの将来の資金作りのため、風俗嬢として働き始める。
その人生は幼い頃から壮絶だ。
母親はミーコを産むと失踪し、父親は海外へ逃亡。
父親の両親である、祖父母に育てられる。
そのことで同級生からも虐げられる。
物語は、「現在」から、「過去」に遡り、終盤は「未来」へと時間軸が変わる。
視点も章によって、ミーコの「客」、ミーコの祖父、ミーコの小学校時代の同級生、ミーコの中学時代の教師、ミーコの上司、チーコ・・・
と書き手が代わり、ミーコの人生が少しずつ明かされていく。
そして、タイトルにもなっている「宝箱」。
少しずつその中の宝物が増えていく、その一つ一つのエピソードが温かい。
おじいちゃんとおばあちゃんが本当に素敵なんだよね。
宝箱を作ってくれた優しいおじいちゃん。
厳しいけど、ミーコに「ありがとうの手」を教えてくれたおばあちゃん。
ミーコとチーコの仲良し母娘の関係性も本当に良い。
ラストには胸がぎゅうっとしてしまう。
宝箱に込められた謎を知ったときもジーンとしました。
今回の勝手にキャスティング
ミーコ→安藤サクラちゃん
竜さん→伊藤英明さん
おじいちゃん→寺尾聰さん
おばあちゃん→草村礼子さん
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Posted by ブクログ
【感想】
・読みはじめのときさほど期待してたわけではなかった。書名が気に入っただけで。でも、ときどき共感、ときどき身に染むという感じで悪くない世界。
・ちょこっとだけ、ここまでにはなれんワって思いも発生してますけど。
・耳の中であるものを飼っている? おじさんの話がいちばん・・・やったなあ。
・人によっては生き方が変わる一冊になるかも? 個人的には「低空飛行で現状維持を」がモットーなのでそうそう変わらないけど。もっとも「小銭みたいなシアワセ」はいつも探してるけど。
【一行目】人生にはいろいろあるけれど、身の回りをよく見てみると「小さな幸せ」がころころと転がっていることに気づきます。
【内容】
・ごく短いエッセイがいっぱい。基本的にポリアンナ。
▼簡単なメモ
【遊び心】「勇気」よりも「遊び心」を。そして「わくわく感」を抱くこと。
【あたりまえ】《じつは、あたりまえに感じているモノほど、絶対に失いたくない、失ったら困るもの――、なんですよね。》p.165
【あの頃】《あの頃「は」良かった、ではなくて、あの頃「も」良かった、と言うのです。》p.24
【一歩】《「ちょっと怖いけれど、考えると心がわくわくすること」は、とりあえずやってみる》p.254
【おもしろ人間図鑑】腹が立つ人がいたら「おもしろ人間図鑑」に記録しておこう。これはいいかも。
【クオリティ】クオリティを上げるとみんながシアワセになりやすい。
【小銭みたいな幸せ】この本はそういうのを集めているらしい。
【幸せのハードル】低く設定しておいた方がなにかとお得。
【字が下手】《さて、本来なら、ぼくの字は立派な(?)短所なので、愛されポイントであるはずです。しかし、》p.76
【上機嫌】《上機嫌こそが、最大の社会貢献のひとつではないかと》p.55
【常識】《無意味な心の鎖》p.36
【小説家】「先生」ではなく世間の人たちからモノを教わって文章にする、むしろ「生徒」なんだとか。
【人生のピーク】漫画家の山田玲司さんは人生のピークを九十歳に設定しているのだとか。
【睡眠ルール】《眠くなったら寝る。目が覚めたら起きる――。》p.116
【スマホと本を忘れたら】人間観察とかしてたらけっこう楽しめるとか。ぼくの場合はただぼーっとして無になっているような気がする。
【性格】《性格とは、行動の繰り返しの結果である。》p.29
【相談相手】自分の「心」。頭と相談すると理詰めになってしまう。
【ソットボッセ】音楽ユニット。《うふふ(中略)こんなに寒い思いをするなんて、これはもう一生の思い出になっちゃいましたね♪》
【探検】てきとーに町歩きしてグーゼンの出合いを楽しむ。
【探検隊の生き方】「悩むのではなく、考える」「後悔するのではなく、反省する」
【強くなれる力士】素直な人。
【名前】一種の呪。
【ネガティブな言葉】強い。
【ピンチのときの魔法の言葉】「だからこそ」と「それでも」。ここまでポジティブにはなりにくいのでぼくの場合は「それがどうした」です。
【真面目】真面目な人は不真面目への脱却も真面目にやってしまう。それはそれでひとつのやりよう。
【待ち合わせ】《場所がどこであれ「待ち合わせ」そのものに、「小さな幸せ」が含まれているということです。》p.168。「待つ」ってのは信号待ちでもけっこう好きです。
【街の風景】《無数の名もなき人々の手による作品の集合体》p.104
【道に迷う】オートバイで《あえて道に迷いながら近場を走る》p.251。これはぼくもよくやってます。自転車ですけど。
【ゆるい夢】《叶わなくてもいい夢を、たくさん持っていること――。/これって、じつは、とても豊かなこと》p.69。妄想して《ニヤニヤするための夢》p.70
【ラジオ】《親にバレないよう、こっそりラジオを聴く――。》p.181。ぼくもそうでした。お小遣い貯めて買ったAMラジオで。
【羅針盤】《ひとつは、楽しいかどうか? /もうひとつは、自由かどうか?》p.146 -
Posted by ブクログ
参加条件は失恋者の「失恋バスツアー」
ハーフ美女や自称パンクロッカー、謎の中国人、巨漢の霊能者など実に濃いメンバー。
まずはとことん落ち込むのが目的なので、仲良くなってみんなで楽しく過ごすのはNG。
何とも言えぬ企画。
見えてくるそれぞれのキャラと参加背景。愛すべき人達。ハプニング続きでクスッとしたり、それぞれの人生の物語にしんみりしたり。
添乗員の龍太郎と心理カウンセラーの小雪の意地の張り合いやすれ違いがもどかしく、恋の行方が気になりながら読みました。
龍太郎の妹さんの言葉、サブローさんの言葉がコロナ禍の今、一段と深く心に響きます。
すべては「生きていてこそ」
森沢さんはやっぱり温かくて良い読後感。
面白かった。
『失敗しても、ちゃんと神様からのプレゼントが、失敗の裏側にはありますから』 -
Posted by ブクログ
ネタバレ料理の出てくる小説と言うことで この作品をチョイス
都会で悪い男に引っかかり居場所をなくした 主人公エミリ
頼った先は15年もご無沙汰だった 海辺の母の実家
独りで風鈴を作りながら 釣りを楽しみのんびり住む祖父 大三
傷ついたエミリの心を 漁港の穏やかさと周囲の温かい人達
大三と作って食べる魚介料理の数々が少しずつ癒していく
美味しい料理のレシピと共に 結構良い言葉が綴られていく
・誰にだって悪いことは起こるけど それに捕らわれて生きるのはもったいない。
(小さないいこと)をなるべくたくさん思い出して、その時の感情を丁寧にかみしめる。いい気分をしっかり味わう癖をつける。
・「神様は自分自身」自分を思い通りに動かすのは自分 人生を創造していくのも自分だけ
夏のほんの数か月の話だけど
成長していく主人公の日常を 暖かく見守り、
自分の足で一歩踏み出すエミリを大三さんと一緒に送り出す
そんな気持ちになれる優しい1冊です。 -
Posted by ブクログ
ミーコだけでなく祖父母やチーコ、
ミーコの友人や男友達など何人もの
視点から描かれているわけですが、
結果としては、それがこの作品の
弱点すべてに関わっているような
気がします。
あんなに愛あふれる祖父母とミーコが
なぜ、どこで離れ離れになったのでしょう。
それこそが、その後のミーコの人生を
大きく左右したものだとは、読めばわかり
ますし、チーコを愛してやまないミーコの
母としての生き方は、祖父母との暮らしが
なくてはあり得なかったものでしょう。
そんなミーコを育んだバックボーン自体が
きちんと描かれていないのですね。
どのエピソードを読んでいても、肝心な
ところが欠けているために、必然性をもって
迫っては来ませんでした。
祖父母との別れがどのようなものだったか、
どこかで描かれていない限り、この物語は
始まりもしないし終わりもしていない。
そんなうやむやな筋運びで、すべては断片の
羅列に終わった感があります。
唐突に「虹の岬の喫茶店」との関わりを
匂わせたりするサービスは他の作品にも
見られましたが、もう飽き飽きして鼻白む
思いでした。 -
Posted by ブクログ
今までとちょっと雰囲気が違います。
風俗で働くシングルマザーのミーコを主人公にした物語。
ミーコはマグダラのマリアのようです。働きは卑しいけど心は気高く、周りの傷ついた人たちを癒して行く心温まる物語。
でもなんかしっくりこないのです。
一つはミーコを育てた祖父母の関係です。何故ミーコはそこまでかたくなに関係を断ち切ったのか。他の人との関わり方を考えたとき違和感が湧きます。
もう一つはミーコの葛藤がさらりと流されすぎた感じです。その結果、深みやリアリティーが不足している気がします。もしこの物語を重松さんが書いたら、もっと重苦しくて、その中に薄っすらとだけど確かな光を感じるような書き方になるのだろうと思います。もっとも重松さんだと重くなりすぎると思いますが。
光と影の物語なのですが、やや影の部分の描き方が不十分かと思います。しかしそれが森沢さんの良いところでもあり、それならばこのようなテーマ・主人公を選んだところが拙かったのかもしれません。