森沢明夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
森沢明夫さん。昨年から読み始めた作家さん。
まだ今回で6冊目のビギナーですが、
私の中では、森沢さんの作風を言い表すと、ほっこり温かく、文中の言葉が心に響く。という印象。
こちらの作品は、先入観無く読んだのだけど、序盤で驚かされた。
主人公のミーコが風俗嬢で、なんとプレイの描写が描かれているのだ。
これは驚いた。
森沢さん、こんな物語を描くんだ・・・と。
ただ、読み進めると、この物語は温かく、そして強い絆で結ばれた母娘の話であることを知る。
主人公ミーコはシングルマザーで娘のチーコと2人暮らし。
元夫の借金を返済すべく、そしてチーコの -
Posted by ブクログ
【感想】
・読みはじめのときさほど期待してたわけではなかった。書名が気に入っただけで。でも、ときどき共感、ときどき身に染むという感じで悪くない世界。
・ちょこっとだけ、ここまでにはなれんワって思いも発生してますけど。
・耳の中であるものを飼っている? おじさんの話がいちばん・・・やったなあ。
・人によっては生き方が変わる一冊になるかも? 個人的には「低空飛行で現状維持を」がモットーなのでそうそう変わらないけど。もっとも「小銭みたいなシアワセ」はいつも探してるけど。
【一行目】人生にはいろいろあるけれど、身の回りをよく見てみると「小さな幸せ」がころころと転がっていることに気づきます。
【内容 -
Posted by ブクログ
参加条件は失恋者の「失恋バスツアー」
ハーフ美女や自称パンクロッカー、謎の中国人、巨漢の霊能者など実に濃いメンバー。
まずはとことん落ち込むのが目的なので、仲良くなってみんなで楽しく過ごすのはNG。
何とも言えぬ企画。
見えてくるそれぞれのキャラと参加背景。愛すべき人達。ハプニング続きでクスッとしたり、それぞれの人生の物語にしんみりしたり。
添乗員の龍太郎と心理カウンセラーの小雪の意地の張り合いやすれ違いがもどかしく、恋の行方が気になりながら読みました。
龍太郎の妹さんの言葉、サブローさんの言葉がコロナ禍の今、一段と深く心に響きます。
すべては「生きていてこそ」
森沢さんはやっぱり温かくて -
Posted by ブクログ
ミーコだけでなく祖父母やチーコ、
ミーコの友人や男友達など何人もの
視点から描かれているわけですが、
結果としては、それがこの作品の
弱点すべてに関わっているような
気がします。
あんなに愛あふれる祖父母とミーコが
なぜ、どこで離れ離れになったのでしょう。
それこそが、その後のミーコの人生を
大きく左右したものだとは、読めばわかり
ますし、チーコを愛してやまないミーコの
母としての生き方は、祖父母との暮らしが
なくてはあり得なかったものでしょう。
そんなミーコを育んだバックボーン自体が
きちんと描かれていないのですね。
どのエピソードを読んでいても、肝心な
ところが欠けているために、必 -
Posted by ブクログ
今までとちょっと雰囲気が違います。
風俗で働くシングルマザーのミーコを主人公にした物語。
ミーコはマグダラのマリアのようです。働きは卑しいけど心は気高く、周りの傷ついた人たちを癒して行く心温まる物語。
でもなんかしっくりこないのです。
一つはミーコを育てた祖父母の関係です。何故ミーコはそこまでかたくなに関係を断ち切ったのか。他の人との関わり方を考えたとき違和感が湧きます。
もう一つはミーコの葛藤がさらりと流されすぎた感じです。その結果、深みやリアリティーが不足している気がします。もしこの物語を重松さんが書いたら、もっと重苦しくて、その中に薄っすらとだけど確かな光を感じるような書き方になるのだろ