野矢茂樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ厳密には「記号論理学」というらしく、論ずるためには本来たくさんの記号が必要とされるらしい。しかし本書は、記号をほとんど使わず(カッコと矢印ぐらいしか使わない)、縦書きの柔らかい文章で書かれている。
本文中にも書かれている通り、論理学が纏っているガチャガチャとした鎧を剥ぎ取って、その内側にあるぷにぷにと柔らかい部分に触れようとしている、まさにそんな本である。
一つの「公理系」を体系化し理論化していく過程を一緒にたどっていく感じで、頭がスッキリした感じがする。ただ、それほど易しくはなく、じっくりと読み進んでいく必要はある。
次のステップには「記号論理学入門」などになるそうだが、ただ、正直言ってこれ -
Posted by ブクログ
野矢茂樹著『語りえぬものを語る』のレビューです。
猫は後悔するか、という興味を引く見出しから始まり、科学は世界を語り尽くせない、という壮大な見出しで終わります。
この最後の見出しについては、奇しくも、個人的に私がこの数年考えていたことでした。
ウィトゲンシュタインの哲学をベースに、日常的な実感を大切にしながら、相対主義の擁護、異なる論理空間の存在、懐疑論や決定論への反論などの論理を組み立てていく様子を眺めることができます。
何を学んだかと言われると、難しくて表現できないのですが、知的好奇心が刺激される読書体験でした。
全く未知の言語を翻訳することを考えると、「美しい」と感じるものに対する -
Posted by ブクログ
平易な語りかけるような文体であるが、「考える」とは何かという根本的な命題を取り扱う骨太な一冊。
論理的思考(ロジカルシンキング)が巷で喧伝されていた時代を思い出す。ビジネスに欠かせない能力で、論理的な判断ができないとヤバいよという煽りに焦らされていたあの頃。
本書によれば、論理はあくまでことばの意味をきちんと捉えることであり、考えるとは論理によって現れる情報を問題に合わせ取捨選択すること。一緒くた理解をしていた私に新たな知識がインストールされる。考える素材が一つ増える。
自分の頭で考える。苦手なフレーズだ。どんだけ1人でうんうん唸ってても光明は差さず自分の至らなさに辟易しては落ち込んでいる -
Posted by ブクログ
【星:4.5】
哲学者として有名な野矢氏が生徒で、認知言語学者の西村氏が講師という形で、両者のやり取りを通じて、言語学、特に認知言語学とはどんなものなのかということを解き明かしていく内容。
両者の会話形式で進んでいき、会話内容もわかりやすくなっているので、私のような言語学初めてみたいな人にとってのとっかかりとしては良いと思う。
テーマとして挙げられている具体的内容も興味深いもので良かった。
ただ、上記のようにフリーな会話形式で進んでいく形なので、「で、言語学とか認知言語学って結局何なの?」と聞かれると、「言語学は言語を研究する学問全般のことで、そのうち人間の認知という側面から研究するのが認 -
Posted by ブクログ
「考えさせない時代に抗して」というタイトルに惹かれた。
自分に考える能力が乏しいということには薄々気づいていたが、避けて生きてきた。30も半ばを超え、目を背けられなくなってきた。遅い、遅すぎる。こうも怠惰な人生を送ってきたが故に、今更「考えろ」と言われても到底無理な話である。
まずは知覚する。まずは第一歩を踏み出す。
そんな一歩目として手に取ってみた本書である。
なぜ本書に至ったかというと、「考えることは哲学である」と初めて知ったからである。いうなれば”哲学”なんてものに近寄ろうとしたことなんてなかったので、「哲学とは何か」なんてことをそもそも考えたことがなかった。
哲学=考えること、を知ら