野矢茂樹のレビュー一覧
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平易な語りかけるような文体であるが、「考える」とは何かという根本的な命題を取り扱う骨太な一冊。
論理的思考(ロジカルシンキング)が巷で喧伝されていた時代を思い出す。ビジネスに欠かせない能力で、論理的な判断ができないとヤバいよという煽りに焦らされていたあの頃。
本書によれば、論理はあくまでことばの意味をきちんと捉えることであり、考えるとは論理によって現れる情報を問題に合わせ取捨選択すること。一緒くた理解をしていた私に新たな知識がインストールされる。考える素材が一つ増える。
自分の頭で考える。苦手なフレーズだ。どんだけ1人でうんうん唸ってても光明は差さず自分の至らなさに辟易しては落ち込んでいる -
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【星:4.5】
哲学者として有名な野矢氏が生徒で、認知言語学者の西村氏が講師という形で、両者のやり取りを通じて、言語学、特に認知言語学とはどんなものなのかということを解き明かしていく内容。
両者の会話形式で進んでいき、会話内容もわかりやすくなっているので、私のような言語学初めてみたいな人にとってのとっかかりとしては良いと思う。
テーマとして挙げられている具体的内容も興味深いもので良かった。
ただ、上記のようにフリーな会話形式で進んでいく形なので、「で、言語学とか認知言語学って結局何なの?」と聞かれると、「言語学は言語を研究する学問全般のことで、そのうち人間の認知という側面から研究するのが認 -
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「考えさせない時代に抗して」というタイトルに惹かれた。
自分に考える能力が乏しいということには薄々気づいていたが、避けて生きてきた。30も半ばを超え、目を背けられなくなってきた。遅い、遅すぎる。こうも怠惰な人生を送ってきたが故に、今更「考えろ」と言われても到底無理な話である。
まずは知覚する。まずは第一歩を踏み出す。
そんな一歩目として手に取ってみた本書である。
なぜ本書に至ったかというと、「考えることは哲学である」と初めて知ったからである。いうなれば”哲学”なんてものに近寄ろうとしたことなんてなかったので、「哲学とは何か」なんてことをそもそも考えたことがなかった。
哲学=考えること、を知ら -
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頭を捻りながら読んだが、決して難しい訳ではない。
この本を読んで『読む』という行為には付帯して『思考』というものが必ず存在することに改めて気付かされた。
野矢先生は全部お見通しかも知れないが“考えずに読む“ことを拒否する文章が優しそうな顔をして並らべてある。
数式や記号をほぼ使わずに対話として語られる「無限論」
分かりやすい論理学の本を沢山お書きになっている野矢先生ならではの文章だと思う。
全て理解したかと言うと自信は全く無い。
同じ内容を他人に説明出来るとも思えない。
しかし、カントール、ラッセル、ゲーデルへと続く無限に対する思考法には馴染めたような気がする。
「そんな気がするだけ」かも知 -
Posted by ブクログ
ネタバレ社会人になると「論理的に考えろ」・「頭を使え」とよく言われるが、そもそもとして「考える」とは何かを優しく諭してくれる、そのような本です。
本書の中で語られる「考える」とは、頭の片隅に問題を留めておくということ。
経験から得た常識や枠組みに対して、非常識や枠外の出来事に違和感や課題を感じ、それを頭に残しておく。そうすることにより、ふとしたタイミングで、違和感への理解や課題解決方法がパッと閃くことがある。
個人的には、それこそ「アハ体験」なのではと思う。本書では「ヘウレーカ」と呼ばれている。
日々の中で感じ取った異変(自分が理解できないこと)を頭の片隅に留めながら、生活を送って行きたいと思わ