野矢茂樹のレビュー一覧
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ネタバレ12「推論の形式化」
推論に本質的に関わっている言葉だけを残して、推論の骨組みを取り出すこと。
ex AはBである
「命題論理」=否定辞と接続詞によって成り立つ
16 否定辞とは、命題の真偽を反転させる働きを持った言葉
真理関数=分子命題の真偽が、原子命題の真偽によって決まるということ
p20 論理記号の基本式
否定 Pではない ¬p
連言 pかつQ p ∧ q
選言 PまたはQ p ∨ q
条件分 PならばQ p ⊃ q (pはqに含まれる)
※条件文は、条件文が満たされなかった時のことは何も言っていないので、その時は帰結(=Q)が成立しようがしまいがどっち -
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思考が言語に意味を与えるのか、言語が思考に意味を与えるのか。
なぜ、わたしたちは「この机はペン立てる」を理解できないけれど、「富士山に小惑星が衝突した」は理解できるのか。
ウィトゲンシュタインの「言語が思考に意味を与える」という提唱を、「思考が言語に意味を与える」としたフレーゲやラッセルの考えと比較して、わかりやすく提示してくれている。
この哲学的に言語を思考するという本書を読みながら、わたしが考えていたこと。
それは、言語というのは、わたしたちの脳にあらかじめインストールされている機能であり、その神秘性についてだ。
文字は後天的に身につけたものなので、文字を持たない民族もいるけれど、言 -
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今年読んだ中で一番面白い本かもしれない。そんなこと考えて何か良いことあるの?てな感じの重箱の隅をつつきまくる議論なのだが、素人目線に立った解りやすい解説でどんどんページが進む。ジョンロックの一般観念論の行き詰まり、フレーゲの文脈原理と合成原理によるその打開、指示と意義による言葉の定義、ラッセルによる意義の否定と確定記述の概念導入。ここまでくると何が正解なのかわからなくなる。そして極めつけはウィトゲンシュタインの『論考』。なぜそうなのか?に答えることを放棄し、実世界のありようをそのまま認めるというコペルニクス的転回で、それまでのモヤモヤがすっきり腹落ちするというオチ。『論考』の議論から何故外国語
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これはきっと、通読することに大きな価値はないと思った。読むという一時の体験で終わる話ではないからだ。そうじゃなくて、持っておいて、時折開いて、見て、長く付き合っていくと、この本がボロボロになるのと比例して価値も大きくなっていくのだと思う。
問題を抱えて、揺さぶって、空っぽにする。そしてまた問題を抱えて…繰り返して途切れない。つまり、考えるということを通して、生きるということを問うみたいな、そんな身近にある壮大な話だ。
そして、沢山詰め込まれている絵には意味は無いけど大きな意味があるんだ。
言っている意味分からないけど、また、引き続きこの本と付き合っていきたい。
また、これは学生がまさに考えるこ -
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「つめこんで、ゆさぶって、空っぽにする。」
「こぶしを、開かないと。」
「虎視眈々と、自分を外に開いていく。」
「そんな可能性の世界でたわむれるためには、
どうしたってことばがなければならない。」
「考えてみよう。
はじめて考えるときのように。」
やさしい本でした。
内容は深淵な思索世界への誘いですが、丁寧に語りかける文面と心温まるストーリー絵本が融合し、作者達のやさしさが滲み出ています。
紙、文字、色遣い、余白、、ため息の出る美しさと可愛らしさ。
ぜひぜひ、2/10の今日、春先に読んで頂きたい。
ぼんやり空でも眺めながら、街を歩きながら、ゆっくりと読み進めて下さい。
言葉の