あらすじ
「考えるってどうすること?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか?本書では、「考える」とはどういうことなのか、どうすればもっと上手に考えられるようになるのかを、心なごむ絵とともにやさしく解き明かします。たとえば、なぞなぞを解くことが哲学のきっかけになっていたり、なにげなく見ている夜空の星から「問題」の本質が見えてきたりする――そんな、身近な例をたくさんあげて、「考える」ということの本質に迫ります。また、身近な話題だけでなく、論理学によって、よく言われる「論理的に考える」ということは、実はできないということも証明します。見えているものをそのまま見ているだけでは考えることはできません。無知や無秩序からは問いは生じないからです。見えない枠組をはずし、いろんな知識をもち、いろんな理論を引き受けるからこそ、多くのことを鋭く問い、考えられるようになるのです。本当の「考える力」が身につく哲学絵本。
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Posted by ブクログ
問いを頭の片隅においてその眼差しで見ることが「考える」こと。
「考える」や「わかる」がどういうことなのか、とはずいぶん難しい問いに思えるけれど、この本はそれを優しくあたたかく教えてくれます。
いろいろなことを抱えていると頭がパンクしそうになったり投げ出したくなったりもするけれど、この本を読むと、考え続けている自分を肯定してあげられるようになると思います。
Posted by ブクログ
考えるために僕らが持っている唯一の翼がことばだ。ひとまとまりの状況を様々なパーツに切り分けて、そのパーツを関係づける。そして新たな関係性を模索する。それを僕らは言葉で作業する。だから、色々な言葉を持ってる人は色んな可能性を試せる。新しい言葉を手に入れたなら、それで新しい可能性が開ける。
Posted by ブクログ
これはきっと、通読することに大きな価値はないと思った。読むという一時の体験で終わる話ではないからだ。そうじゃなくて、持っておいて、時折開いて、見て、長く付き合っていくと、この本がボロボロになるのと比例して価値も大きくなっていくのだと思う。
問題を抱えて、揺さぶって、空っぽにする。そしてまた問題を抱えて…繰り返して途切れない。つまり、考えるということを通して、生きるということを問うみたいな、そんな身近にある壮大な話だ。
そして、沢山詰め込まれている絵には意味は無いけど大きな意味があるんだ。
言っている意味分からないけど、また、引き続きこの本と付き合っていきたい。
また、これは学生がまさに考えることに向かう時に読んでもいいが、たくさん考えてきた大人が読むことにも価値があるだろう。まさにはじめて考えるときの「ように」ね。
なんか、そんな意図はあるのかしらないけど、なんだか励まされるような、そんな不思議な力がこの本にはあるなって思う。
Posted by ブクログ
"考えること"についての重要なエッセンスが詰め込まれているのにも関わらず、平易な言葉で語られている。読もうと思えばすぐにでも読み終えられるけれど、読みこんだり挿絵を眺めてぼぅとしたりするといつのまにか時間が過ぎてしまう----そんな不思議な本。
むしろ平易な言葉だからこそ、より深い思考を楽しめるのかもしれない。何度も読みたいなと感じた。
Posted by ブクログ
「つめこんで、ゆさぶって、空っぽにする。」
「こぶしを、開かないと。」
「虎視眈々と、自分を外に開いていく。」
「そんな可能性の世界でたわむれるためには、
どうしたってことばがなければならない。」
「考えてみよう。
はじめて考えるときのように。」
やさしい本でした。
内容は深淵な思索世界への誘いですが、丁寧に語りかける文面と心温まるストーリー絵本が融合し、作者達のやさしさが滲み出ています。
紙、文字、色遣い、余白、、ため息の出る美しさと可愛らしさ。
ぜひぜひ、2/10の今日、春先に読んで頂きたい。
ぼんやり空でも眺めながら、街を歩きながら、ゆっくりと読み進めて下さい。
言葉の力を信じて、言葉を鍛えないと。
否定は可能性を掴んでいるからこそ。
「融通無碍に足場を変えていく身軽さ」を。
「考えるってことは、そんなふうに軽やかに踊ってみせることだ。」
頭の片隅のどこかで、いつも、考えていよう。
Posted by ブクログ
★頭の中のねじがゆるんで、分解されていく感覚…
挿絵を描いている方が好きで、その上タイトルも好き!となって、開いた本。手に取った当時は知らなかったけれど、著者はとてもとても有名な哲学者・論理学者。
著者のおしゃべりに導かれながら、「考える」にまつわる「なぜ?」が立ち上がっていく。ー「考える」って何をすることなのか?、動物は「考えて」いるのか?、「論理的に考える」って?
著者から伸ばされた手を取りながら、一緒に「考える」の森の中へ分け行っていけるような本です。
たくさんの挿絵が、考えるための余白時間を作り出してくれいるようで、まるで外を散歩しながら読んでいるような気分になれました。
Posted by ブクログ
「考えること」ってなんだろうって思ってたけど、霧が晴れるようなそんな気がした。
考えることってあまりにも意識しなさすぎてわかろうともしていなかったけど、あ、そういうことか!って閃いた。
問いが何であるのか、ということについての記述がこれまた面白くて。
あるがままを受け入れ続けるのであれば問題は発生しないけど、それはそれで何もないということでもある(ということがあると言える?笑)
いろんなことを知れば知るほど問いは生じる。
だからこそいろんな角度から世界を見ることができるのかなーなんて思ったり。
アンテナをいっぱい張って、時にはそれを手放して…そうやって思考することを楽しもうかなって思えました。
Posted by ブクログ
なにげなく見る夜空の星から「問題」の本質が浮かぶ・・・
身近な例を挙げて「考える」ことの本質に迫る書です。
イラストがほのぼのしていて、隙間が感じられて、
それが思考の時間となりました。
Posted by ブクログ
平易な語りかけるような文体であるが、「考える」とは何かという根本的な命題を取り扱う骨太な一冊。
論理的思考(ロジカルシンキング)が巷で喧伝されていた時代を思い出す。ビジネスに欠かせない能力で、論理的な判断ができないとヤバいよという煽りに焦らされていたあの頃。
本書によれば、論理はあくまでことばの意味をきちんと捉えることであり、考えるとは論理によって現れる情報を問題に合わせ取捨選択すること。一緒くた理解をしていた私に新たな知識がインストールされる。考える素材が一つ増える。
自分の頭で考える。苦手なフレーズだ。どんだけ1人でうんうん唸ってても光明は差さず自分の至らなさに辟易しては落ち込んでいる。本書が示すあれこれ外部でこねくりまわす、ことばの可能性にダイブする、他人と話し合うという方向性は、ともすると孤独で個人的なイメージの「考える」を外に開かれたワクワクするものへと変換してくれた。
Posted by ブクログ
何をしていると言えるのか?改めて問うと難しいことを、軽妙な語り口で解きほぐす。
爽やかな読後感。
・あることにチューニングされた状態。感じることに鋭敏になり、新たな関係、新たな意味を求めること。
・論理は手段であり、思考ではない。
・見えない枠と戦うこと。それを見えるようにしてくれるのは「変な」ひととの出会い。
Posted by ブクログ
考えるといくことを考えていく本です。
論理的に考えるは実は考えていない、AIの推論は考えているとは言わない、という意見は新鮮で考えさせられました。そういえば、人工知能と哲学というタイトルの本が積読であることを思い出しました。
Posted by ブクログ
社会人になると「論理的に考えろ」・「頭を使え」とよく言われるが、そもそもとして「考える」とは何かを優しく諭してくれる、そのような本です。
本書の中で語られる「考える」とは、頭の片隅に問題を留めておくということ。
経験から得た常識や枠組みに対して、非常識や枠外の出来事に違和感や課題を感じ、それを頭に残しておく。そうすることにより、ふとしたタイミングで、違和感への理解や課題解決方法がパッと閃くことがある。
個人的には、それこそ「アハ体験」なのではと思う。本書では「ヘウレーカ」と呼ばれている。
日々の中で感じ取った異変(自分が理解できないこと)を頭の片隅に留めながら、生活を送って行きたいと思わせてくれる良書でした。
Posted by ブクログ
つめこんで、ゆさぶって、空っぽにする
何かを考えようとする時に、実は考えておくといいことが分かりやすく書いてある。哲学や論理学というと避けたくなるけど、その優しい手ほどき。
Posted by ブクログ
「考える」って何をしてるんだろう
その問いこそが考えるということそのもののように感じるけど、考えるって実際に何をしてるのかわからない。
考えている時と考えていない時の違いや、そもそも考えるってどういうことなんだろう、という漠然とした問いをわかりやすく説かれている本だなと思った。
軽い気持ちで、簡単に哲学の考え方にも触れられる本かも
Posted by ブクログ
優しい哲学書
考える、ということについて、哲学の授業で出てきた論法を誰でも分かる言葉に置き換え書かれ説かれている
ゆったりとした時間の中で、思考を巡らせながら、読みたい一冊
◎論理は言葉の定義である
仕事をしていて、論理的であることはとても重要視される
論理的にすることは、考えさせないようにしているのだよ、ということにハッとした
言葉の定義を明確にし、論理を創り出して、効率や生産性を求めた結果、評価と成果は得られるが、考えるヒトは生まれにくいのだと痛感
◎考えるということは、軽やかに踊って見せることだ
とても印象的な一文
考える、という行為をこんな風に表現できるのか
物事に対する足場を変えながら、軽やかに、、、
こういう物事の捉え方と表現が出来るようになりたい
◎つめこんで、ゆさぶって、空っぽにする
考えることは、外に出すことだっていう作者の意図が伝わってくる
考えることは、人との関わり合いから生まれるし形を変える、外に出す方法である言葉があるからこそ考えることが昇華されるのだと理解できた
Posted by ブクログ
「頭で考えなさい」って昔から違和感があって。
読んで字の如く、頭抱えて考えてました。でも、感覚的に、直感的に、手を動かし、パソコンでキーボード叩いて、とにかく書いて吐き出してみたほうが良い考えの整理になるんだよなぁと、思っていたことが、すっと腑に落ちた感覚。
「論理的」という言葉も同じで、組み立てる際に論理を使うだけで、考える事とは別に切り離すべきなのだなと。
時間を置いて、また再読したいです
Posted by ブクログ
上司におすすめされて。
「考える」ことがこんなにも哲学的で、深いことだと思ったことがなく、目から鱗だった。
最近「もっとよく考えないと」と思うことがあるけれど、「考えるとは?」まで思い至れたことはない。
思考を深めたい人にはぴったりな本だと思う。
語り口は軽く、内容は深い。
最後に考えるためのヒントも教えてくれているので、役立てたい
Posted by ブクログ
とにかくすべてに癒される。
文章、イラスト、つるつるなカバー、きなりの紙、茶色の文字。
絵本を読むように軽い感覚で、「考える」について目からうろこが落ちるような発見を楽しめる。
今考えてる、って言ったりするけれど、考えてるって実際何してるの?
普段、当たり前に使ってる「考える」という言葉の定義から始めてくれる本。
問いと答えをらせんのように繰り返して進んでいく。ヘウレーカの声を待つ。
関係ないけれど、ヘウレーカと言えば、ドラマメンタリストで、ヴァンペルトがやたら気に入って使っていたことを思い出す。
きたこれ、犯人の手がかり見つけた、ヘウレーカ!
考えるっていうのは、手を使って、道具を使って、人に話して、なんやかして、そうするものらしいです。
Posted by ブクログ
初めての哲学書で、少し難しかったが、新たな視点を得られた気がする。
「考える」ことに対して、自己啓発本等、他の本にあるようなものとは違うアプローチで何が大切なのか(これはあまり他の本当の差異はない気がする)を学ぶことができた。
Posted by ブクログ
考えるための素地を教えてくれる本
論理とはなにか、論理的に正しいこと=そのもの自体が正しいこと、ではない
前提が正しいかどうかに依存している
そのことを理解している人って意外に少ないのでは
Posted by ブクログ
「考える」ってどうすること?「わかる」ってなに?
本書では、もっと上手に考えるための方法を、心なごむ絵とともに解説。ものごとの見えない枠組みをはずし、本当の「考える力」を提示する哲学絵本。
この本は読めば読むほど理解が深まって、味が分かる本だなと思う。
考えるためには「ことば」が必要だ、という章が個人的に好き。動物と人間の違いがよく分かる。ような気がしてくる。
冗談まじりの文も親しみがもてて好き。
Posted by ブクログ
常識は状況に応じて様々に変わること、
そしてが常識あるから考えることができる、ということを理解することができた。
自分の人生に活用できる新たな思想が得られた。
『かろやかに考える』という表現が気に入った。
Posted by ブクログ
言葉がないと可能性はない。
だったら本という媒体が一番可能性の大きいものなんじゃないか。
映像では描ききれない思考、状況、場、空気感、香り、表情、、、
否定できるということは、その可能性を考えられるということ。
否定は可能性と現実のギャップに生じる。