あらすじ
「考えるってどうすること?」と聞かれたら、あなたはどう答えますか?本書では、「考える」とはどういうことなのか、どうすればもっと上手に考えられるようになるのかを、心なごむ絵とともにやさしく解き明かします。たとえば、なぞなぞを解くことが哲学のきっかけになっていたり、なにげなく見ている夜空の星から「問題」の本質が見えてきたりする――そんな、身近な例をたくさんあげて、「考える」ということの本質に迫ります。また、身近な話題だけでなく、論理学によって、よく言われる「論理的に考える」ということは、実はできないということも証明します。見えているものをそのまま見ているだけでは考えることはできません。無知や無秩序からは問いは生じないからです。見えない枠組をはずし、いろんな知識をもち、いろんな理論を引き受けるからこそ、多くのことを鋭く問い、考えられるようになるのです。本当の「考える力」が身につく哲学絵本。
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Posted by ブクログ
問いを頭の片隅においてその眼差しで見ることが「考える」こと。
「考える」や「わかる」がどういうことなのか、とはずいぶん難しい問いに思えるけれど、この本はそれを優しくあたたかく教えてくれます。
いろいろなことを抱えていると頭がパンクしそうになったり投げ出したくなったりもするけれど、この本を読むと、考え続けている自分を肯定してあげられるようになると思います。
Posted by ブクログ
社会人になると「論理的に考えろ」・「頭を使え」とよく言われるが、そもそもとして「考える」とは何かを優しく諭してくれる、そのような本です。
本書の中で語られる「考える」とは、頭の片隅に問題を留めておくということ。
経験から得た常識や枠組みに対して、非常識や枠外の出来事に違和感や課題を感じ、それを頭に残しておく。そうすることにより、ふとしたタイミングで、違和感への理解や課題解決方法がパッと閃くことがある。
個人的には、それこそ「アハ体験」なのではと思う。本書では「ヘウレーカ」と呼ばれている。
日々の中で感じ取った異変(自分が理解できないこと)を頭の片隅に留めながら、生活を送って行きたいと思わせてくれる良書でした。
Posted by ブクログ
優しい哲学書
考える、ということについて、哲学の授業で出てきた論法を誰でも分かる言葉に置き換え書かれ説かれている
ゆったりとした時間の中で、思考を巡らせながら、読みたい一冊
◎論理は言葉の定義である
仕事をしていて、論理的であることはとても重要視される
論理的にすることは、考えさせないようにしているのだよ、ということにハッとした
言葉の定義を明確にし、論理を創り出して、効率や生産性を求めた結果、評価と成果は得られるが、考えるヒトは生まれにくいのだと痛感
◎考えるということは、軽やかに踊って見せることだ
とても印象的な一文
考える、という行為をこんな風に表現できるのか
物事に対する足場を変えながら、軽やかに、、、
こういう物事の捉え方と表現が出来るようになりたい
◎つめこんで、ゆさぶって、空っぽにする
考えることは、外に出すことだっていう作者の意図が伝わってくる
考えることは、人との関わり合いから生まれるし形を変える、外に出す方法である言葉があるからこそ考えることが昇華されるのだと理解できた
Posted by ブクログ
とにかくすべてに癒される。
文章、イラスト、つるつるなカバー、きなりの紙、茶色の文字。
絵本を読むように軽い感覚で、「考える」について目からうろこが落ちるような発見を楽しめる。
今考えてる、って言ったりするけれど、考えてるって実際何してるの?
普段、当たり前に使ってる「考える」という言葉の定義から始めてくれる本。
問いと答えをらせんのように繰り返して進んでいく。ヘウレーカの声を待つ。
関係ないけれど、ヘウレーカと言えば、ドラマメンタリストで、ヴァンペルトがやたら気に入って使っていたことを思い出す。
きたこれ、犯人の手がかり見つけた、ヘウレーカ!
考えるっていうのは、手を使って、道具を使って、人に話して、なんやかして、そうするものらしいです。