野矢茂樹のレビュー一覧

  • 論理哲学論考

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    1921年に出版された哲学書なんだけど、IT技術者が読むと、まるでプログラミングついて語られているかのように錯覚してしまう不思議な本。

    たとえば「世界が私の世界であることは、この言語(私が理解する唯一の言語)の限界が、私の世界の限界を意味することに示されている。」とか。

    論理的考察の果てにたどり着く真理が実に美しい。

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    2012年02月27日
  • 論理哲学論考

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    誰でも一度は、しみじみと何かを考えることはあるだろうし、それの多くをこれから見出すことができると思える。
    人と話をしていても、また何かで悩んでいる時、わりと「何かの定義」で割れていることもある。知らないことについては、何も言わない方がいいのではないか、と思うことも多い。
    哲学は学説ではなく、行動である。哲学とは、「何かをしみじみと考えること。」に他ならない。

    ヴィトゲンシュタイン自体は、この本を書いたあと哲学界から一度身を引く。何もかもやり尽くしたと思ったのだろう。彼は当たり前のことをだらだらと小難しく書き連ねているが、この本が評価されるくらい、哲学界は混迷に満ちていたのだろうか。

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    2012年02月08日
  • 無限論の教室

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    笑える文章で楽しく読めますが、理解が難しかったので2回読みました。
    実無限派と可能無限派のせめぎ合い。結局勝ち負けはつかないのだけど、
    無限の捉えどころのなさというのを実感できました。

    √2やπ(パイ)は数字ではなく、その数を導き出すための法則である。
    すべての偶数を足したものは偶数ではない、自然数でもない。
    カントール的な考えでは人間が概念を作るのではなく、すでに存在している概念を発見することになってしまう。とか面白い。

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    2012年02月20日
  • 論理学

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    2006.12.19。東京大学出版会だから難しいんだろうな、と思って読んだら、こんなにも分かりやすい本だったとは!と驚き(と言っても、後半につれて十分理解したとは言い切れないが)詳しい感想は後日書こう。

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    2009年10月04日
  • 論理学

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    おもしろい!の一言に尽きる。特に、「無門」「道元」のすっとぼけた対話が、ケケッと笑わさせられて勉強している気にならない。しかも、そのすっとぼけた質問が結構「痒い所に手が届く」ような質問で、役に立つ。練習問題や論題もたくさんあり、解きながら読み進めば、理解度がさらに向上するのかも。

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    2009年10月04日
  • 新版 哲学の謎

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    哲学の世界を、丁寧に手を取ってエスコートしていただいたような感覚。
    考えながら読むのが楽しい…というか、自然と考えさせられる。
    途中で話が入り組んできても、適宜前提を再確認してくれたり、今までの話をまとめ直したりしてくれるので、とても読みやすかった。

    内容に置いていかれないように頭を使う労力はゴリゴリに削減してくれていて、考えて楽しいところだけ頭を使わせてくれる印象。
    とても親切な哲学世界のエスコートだと思った。
    かっこいい。

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    2026年09月24日
  • はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内

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    いつもと同じように行動しているように見えて、「あ、これだ!」という声に耳を澄ましている。
    問題に対する緊張感が失われないこと。
    これが考えるということ。

    アタマだけじゃなく、手を動かしたり紙を使ったり。これも考えること。

    ほかの人との出会いが、考えを広げたり深めたりもしてくれる。

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    2026年08月18日
  • 新版 哲学の謎

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    旧版の内容を全く覚えていないので,こんな構成だったかどうかも分からない。
    対話形式で,自分の頭で考えるというのはどういうことかを見せる哲学入門。ネーゲルの『哲学ってどんなこと?』を純化したような1冊と言えよう。
    それぞれの問いはもっと深められるし,お互いに関連し合うので,この先は読者が考え続けるよう開かれている。
    あえて巻末に読書案内を載せないのは教育的配慮として理解はするが,個人的には欲しかったかな。

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    2026年06月29日
  • はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内

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    文字通り「考えるとはどういうことか」について述べられています。読みながら、考えるということの指針になるようになにかしらまとめを作ろうと思っていましたが、簡単にはまとまらない、まとめるのが難しい。というか、まとめてはいけないと思いました。

    この本、ある種の読みにくさを感じていたのですが、それは珍しく横書きの左開き(左綴じ)だからかもしれません。それが脳を刺激しているような感覚もありました。

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    2026年06月28日
  • 新版 哲学の謎

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    当たり前そうなことの根本をこねくり回す感が面白い。存在とは何か、心とは何か、時間とは、意味とは、意志とは、…。対話形式で読みやすい。普段の会話でこんなことしてたら面倒臭い奴だな?暇なのか?になるだろうけど、それがいい。思考実験の過程が面白いし刺激に。どこかで聞いたような話も多いけど。

    自由意志と決定論の話は、量子力学とか脳科学とかAIにも触れてほしかったような。偶然(ランダム性)と自由意志は違うは、その辺りも意識してる気もするけど。十分に高度な科学技術は魔法と区別できないのと同様、高度に複雑化した振る舞いは自然現象(決定論)か意志行為(自由意志)か区別できないのでは。単に自由意志が魔法に見えているだけなのかもしれない。今の人類では。昨今のAIの進歩を見ると意識とは?意志とは?の定義が結構揺らいでいる感が。それだけで一冊なので本書のscope外かな。

    本書の狙いは謎の提示である。あとがきにあるとおり疑問に思うところもツッコミたくなるところも筆者の想定であり、哲学に興味を持つ入口としては良き。

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    2026年06月15日
  • 論理哲学論考

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    (p.149)
    『6.54: 私を理解する人は、私の命題を通り抜けーその上に立ちーそれを乗り越え、最後にそれがナンセンスであると気づく。そのようにして私の諸命題は解明を行う。(いわば、梯子をのぼりきった者は梯子を投げ棄てねばならない。) 
    私の諸命題を葬り去ること。そのとき世界を正しく見るだろう。』

    語りえるものを塗りつぶしていくことで語りえないものが浮かび上がってくる。つまり語りえないものは示される。主体、意志、価値(倫理・美)、死は世界の外にある「語りえないもの」である。世界が存在するということも同様に超越論的である。それらは神秘として示されるという意味において、存在はするが語られえない。だからこそ沈黙のうちに引き受けなければいけない。

    存在する・語られる・示される等の独特な言葉遣いと初めて格闘した20歳のころは最後まで読み通せず挫折したが、8年経てば少しは読めるようになるらしく、全ては理解できていないものの比較的サクサク読めた。入門書を読みつつ理解を深め、後期ウィトゲンシュタインとも格闘したい。

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    2026年06月07日
  • はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内

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    「考えること」を分解して、そして再結合してその仕組みを考えてみよう、というテーマで、ユーモラスにやさしく導いてくれる本でした。
    その内容のように重くならないように、文字の色から余白まで、ふわっとした雰囲気になるようにデザインされています。

    いちおう哲学がテーマの本、ということでいいと思いますが、半分は画集でもあります。文章の内容とほとんど関係のないイラストが、ときに見開き1ページを使ってたっぷり挿入されていて、その1枚1枚に日付が書かれています。

    考えることをかみ砕きながら、絵を味わうという唯一無二の体験ができる1冊です。
    こういう作品は、(まだ)紙の紙の本じゃないと楽しめないですね。

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    2026年05月31日
  • 入門!論理学

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    ネタバレ

    厳密には「記号論理学」というらしく、論ずるためには本来たくさんの記号が必要とされるらしい。しかし本書は、記号をほとんど使わず(カッコと矢印ぐらいしか使わない)、縦書きの柔らかい文章で書かれている。
    本文中にも書かれている通り、論理学が纏っているガチャガチャとした鎧を剥ぎ取って、その内側にあるぷにぷにと柔らかい部分に触れようとしている、まさにそんな本である。
    一つの「公理系」を体系化し理論化していく過程を一緒にたどっていく感じで、頭がスッキリした感じがする。ただ、それほど易しくはなく、じっくりと読み進んでいく必要はある。
    次のステップには「記号論理学入門」などになるそうだが、ただ、正直言ってこれ以上深入りする気にはならなかった。この分野を極めると何ができるようになるのかちょっと想像できない。

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    2026年05月17日
  • 語りえぬものを語る

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    野矢茂樹著『語りえぬものを語る』のレビューです。

    猫は後悔するか、という興味を引く見出しから始まり、科学は世界を語り尽くせない、という壮大な見出しで終わります。
    この最後の見出しについては、奇しくも、個人的に私がこの数年考えていたことでした。

    ウィトゲンシュタインの哲学をベースに、日常的な実感を大切にしながら、相対主義の擁護、異なる論理空間の存在、懐疑論や決定論への反論などの論理を組み立てていく様子を眺めることができます。
    何を学んだかと言われると、難しくて表現できないのですが、知的好奇心が刺激される読書体験でした。

    全く未知の言語を翻訳することを考えると、「美しい」と感じるものに対する相対主義が成り立つことが言える、という部分は印象的でした。

    また、自然科学は「法則を維持するように現実を解釈する」という探求の指針を与えるのであって、法則は現実世界を語り出しているものではない、と述べられています。これもしっくりきます。自然科学の手続きに則っても、常に実験や測定には誤差が生じます。必ずズレるにも関わらず、これを「誤差」と呼んでいること自体、法則が成立する理念的な世界を前提としていることの証左でしょう。

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    2026年05月10日
  • それゆけ! 論理さん【大人のための学習マンガ】

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    久しぶりに復習しました。だいぶ忘れていました。逆、裏、対偶、帰納、演繹、仮定形成、述語論理など思い出したり、新たな発見もありました。しっくりこないところが多々ありましたが、マンガ併用でかなり救われました。

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    2025年12月29日
  • はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内

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    ほんとに初めて考える時のようにやさしく教えてくれる。
    問題の背景を考える、問題の意味を考えること。頭の中だけじゃなくて書き出したり手を使って考えること。自分にはハードルが高いけど、他人に話すこと意識していきたい。

    挿絵がかわいいなと思ってたけど、最後のページでこれが何の物語なのかやっと分かった。道を歩いている時も、お家にいる時も、誕生日当日までその人のことを考えてたってことかな、素敵だな〜

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    2025年12月26日
  • はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内

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    考える時に、こうしたら良いということを教えてくれる本。でも、読んだからと言って、結果はすぐに出ないよ。考える時の奥義のような本。

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    2025年12月07日
  • 入門!論理学

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    タイトル通り、論理学の入門書。
    1~4章くらいまでは、高校数学で習う「集合と論理」の単元を丁寧に深掘りしたような内容で、中高生くらいでも読みやすいんじゃないかなぁと。
    それ以降の章は少々難解さが増したような気がします。私の理解力の乏しさ故でしょうか……。
    しかし、入門書として、論理学という分野への興味・関心がよりいっそう沸き立つ一冊であることは間違いありません。砕けた表現の文章によって、学ぶことのハードルの高さも随分と緩和されます。
    筆者の他の著書も読んでみたくなりました。面白かったです!

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    2025年12月02日
  • はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内

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    なにげなく見る夜空の星から「問題」の本質が浮かぶ・・・
    身近な例を挙げて「考える」ことの本質に迫る書です。

    イラストがほのぼのしていて、隙間が感じられて、
    それが思考の時間となりました。

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    2025年12月01日
  • はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内

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    平易な語りかけるような文体であるが、「考える」とは何かという根本的な命題を取り扱う骨太な一冊。

    論理的思考(ロジカルシンキング)が巷で喧伝されていた時代を思い出す。ビジネスに欠かせない能力で、論理的な判断ができないとヤバいよという煽りに焦らされていたあの頃。
    本書によれば、論理はあくまでことばの意味をきちんと捉えることであり、考えるとは論理によって現れる情報を問題に合わせ取捨選択すること。一緒くた理解をしていた私に新たな知識がインストールされる。考える素材が一つ増える。

    自分の頭で考える。苦手なフレーズだ。どんだけ1人でうんうん唸ってても光明は差さず自分の至らなさに辟易しては落ち込んでいる。本書が示すあれこれ外部でこねくりまわす、ことばの可能性にダイブする、他人と話し合うという方向性は、ともすると孤独で個人的なイメージの「考える」を外に開かれたワクワクするものへと変換してくれた。

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    2025年10月09日