野矢茂樹のレビュー一覧

  • 入門!論理学

    Posted by ブクログ

    初めて読む論理学の本。すこし気を抜くと、目が紙の上をすべるすべる……。何度も前の文を読み直して頭の中で図にして根気よく読んだ。論理学の仕組みは難解だけど、著者の文体や例えがフランクなおかげでどうにか読めたし、基本は「否定」「または」「かつ」「ならば」の4つだけというのは意外だった。
    論理学を勉強すれば、仕事でデザインや文章の構成を考える効率を上げられるかも?と思って手にした本。すぐモノに出来るかといったらかなり難しそうだけど、ことばのもつ役割により気を配ったり、暮らしの中のいろんな出来事の前で足を止めて頭をひねったりしたい。

    0
    2020年08月14日
  • 哲学な日々 考えさせない時代に抗して

    Posted by ブクログ

    特に以下の一文が刺さった。
    共に喜べる人になりたい。

    ===
    ほめるものはほめられるものよりも優位に立つ。だからほめられたいと思う気持ちは、自分より優位のものを求めることにつながる。
    子供は大人たちを出し抜き、追い越していかなければならないのに、ほめられようとして上目づかいになり、ほめてくれる人に自ら進んで隷属しようとする。
    ほめて育てようとする人たちは、おそらく無自覚のうちに、そうして子供を支配しようとしている。

    では、どうすればいいのか。ほめるのではなく、共に喜ぶこと。何かがうまくできたなら、一緒に喜んで、子供が感じている喜びを増幅する。そうして、その子が自分の内側から感じる

    0
    2020年04月25日
  • それゆけ! 論理さん【大人のための学習マンガ】

    Posted by ブクログ

    面白い。
    普通に学ぶとややこしくて、途中でよく分からなくなる論理学の初歩、基礎中の基礎を、分かりやすく学ぶことができる。

    ただ、理解したと思って練習問題をやると、意外と理解しきれていない部分も多いことに気付く。
    簡単だからこそ、理解したと思い込んでしまうことに注意が必要である。
    次の段階へ進むのは、この本の内容をしっかり自分のものにできてからかな。

    0
    2020年04月18日
  • 論理哲学論考

    Posted by ブクログ

     私なりにこの本のキーワードは「限界」にあると思う。語りうることと語りえないことの限界、世界の限界、そして私の限界としての独我論。序文にも、「本書は思考において限界を引く。いや、むしろ、思考に対してではなく、思考されたことの表現に対して限界を引く」(p9)とある。
     本書のミソはこの「限界」が、まさにこの本の述べるところの「語りえないもの」、ということにあるのではないかと思う。だからこそ、「おそらく本書は、ここに表わされている思想は——ないしそれに類似した思想——をすでに自ら考えたことのある人だけに理解されるだろう」(p9)と言われ、そして同じことだと思うが「六・五四 私を理解する人は、私の命

    0
    2019年12月12日
  • 入門!論理学

    Posted by ブクログ

    よく練られた入門書は、とても面白い。

    目次を見たときは高校数学で学ぶような論理学の基礎が並べられてるだけなのかと思ってしまったが、全くそんなことは無かった。
    演繹的推論で用いられる言葉の本質的な部分を抽出して公理系を形成し、それが健全性と完全性満たすことを示す、というような論理体系の構築の流れが驚くほど平易に書かれており、ワクワクしながらスラスラと読み進められた。読んでいて「あれ?」と引っかかった部分にも後の部分で全て答えを与えてくれていて、伏線が回収されたようなスッキリとした感覚が何度もあった。
    ともすれば難解になってしまう論理学をとにかく噛み砕いて読みやすく説明してくれた。これから数学や

    0
    2019年11月15日
  • それゆけ! 論理さん【大人のための学習マンガ】

    Posted by ブクログ

    わかりやすい!
    面白い!
    こんな風に習いたかった。

    一つ一つ確認問題を解きながら読んだので、かなり時間がかかったけれど、長年あやふやだった部分がすっきりわかった。
    こういう本は誤解なく伝わる例になっているかが命だと思うけれど、そこがよく練られていると感じる。

    論理の言葉と日常の言葉の意外なギャップにも改めて気づかされた。
    例えば、「たら」「れば」。
    仮定条件を表すものなのに、日常的には前後関係程度の意味で用いられる。
    こういう小さなギャップが、まだあちこちにあるのかもしれないと思った。

    で、今俄然気になってきたのが、論理学はなぜそれを問題にするのかということだ。
    例えば、否定という概念。

    0
    2019年11月09日
  • 入門!論理学

    Posted by ブクログ

    タイトルに「入門」とあるが、筆者が「はじめに」で述べているように、本書は基礎以上の内容になっている。だから、結構難しい。ただし、数式を使ってないので、数学が苦手な私でも理解できた。この本のお陰で論理学の楽しさを知れたので筆者に感謝したい。

    0
    2019年07月17日
  • 「ロンリ」の授業

    Posted by ブクログ

    これが論理、なのかはちと疑問であるが…
    人が人と話す時に、気をつけた方がいいことが書かれている。自分が話す時も、聞き手に回る時も。
    自分が変な、論理的でないことを言わないのも大切だが、私に必要なのはむしろ、人から筋の通らないことを強弁された際に、どう対応するかであった。
    この本には、こいつなんか変なことをさも正しくて、それしか答えが無いように言ってるな、、という時に、どう捉え直したらいいか、どう対応すれば丸め込まれないか、みたいなことも書いてある。
    もっと若い時に読みたかった。若い子こそ、読んでほしい。

    0
    2019年04月24日
  • それゆけ! 論理さん【大人のための学習マンガ】

    Posted by ブクログ

    面白かったです。
    久しぶりに違った感覚の本を読んだ気がします。
    半分は漫画なのですが。
    論理学って内容的には昔習ったこと。
    よく考えればわかることが多いのですが。
    改めて今回読んで、教わった内容は
    非常に新鮮で、なるほどと思うこともありました。
    これはいい本だと思いました。
    最後の問題は、割と難しくて、答えがあっていても
    解説をよむと、そうだったのかと思うことも。

    0
    2019年03月10日
  • 無限論の教室

    Posted by ブクログ

    数学に関する哲学の本。
    数学基礎論の本かな。

    対角線論法が思いの外、適用範囲が広くて驚愕する。
    実数の濃度の証明は知っていたが、ラッセル集合、ゲーデルの証明にも使われていたなんて。

    まさにメタな視点が度々求められるが、自分の「脳力」を鍛えるために面白い本だった。

    0
    2019年02月05日
  • 哲学の謎

    Posted by ブクログ

    あれは国語の教科書の折り返しのところだつたか。本書の冒頭部分が掲載されてゐたやうな気がする。
    あの時、ものすごく驚き、搖さ振られたことを覚えてゐる。ひとがゐなくなつた後でも、やつぱり夕陽は赤いのか。よく死んだらどうなるのだらうとか、自分と記憶も何もかも一緒のひとがいたとしたらとか、途方もなく考へてゐた気がする。さうした中にあつて、あらゆるひとが全滅した中でも夕陽は赤いのかどうかといふことが、さうした考へと響くところがあつたのだらう。
    その時は、ただ漫然と、この自分と呼ばれる何かが存在しない世界といふものが考へられず、すごく変な気持ちになつた。「わからない」そのことがわからなかつた。知りたくても

    0
    2018年10月27日
  • 言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学

    Posted by ブクログ

    面白かったー!!対話形式で読み口がマイルドだし取っつきやすい。でもやってる内容はガチのガチなので薄っぺらくなることもなく初心者にはうってつけなんじゃないのかな。認知言語学の面白さと、じゃあこれってどういうことなの?でもこうなんじゃないの?と興味を次に繋げる感じの構成で、どんどん認知言語学について知りたくなる。
    久しぶりに新書で楽しませてもらいました!
    (ていうか私が野矢さん好きだからこんなにハマったのかもしれませんね…)

    0
    2018年06月25日
  • 論理学

    Posted by ブクログ

    アリストテレスの論理学からゲーデルの不完全性定理まで、数理的になり過ぎずにその思想的重要性を示しつつも教科書的体裁を保って解説しているところが、さすが野矢先生の本だなぁといった感があります。
    以前数理論理学の先生の書く不完全性定理の本に躓いたことがありましたが、本書で不完全性定理のノリが掴めたような気がして、再チャレンジする気力が湧いてきました。

    0
    2018年03月15日
  • 論理哲学論考

    Posted by ブクログ

    やや読み飛ばしながら。概要は以前より未熟ながらある程度は知っているものを、きちんと読もうと思って手に取ってみたら案の定難しかった。20世紀西洋哲学における言語論的転回の主軸であり、相対性理論にも似た巨大なインパクトを持つ。古代ギリシアのテセウスの船など、子供が如何にも世界に対して眩暈し夜も眠れなくなるような問いに、一撃で一蹴する完結な回答を与えた。子供たちは安眠できるだろう。短い、断定的な各一行が美しく文庫本が付箋で汚くなった。大抵の問題は本書を理解すればすんなり解が得られる。ただし口数は減るだろう。

    0
    2018年03月07日
  • 言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学

    Posted by ブクログ

    めっちゃ面白く読みました。
    やはり何か新しい手ごたえが生まれてくる瞬間に立ち会うというライブ感(もちろん疑似的なものにすぎないわけですけれど)は、面白さを倍増させる気がしますね。

    でも、この本を「面白い」と思うための条件は割と厳しいと思います。

    まずこれまでに「「野矢哲学」に一度でも触れたことがあること。
    そして大学2年生レベルの言語学についての基礎的な理解があること。

    この2点をクリアできる人って、本当に大学でその分野を専攻している人に限られるんじゃないだろうか。

    だから署名は『入門』じゃなくて『教室』なんだろうなあ。高校生が読んでもちょっと太刀打ちできないだろうと思います。

    チョ

    0
    2017年07月31日
  • 入門!論理学

    Posted by ブクログ

    「論理学とはこういうもの」といことを分かりやすく平易に説明しており、論理学を学び始める前の第一歩としてはとても良い本だと感じた。

    これ以上論理学というもを分かりやすく説明した本は、おそらくないだろう。

    分かりやすいが、簡単過ぎないという絶妙な内容。

    まさに求めていた内容であり、何度も読んで内容をしっかり理解したいと思わせる1冊であった。

    0
    2017年05月28日
  • 心という難問 空間・身体・意味

    Posted by ブクログ

    約20年前「無限論の教室」に出会って以来、著者の平易な語り口の虜になってしまい、以降全てではないものの同氏の著述を可能な限り追いかけてきた僕。そこではテーマは違えどいつも「世界とこの私」を巡る疑問が通底していた。本書は著者のライフワークといってもいいこの「他我問題」を、極めて平易な言葉で、しかし周到な注意を払いながら扱った労作。ついに著者の中で一つの区切りがつけられた感がある。

    読み始めると、著者がなぜ、我々が世界を直接経験しているとする「素朴実在論」に拘泥するのか不思議に感じらるかもしれない。しかし安易にこれと対立する立場である「二元論」、即ち我々は世界そのものでなくその表象である知覚イメ

    0
    2017年10月14日
  • 入門!論理学

    Posted by ブクログ

    通常の論理学の本ではふれられない、「なぜそんなことを考えたのか」「なぜそんな風に考えなければならないのか」を説明してくれる本当の「入門」書。いちど、標準的な論理学の本を読んでモヤモヤした気持ちのまま読む方が、より納得できるかもしれない(!?)。

    0
    2016年05月31日
  • 哲学の謎

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    無限論の教室も執筆した野矢先生の哲学書。
    対話形式で描かれているので大変読みやすい。

    言葉の定義を再度考えさせられたり、人の世界と自分の世界は独立しているのか、どのような行動がそれをそれたらしめるのか。
    などなど考えることが好きな人にとっては永遠に解けない言葉の謎が詰まっているためぜひ読んでほしい。

    0
    2016年05月21日
  • 哲学な日々 考えさせない時代に抗して

    Posted by ブクログ

    なんだかあまりにもやさしい文章なので、手加減されてるなって悔しい気持ちになる。で、わたしだってもっとムズカシイことを考えられるよって、さびついてた脳みそが動きはじめる。

    ほら、野矢さんの思うつぼだ。

    0
    2016年12月29日