野矢茂樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タイトルのとおり、論理学の初心者に向けて基礎的な内容をわかりやすく解説している本です。
著者はすでに論理学の入門書として、『論理学』(1994年、東京大学出版会)と『入門!論理学』 (2006年、中公新書)の二冊を刊行しています。『論理学』は、いわば論理学を学ぶことによって見えてくる風景を解説した本で、論理学を学んでいるひとの副読本ともいうべき内容であり、『入門!論理学』は論理学の基本的な発想を縦書きの文章で説明している本です。一方本書は、論理学を学ぼうとするひとに向けて初歩的な内容をていねいに解説しており、さまざまなジャンルで見られる「入門書の入門書」に相当する本といえるように思います。
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Posted by ブクログ
電子書籍で読んだ。
野矢茂樹氏の本は何冊か読んでいる。
今までは論理学や無限をテーマとした本ばかりだったが、本書は著者の人柄が滲み出るであろうエッセイとのことで、寝る前に気楽に少しずつ読んだ。
読み進めていくと、なるほど哲学者はこういうことを考えているのかという発見がある。また、こういう風に考えているのかという発見もある。
考えるというのはモヤモヤした状況に耐えることだ。モヤモヤを引き受けることだ。
モヤモヤが少しずつ晴れていく感覚。晴れた先に自分だけの地平が見えてくる感覚。
これはおそらく快楽に近い。
自分だけの快楽を追っているのが哲学者なのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
2006年9月25日初版
哲学を専攻する助教授が著者。
「記号論理学」の入門者でありながら、記号はほとんどなく、文章の積み重ねで「論理的」とはどういうことか、論理学とはどのような学問かを紹介していく。
記号の団体を見ただけで読む気をなくす、という人が「論理学」とはどういったものか、という雰囲気を味わうのには最適の入門書である。
また、記号をほとんど使わない形式で書かれているので、抽象的思考と具体的思考とがなかなか良いバランスを取って説明が展開されている点は、既存の論理学の本を読んだばかりの人にとっても新鮮な視線をていきょうしてくれるのではないだろうか。
しかしながら。論理学を学んだか -
Posted by ブクログ
この本はタイトル通り論理学とはどういう学問なのかということを記号を使わずに説明している著書です。
論理学では”または”や”かつ”などの用語を記号で表す記号論理学という分野がありますが、この本ではその内容を極力記号を使わずに説明しています。
個人的には排中律を認める立場か認めない立場かによって体系が異なってくるというあたりが、今まであまり考えたこともなかった視点で興味深かったです。
著者である野矢さんの論理トレーニング101題を読んだ後に、もう少し学んでみようと思って読んだこの本ですが、文字が中心なことや内容の抽象さも相まって全体的に頭の中で整理するのが難しく高度でした。本文中では証明など