野矢茂樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ場が主流で、でも著者は可能無限の立場であると述べています。
『無限の可能性が秘められている』と言われれば希望的観測が持てますが、『無限の可能性なんて実は無いんだよ』と言われれば何だかちょっと実も蓋もない感じがして肩を落としたくなります(笑)
数学を用いて無限の可能性を解いています。まず、そもそもその出発点が怪しいんじゃないのか、というのが率直な疑問です。数学以外でも、何か取っ掛かりがあるような『気がします』。
僕も可能無限派になるのかな?例えばリーマン問題やゴールドバッハの問題なんかも、何か法則性が見付かるんじゃないか、と淡い希望を持っています。
未来の事は分からないですが、大抵の事は、過去の出来事に依存しているので、それらを考えると、可能性としては、未来予測の精度は上がっていくだろうと思いますし。
永劫回帰とか輪廻転生とか、仏教では実無限派の立場にあり、宗教によって無限についての見解も考えると面白いかと思います。確か、ダンテの神曲では、死後、地獄・煉獄行きの人間は永久の責め苦を受ける……だったかな?折角、哲学的に「無限」を考えるなら、様々な見地からアプローチすればいいのに……なんて思いました。
僕の評価はA-にします。 -
Posted by ブクログ
哲学者によって書かれた論理学の入門書。ただし、論理学のテクニックを習熟するための教科書ではない。ところどころに、無門と道元という二人の禅僧と著者とのユーモラスな掛け合いが挟まれており、論理学のキモを分かりやすく解説している。
数学的な素質のある人が読むと、余計なことが書かれていてかえって分かりにくいと感じるかもしれないが、個人的にはたいへん理解しやすい本だった。ただしこれをメインのテキストにすることはさすがに無理だろう。論理学の初心者が他の教科書とともに使う副読本といった位置づけの本だと思う。
内容は、第1・2章でそれぞれ命題論理・述語論理の意味論と構文論がわかりやすく説明される。タブローは扱われていない(が、直観主義論理の意味論ではクリプキ・モデルによる認識史分析が扱われている。この選択規準はよく分からない)。第3章では、命題論理・述語論理の無矛盾性の証明が取り上げられ、メタ論理の発想がわかりやすく説かれている(完全性の証明は省略されている)。第4章は直観主義論理、第5章は不完全性定理が取り上げられており、雰囲気がつかめるようによく工夫された説明がある。
本書は、本格的に論理学を学ぶ人のための本ではない。著者は前書きで次のように述べている。「本書は、文字通り、ずぶの素人のための現代論理学への初めの一歩である。そして、おそらくはこれが終わりの一歩となるだろう読者を想定している。それゆえこれは千里の道への一歩ではない。ただ、この一歩のための一歩である」。論理学の発想を伝えることにもっとも力が注がれているのも、本書がこうした読書のために書かれた本だからだろう。
とにかく論理学の本としてはめっぽうおもしろい。中級の論理学を扱った続編があればいいのにと思う。二次創作とかできないだろうか。 -
Posted by ブクログ
本書は基本的に学術書である。よって、専門家でない限り、なかなか評価するのは
厳しいものがあるが、改めて論理学を学び直した者のざっくりとした評価ととって
もらえれば。。。。
著者は、野矢氏である。東大の助教授である。ちなみに本書は、東大の論理学の
教科書になっている。(出版も東大だし(笑))
しかし、内容はかなりわかりやすく記載されている。また、会話文によって
進んでいく形式もなかなか良い。また、網羅性も十分であると思う。というのは、
本書一冊で不完全性定理まで理解できるからだ。まぁ、ここまで理解する必要も
ないとは思うが。
学び直して思った事は、論理学というのは完全ではない。この一点に尽きる。
これが最も良かった点かもしない(笑)しかし、ロジックというのはおもしろい。
ただ、それ以上にエモーションもおもしろいけど。
散文で申し訳ないが、やはり大前提の「推論の形式化」は重要知識である。と
感じた。何事も本質を抽出して、形式化(ある枠組み?)にして考えやすいようにする。
ただ、現実世界では往々にして、形式化した時にそぎ落とされた情報が深い意味を持って
たりするので要注意。単純に、軽くすればいいってもんじゃない。
っと話がづれてしまったが、ある程度まとまった時間のある人に本書はお薦めできる。
そして、なるべく早い段階で学ぶことをお薦めする。
以上! -
Posted by ブクログ
本書は、少人数の講義を追う小説形式で、アキレスとカメのパラドックスを入口に「無限」を段階的に考えさせてくれる一冊だった。序盤は先生と受講者のやり取りが軽妙で読みやすい一方、終盤に進むほど思考の密度が上がり、理解が追いつかなくなる感覚も含めて「無限に向き合う体験」そのものになっていた。
特に印象に残ったのは、実無限と可能無限の対比、一対一対応による濃度比較の直感とのズレ、ベキ集合を「概念化の可能性」として捉える見方。対象そのものの多さより、対象をどう捉え直せるかが無限を広げるという視点は新鮮だった。さらに、πの未展開部分や排中律の扱いを通じて、数学的対象を「すでにあるもの」と見るか「生成される規則」と見るかで、問いそのものの意味が変わる点も学びが大きい。
とくに終盤はかなり難解だったが、「わかった気がする」と「結局わからない」が同時に残る読後感こそ、この本の狙いなのだと思う。完全な理解には届かなくても、無限をめぐる思考の面白さと奥行きを十分味わえた。 -
Posted by ブクログ
「言葉は必ずある程度ひとまとまりで学ばれる」
全く初めて聞く説ではありませんが、なるほどと改めて思いました。哲学は言葉が重要な役割を果たす学問だと理解しました。
「『がんばれ、力を出せ』ではなく、むしろ『頑張るな、力を抜け』」
こちらもなるほどそうだなと思いました。「がんばれ、力を出せ」では力が入り過ぎたり、無理したり、結果的に持っている力を発揮できませんが、「がんばるな、力を抜け」の方が余裕が生まれて、自分の力を出すことができるということなのではないかと考えました。
以上の他にも有意義に生きていくヒントがいくつもあり、自分の生活にも取り入れていきたいと思いました。