【感想・ネタバレ】哲学の謎のレビュー

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Posted by ブクログ

哲学に興味がある人に勧めたい1冊。
私が哲学科へ入学後、入門授業で使用しました。
大学生なりたての入門授業で使うくらいですので、
とてもやさしく読みやすいです。
が、著者は現代を代表する哲学の大教授の方なので、
中身はしっかり「哲学書」です。

それまで「哲学」というと、
ソクラテスやアリストテレスなど、
所謂The古典哲学をイメージしてとっつきづらく、
個人的につまらなかったのですが、
この本でその概念がガラリと変わりました。

あ!これも?
え、そういうのもいいの?!
言われてみると確かにそれってどうなんだろう...?

というふうに、
「哲学っておもしろい!!」
と私が沼にはまったきっかけとなりました。

おそらく思いもよらない角度からの話しばかり。
哲学とは「考えること」が何より要なので、
そういうものも(本編参照)も実はOKなのです。
興味のある方は是非。

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2022年05月02日

Posted by ブクログ

私にとって哲学と付き合うきっかけとなった本。永井均さんの演習でこの本がテキストとして使われた。論点が分かりやすく二人の会話も楽しく読める。本当に懐かしい気持ちにさせてくれる。 

青山拓央さんにも深く影響を与えた本だと思った。

この本を読んでいて真空状態になった。私はどこにいるのかということがわからなくなってしまった。私と世界が離れてしまった気分。

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2022年02月22日

Posted by ブクログ

あれは国語の教科書の折り返しのところだつたか。本書の冒頭部分が掲載されてゐたやうな気がする。
あの時、ものすごく驚き、搖さ振られたことを覚えてゐる。ひとがゐなくなつた後でも、やつぱり夕陽は赤いのか。よく死んだらどうなるのだらうとか、自分と記憶も何もかも一緒のひとがいたとしたらとか、途方もなく考へてゐた気がする。さうした中にあつて、あらゆるひとが全滅した中でも夕陽は赤いのかどうかといふことが、さうした考へと響くところがあつたのだらう。
その時は、ただ漫然と、この自分と呼ばれる何かが存在しない世界といふものが考へられず、すごく変な気持ちになつた。「わからない」そのことがわからなかつた。知りたくても知りえない。けれど何かがそこにあるやうな、そんな変な気持ち。
その時から少しは成長した。とはいふもの、幼い時に考へてゐた問ひの魅力は変らない。少し変はつたことと言へば、多少あの時の感覚を見つめなおすことができるやうになつたといふことか。
もしもひとがすべてゐなくなつたら。この想定自体、ひとの存在を前提がなければ不可能なのだ。そして、見つめた夕陽を「赤」と「言へる」ことも、「赤」の存在がなければならなかつた。
しかし、このことは、世界が5分前につくられたとする、あるひは、空飛ぶスパゲッティモンスターがつくりあげたとするといふこともあり得る。想像できれば何でも存在する、さういふことになる。要はどうとでも言へることになつてしまふ。そのことを覆へすだけの論理はそれこそ存在しない。真に存在しないことは、沈黙となつてしまふはずだ。
けれど、世界が5分前につくられたにしろ、誰がつくらうと、それを見つめる、語る何かが存在しなければできないのだ。鈴木大拙先生の言ふ、「光在れ」と言つたのを見つめたのは誰か。このことに尽きる。
在ると言へばあるし、無いと言へば無い。どちらも同じことばだつた。けれどことばが、何かが存在するといふことは、「本当に存在しない」何かに裏付けられなければならない。有るものが無く、無いが有る。どうやらさうした逆説が成り立つやうなところでひとは生きてゐるやうである。
語ることばは確かに虚構かもしれない。しかし、虚構が虚構であるといふことは紛れもない「真実」であるし、その真実が成り立つためには、真実は虚構であるといふことが起きてしまふ。そんな風にできてしまつてゐる。なんにせよ、何かが在り、何もないそのことは存在するが知ることができないやうにできてゐるやうである。

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2018年10月27日

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ネタバレ

無限論の教室も執筆した野矢先生の哲学書。
対話形式で描かれているので大変読みやすい。

言葉の定義を再度考えさせられたり、人の世界と自分の世界は独立しているのか、どのような行動がそれをそれたらしめるのか。
などなど考えることが好きな人にとっては永遠に解けない言葉の謎が詰まっているためぜひ読んでほしい

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2016年05月21日

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この本は哲学の本ですが、「生物が絶滅しても夕焼けは赤いか」「死と他者」など、様々なテーマについて考察するといった内容です。哲学史の本ではありません。
一言で答えも出ないし、客観的に確かめようもない問題はたくさんあります。例えば、本文中に出てきた話で「木から舞い落ちる(ように見える)枯れ葉に意志はあるか」という問題もそうです。ないだろうと思っても確かめる方法はありません。そういう問題を考えるとき、哲学が考えるヒントを出してくれるように思います。
枯れ葉に意志があるかどうかは生活上考えなくてもよい問題です。しかしこれが、異文化コミュニケーションだったり、新しい医療技術に対するモラルだったりすると、考えなければいけない場面にも出くわすかと思います。
答えのない問題を考える訓練も必要かと思います。たくさん本を読んだり様々な経験をしている方は十分素地がおありと思いますが、私は人生経験も豊富ではないので考える訓練が必要と感じています。私にとってはこういう本は、考えるきっかけを作ってくれて大変ありがたいです。

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2014年10月22日

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出会ったのは高校時代の現代文の教科書に載ってたことだったと思う、正直普通の人はこのレベルの疑問でいいと思う。自分も色々背伸びして少し難しそうなのに飛びついたりしたが純粋に疑問にもつこの段階が楽しいと思う

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2013年05月27日

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ネタバレ

自己対話で進む。問いを立て、自分で考えた答えに自分で反論しながら考察を深めてゆく様子がおもしろい。複数の切り口で挑み、矛盾が生じて詰むこともしばしば。仕切り直してまた考える。哲学的な思考方法に慣れないながらも学ぶ箇所は多い。他人が見ているリンゴの色は、本当に自分が見ているそれと同じか。常識は環境次第で変わる。何事も常識だからと妄信せず、常に疑う余地を残しておくことの重要性がよくわかる。

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2023年06月02日

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相対主義と相関主義。
意志や自由(主に心の哲学関連)の話になると、やはりどうしても哲学が科学から離れて1人歩きしているような印象を受けてしまう。

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2023年02月04日

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哲学というのは日常や現実をいつもとは違った角度で見せてくれる。哲学的な議論についていけるかどうかはあまり問題ではなく、その違った現実の捉え方を知ることが、人生を豊かにする一助になるのではないかと思う。

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2021年03月21日

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著者の分身である「私」と「ぼく」の対話形式。
哲学の本にありがちな難しい言い回しはほぼ無く、内容は分かりやすい。また哲学ばかりではなく「私」と「ぼく」のユーモアのあるかけあいもあるため、楽しく読めた。
内容は、哲学でよく取り上げられる問題を広く扱っている。認識、実在、意図や時間についてなど。
考えてみる取っ掛りとして読むには良い本。
ただ自分はもう少し踏み込んだ内容を想定して読んだため、少々物足りなかった。

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2021年03月17日

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哲学をするということは自問自答を繰り返すこと。それを著者が実際にやってみせてくれる本。
素朴な疑問から始まって、議論が右往左往したり、そのあげく振り出しに戻ったり。答えを導き出すのではなく、まさにこの考える過程こそが哲学をするということ!
この本を読んでも、謎は解けるどころか深まるばかり。常に頭を使いながら読みすすめ、読み終わった後も考えずにはいられないという、まさに哲学に入門するための一冊でした。

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2020年10月22日

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うーん、頭おかしくなりそう笑

社会、人間の営みがあるからそこに哲学が生まれるのだろう。

枯れ葉が舞い落ちかのは枯れ葉の意志なのかそうでないのか、ぶっちゃけ枯れ葉自身は人がどう考えようがどっちでもいいのかもしれない。
そう考えると哲学は自分らしさを問うための学問でもあるよーな。

久々に哲学した。

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2020年08月28日

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小さい頃考えたことのある謎や、言われてみれば確かに変かもという謎など、誰でも身近に感じられるようなトピックが多く、楽しく読めた。結局謎は解決せず、答えは見つからないのだけど、議論が議論を呼ぶ過程が非常に面白かった。ところどころ難しい論理展開があったので、自分でじっくり考えながらまた読みたい。

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2019年05月17日

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間をあけて読んでしまったので、少し頭がついていかなかった。
それでも、素朴な疑問から広がる哲学を教えてくれる。

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2018年11月28日

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そもそも〜?という当たり前と思うことを見つめ直す哲学的な内容だけど、対話形式で読みやすい

なにかの結論があってスッキリするような本じゃないけど、読んでいる間は日頃の悩みやもやもやから逃げられる、ような気がした

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2017年12月26日

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そもそも〜?という当たり前と思うことを見つめ直す哲学的な内容だけど、対話形式で読みやすい

なにかの結論があってスッキリするような本じゃないけど、読んでいる間は日頃の悩みやもやもやから逃げられる、ような気がした

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2017年11月26日

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第1章と7・8章がおもしろかった。適切なたとえ話は、哲学的な問いを理解するのに役立つ。142頁の「花一般の絵」を描いてみよう、という話とか。

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2017年07月28日

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「地球上からいっさいの生物が絶滅したとして、それでも夕焼けはなお赤いだろうか」から始まる。自意識が芽生える頃、死んだらどうなるんだろう、という疑問からいわゆる独我論や独今論についての疑問を展開する。ここでは答えはない。

「大事な問題を、へぼな答えで謎としての生命力を失わせないよう、謎のまま取り出してみたかった」と言い、対話形式で哲学的テーマについてそれが謎であるがゆえんについて提示する。

意識、他者、記憶、時間、私的言語、規範、個別と一般、自由意志。これらが本書で掲げられている「謎」である。これらは実は奥深くでつながっている、そういう感覚を持つことができるか。語りえぬもの、をわれわれはどこまで知ることができるのか。それは「知る」ということが何なのかという問いでもある。

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2013年08月11日

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「人類が滅亡しても夕日は赤いか?」



そりゃ、赤いだろうと思う方、ぜひ。
物事を多角的な面から考察する力をつける本。

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2019年01月16日

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[第27刷]2008年8月20日
登場する二人の論点(主張)が交錯(移動)している感じがする部分があるが、そんなことは全く影響なく「哲学的思考」の面白さにハマッてしまいます。

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2022年05月17日

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ネタバレ

哲学とはどういう学問なのかがわかる、すごくわかりやすい入門書でした。哲学に漠然とした興味があったが、もっと勉強してみたくなりました。メモを取りながら熟読というのではなく、サラサラと呼んでしまったので、細かな内容までは覚えていませんが、哲学を学ぶ取り掛かりとして十分良い本だった思います。

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2019年06月08日

Posted by ブクログ

う〜む。哲学の謎か…。存在とはなにか?認識とはなにか?経験とは…。つきつめるとわからなくなるな。だから謎なのかな。対話で哲学の問題を取り上げる。だんだんと頭がぐちゃぐちゃしてきた。

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2018年10月20日

Posted by ブクログ

普段当たり前のように過ぎ行く時間、見え方、考え方を掘り下げ、新たな視点でもの考えてみるということなのだろうが、少々難解である。
新たな視点で物事を考えようとする事自体は悪い事で無いと思うものの、物事をことさら難しく解釈しようとする事自体はあまり生産性のいい事では無い気がする。この本がどうという事では無く、それを哲学と言うのなら。

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2018年02月18日

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ネタバレ

自分が見ている赤色は他の人が見ている赤と同じなのか、この世界が五分前に作られて、記憶も後付けでないと証明できるのか、など、誰もが一度は考えたことのある問題についてあれこれと考察する。

何かの結論を出す、というものではないが対話調で進んでいって、様々な角度から考えるための基礎になる本

・奥さんが洗濯物を洗濯機に入れて、その後は横になってTVを見ている場合であっても「洗濯機が洗濯をする」とは言わず、「奥さんが洗濯をする」と言う。行為の主体というのは動力の担い手ではなく意図の担い手ということになる

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2016年03月19日

Posted by ブクログ

対話形式で進められていきます。哲学者ではなく、哲学の本です。思考実験の要素が含まれているため、冷静に読まないとクエスチョンマークが消えません。対話形式が苦手なので、すこしつらかったです。

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2015年08月19日

Posted by ブクログ

本そのものの感想というよりも、読んでいて私が痛感したことになりますが…

ここ最近他のことに興味の対象が移ってしまっていたこともあり、全く本を読まない日々が続いていました。
さすがに不味いと思い、積読状態だった本書を手に取るものの、内容がほとんど頭に入らない。
ネット上の何も考えずに読める中身のない文章ばかりを目にしていたせいで、「考えながら読む」ということが苦手になってしまっていたのでした。
読書をしなければ「考える力」は容赦なく退化することを実感しました…。

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2015年08月03日

Posted by ブクログ

読み進めていくと不思議な気持ちになる。
まだ自分の理解力や、許容度が少ないのか
なかなか議論が心にスッと入ってこない。
もう少し歳をとってから
また読み直したいと感じた。

他人の見ている色と
自分が見ている色が
違うかもしれないということは
幼いながらに考えたことがあります。

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2014年10月22日

Posted by ブクログ

 著者の内面での対話を再現し、時間はいつも断続的に流れているものなのか、現前にはあるものは本当に他人と同じものであるのか、1人しかいない世界に言葉や規範は存在するのか、人間は意志を持てるのか、といった問題について、内省や思考実験を加えながら考察する本。
 哲学をするとは、こんな問題について考えることというイントロダクションをするもので、最終的にはよく分からないなあ、という感じで終わっている。何か結論を出すものではなく、読者自身が考えてみてね、という構成になっている。
 若い時の夢を見ている時に突然死んだら、その人は夢であることに気付かないまま若い自分として死んでいくのだろうか、とか宇宙人が手のようなものを挙げたら、それを現象として見るのか意図ある行為とみるのか、そう判断する根拠は何か、といった問題は面白かった。すぐに読めてしまう本ではあるが、できればじっくり考えながら読みたい本で、時間があるときに読むのがいいと思った。(14/09/29)

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2014年09月29日

Posted by ブクログ

なんだかえらくざっくりしたタイトルだなあと思いつつも野矢さんだしと読んでみる。
本当にざっくりした、哲学の(というか、暇な時にこういうこと考える癖がある人間の)初歩的疑問を対話形式で掘り下げている。
最初はなんだか永井均のようなことを言っているなーと思ってて(あとがきにそう書いてた)、大体は永井さんの著作でカバーできてる感じはあるけれども、面白かったのは「経験と知」の章の斉一性は一般性を帯びているから斉一性により一般性を語ることはできない。一般性は後天的に獲得された思考習慣のようなものだという論。あと自由というのは虚構の語り口のひとつなのではないかという説。最近読んだ(まだ途中)神学の本にこれに通じるような文章があって、私はそれがすごく恐ろしく、だから「虚構の語り口」という説はそこに落ち込まないための良い説だと思う。

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2014年07月19日

Posted by ブクログ

今ひとつ、ピンとこない。

以前読んだ『まんが哲学入門 森岡正博』
とよく似たことが書かれていた。

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2014年06月08日

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