野矢茂樹のレビュー一覧
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ネタバレ場が主流で、でも著者は可能無限の立場であると述べています。
『無限の可能性が秘められている』と言われれば希望的観測が持てますが、『無限の可能性なんて実は無いんだよ』と言われれば何だかちょっと実も蓋もない感じがして肩を落としたくなります(笑)
数学を用いて無限の可能性を解いています。まず、そもそもその出発点が怪しいんじゃないのか、というのが率直な疑問です。数学以外でも、何か取っ掛かりがあるような『気がします』。
僕も可能無限派になるのかな?例えばリーマン問題やゴールドバッハの問題なんかも、何か法則性が見付かるんじゃないか、と淡い希望を持っています。
未来の事は分からないですが、大抵の事は、過去の -
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哲学者によって書かれた論理学の入門書。ただし、論理学のテクニックを習熟するための教科書ではない。ところどころに、無門と道元という二人の禅僧と著者とのユーモラスな掛け合いが挟まれており、論理学のキモを分かりやすく解説している。
数学的な素質のある人が読むと、余計なことが書かれていてかえって分かりにくいと感じるかもしれないが、個人的にはたいへん理解しやすい本だった。ただしこれをメインのテキストにすることはさすがに無理だろう。論理学の初心者が他の教科書とともに使う副読本といった位置づけの本だと思う。
内容は、第1・2章でそれぞれ命題論理・述語論理の意味論と構文論がわかりやすく説明される。タブロー -
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[ 内容 ]
アキレスと亀から不完全定理まで、かろやかに笑う哲学講義。
「無限は数でも量でもありません」とその先生は言った。
ぼくが出会った軽くて深い哲学講義の話。
[ 目次 ]
第1週 学生が二人しかいなかったこと・教室変更
第2週 気まずい時間・アキレスと亀・自然数は数えつくせない
第3週 チョコレートケーキ・パラドクスへの解答・可能無限と実無限
第4週 全体と部分・キリンとカバ・次元の崩壊
第5週 実数・独身製作器としての対角線論法・喫茶店のネコ進法講義
第6週 実数とは何か・ピタゴラスと豆大福・余興
第7週 マジタ・ベキ集合と概念実在論・羊羹の思い出
第8週 一般対角線論法・無限の無 -
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本書は基本的に学術書である。よって、専門家でない限り、なかなか評価するのは
厳しいものがあるが、改めて論理学を学び直した者のざっくりとした評価ととって
もらえれば。。。。
著者は、野矢氏である。東大の助教授である。ちなみに本書は、東大の論理学の
教科書になっている。(出版も東大だし(笑))
しかし、内容はかなりわかりやすく記載されている。また、会話文によって
進んでいく形式もなかなか良い。また、網羅性も十分であると思う。というのは、
本書一冊で不完全性定理まで理解できるからだ。まぁ、ここまで理解する必要も
ないとは思うが。
学び直して思った事は、論理学というのは完全ではない。この一点に尽 -
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言語哲学の基礎を築いたフレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインの思想をわかりやすく紹介する一冊。これらの哲学者たちの複雑な論理展開を一般読者にも楽しめるように工夫された内容。言葉の意味やその生成過程について。特に、言葉がどのようにして新たな意味を無限に生み出すのかという問題に焦点を当てる。
例えば、フレーゲのいう「認識価値」の違い。
― 「伊藤博文と伊藤博文は同一人物だ」にはなんの情報量もありません。伊藤博文のことを何も知らない人でも「伊藤博文と伊藤博文は同一人物だ」と言えます。それに対して「初代内閣総理大臣と伊藤博文は同一人物だ」には情報量があります。このことを初めて知った人は知識が増えた -
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「ミケは猫だ」という言葉の意味は何か、といったところからスタートして、フレーゲ、ラッセル、ウィトゲンシュタインという3人の哲学者の思考をたどりつつ、言語哲学の根幹に関わる考え方に迫る。
本書は、著者いわく、言語哲学の入門書ではなく、言語哲学の「門前の小僧」と自称する著者が、自分が面白かった話を他に人に話したい、という動機で書かれた本だという。著者のノリツッコミで本書は進んでいき、著者が言語哲学の議論をすごく面白がっていることはとてもよく伝わってきた。
しかし、読んだ自分も面白く感じたかというと別問題で、何かずっと言葉遊びに言葉遊びを重ねている感じで、正直あまり面白さを感じられなかった。個人的に