野矢茂樹のレビュー一覧

  • 無限論の教室

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    3人のキャラ造形が抜群にいい。特にタジマ先生。
    読んでて理解が追いつかないなー、と思った箇所では必ずと言っていいほど和尚さんもついていけなくなってて、いったんまとめてくれるのがうれしい。
    ただタカムラさんは別に不美人設定じゃなくてもよかったんじゃないかなー!?

    一回読んだだけでは最後までは理解できず、再読するたびに理解が少しずつ深まっていくのがなんかトンネルを掘り進めているようで快感。

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    2014年08月23日
  • 言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学

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     野矢茂樹は、私の好きな哲学者だ。日常を眺める角度を少しだけずらせてみせて、気が付くと哲学的な思考の深みへと自然に誘ってくれる。この人が、「認知言語学」に興味を持ち、自分が生徒になって、その道の研究者である西村義樹に教えを請うという形の対談本なので、これは見逃すわけにはいかない。面白い例文が次々と飛び出してきて、退屈する暇はない。
     「雨に降られる」とは言うが、「財布に落ちられた」とは言わない(これは、「間接受身」とか「迷惑受身」と呼ばれる)。
     「嘘」は、広辞苑では「真実でないこと」とあるが、「嘘をつく」というのは「①事実でないことを言う、②発話者自身が事実ではないと思っていることを言う、③

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    2013年08月28日
  • 言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学

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    実に楽しく、明快で、かつ高揚感に溢れる一冊。異なる言語間の形式的差異を文化の違いに帰するだけの本ならいくらでもあるが、この本が読み手を連れて行く(←語彙的使役)場所はそれより遥かに深く鮮やかな色彩に満ちている。言語学者と哲学者の、どちらが主とも従とも、教師とも生徒ともつかないままの対談形式は澱みもなく、豊富な例とも相まって読み手の理解を大いに助けてくれる。「言語学」「哲学」などというと堅苦しいが、難解な所は全くなく、肩肘張らずリラックスして読める良書。巻末のブックガイドと索引も有難い。

    ところで何年か前、大学の農学部を舞台としたマンガが人気を博したことがあったが、その中で「かもす」という動詞

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    2013年07月10日
  • 哲学の謎

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    出会ったのは高校時代の現代文の教科書に載ってたことだったと思う、正直普通の人はこのレベルの疑問でいいと思う。自分も色々背伸びして少し難しそうなのに飛びついたりしたが純粋に疑問にもつこの段階が楽しいと思う

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    2013年05月27日
  • 無限論の教室

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    とある架空の大学ゼミのお話。
    小説形式で進行し、「無限」というものを数学者たちが如何に扱ってきたか、その議論の歴史、要点を教えてくれる。
    数学の専門知識がなくても楽しんで読める本だと思う。
    「無限とは何か?」に興味を持ったことがある人には絶対お勧め。

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    2013年02月19日
  • 哲学の謎

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    対話形式で書かれていて初心者にも分かりやすいと思う。
    いつも当たり前だと思っていることに疑問を投げかけてくれる。
    しかし参考文献が一切示されていないので、興味を持った人はより深く学ぶには自分で調べる必要がありそこは不便だと思った。

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    2012年12月19日
  • 無限論の教室

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     哲学的な話題で始まるがかなり数学的。タジマ先生が現代数学の常識とされる実無限を否定するところから論旨を始めるのが刺激的だった。結局可能無限か実無限かは読者の判断に委ねる形となるが、そこまでたどり着くのに、無限集合の濃度、ラッセルのパラドックス、ゲーデルの不完全性定理を通過するのでかなり難しい。その分読みごたえがある。
     どう考えても本の展開には関係ない、タジマ先生と男女二人の学生の雑談が本をなじみやすいものにしている。さすが今年度(2012年冬学期)単位がこない座禅の授業をやろうとした野矢先生らしい。

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    2013年03月04日
  • 論理学

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    論理学の仕組みが分かる内容。
    とても読みやすいはずなのに理解が追いつかないので、
    本来の論理学が持つ硬さを感じる。

    論理は何を説明しようとするのか、何を説明できないのか。
    そんな線引きまでしてくれている。

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    2012年11月02日
  • 無限論の教室

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    「可能無限」か「実無限」かをめぐる無限論。かなり、数学的には高度な話題だが、学生二人に講師の三人の対話形式で進み、なんだか分かったような気にはなれる。まぁ、まさに大学の講義でその議論の「さわり」を学んだというような感じだろうか。「可能無限」、「実無限」の議論を歴史的な感じで追っていき、最後は、ゲーデルで一応の落ちがつく。
    本書の形式としては、多分、『数学ガール』なんかが近いのだろう(といいつつ、こっちは読んでないが)。それが楽しめたひとなら、本書も楽しんで読めると思う。
    ところで、なぜ、ぼくは、そもそもこの本を手に取ったかが謎だ。数学には縁遠く、ちょっとした数学ネタ本ならまだしも、対話形式の新

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    2012年09月18日
  • 入門!論理学

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    記号論理学の参考図書。論理トレーニングも読んだのでその流れで。野矢茂樹氏らしくジョークを交えながら楽しく論理学の入口にに触れられる。
    論理とは非情な世界。「だから」という言葉のもつ重み。

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    2015年04月24日
  • 無限論の教室

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    ひと癖もふた癖もあるタジマ先生に導かれて、無限論の世界へ。
    大学時代、哲学の授業の教科書がわりになった本。
    無限論ってなにさ!?って遠い世界のことのように思っていた人でも、
    物語に引き込まれてしっかり楽しく学べる一冊。
    この授業、受けなきゃ損。

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    2012年07月07日
  • 無限論の教室

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    新書にしては珍しく物語調。控えめなライトノベルといった趣のある良書。

    意図的なのか、先生のキャラがやや陰険で素っ頓狂なのが徐々にツボに入った。『数学ガール』よりも読みやすくてコストパフォーマンスが高い。

    アキレスと亀、ゼノンのパラドクスを取っかかりとした「実無限」と「可能無限」の話は、示唆に富んでいる。

    本が好きな人ならば、読むことと書くことのあいだにも、「無限」を見つけるのではないだろうか。

    授業1コマが1話という形式で、全12話。この授業はぜひ受けておくべき。

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    2012年06月25日
  • 無限論の教室

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    もう最高。センス抜群。
    無限がなにかなんて「聞かれる前はわかってたけど聞かれた瞬間わからなくなる」ような例のアレ的なものだけど、突き詰めて考えていけばそれこそ話題としてもどこまでも広がっていく。
    自然数論自体魅力的なだけに、一つ一つのトピックスが面白く、けっこう頭を使ったりしてとても心地よい。しかも、田jおっとタジマ先生のどこかひねくれた立場が、いや全くもって健全だとは思いますが、分かったつもりになっているコチラの常識的ななにかを尽く粉砕してくれるのがとても良い。対角線論法に文句言う辺りちょっとハラハラしたりします。
    更には、3人の登場人物が妙に魅力的なんだよなあ。下手な小説なんかよりずっと面

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    2012年03月25日
  • 無限論の教室

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    笑える文章で楽しく読めますが、理解が難しかったので2回読みました。
    実無限派と可能無限派のせめぎ合い。結局勝ち負けはつかないのだけど、
    無限の捉えどころのなさというのを実感できました。

    √2やπ(パイ)は数字ではなく、その数を導き出すための法則である。
    すべての偶数を足したものは偶数ではない、自然数でもない。
    カントール的な考えでは人間が概念を作るのではなく、すでに存在している概念を発見することになってしまう。とか面白い。

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    2012年02月20日
  • 無限論の教室

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    無限について。
    この先生がうざい。

    でも、無限に対しての考え方をいろんな角度からわかりやすく解説してあり、最終的にゲーデルの不完全性定理まで持っていく。

    とても分かりやすかった。

    でも先生がうざい。

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    2011年03月28日
  • 論理学

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    2006.12.19。東京大学出版会だから難しいんだろうな、と思って読んだら、こんなにも分かりやすい本だったとは!と驚き(と言っても、後半につれて十分理解したとは言い切れないが)詳しい感想は後日書こう。

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    2009年10月04日
  • 論理学

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    おもしろい!の一言に尽きる。特に、「無門」「道元」のすっとぼけた対話が、ケケッと笑わさせられて勉強している気にならない。しかも、そのすっとぼけた質問が結構「痒い所に手が届く」ような質問で、役に立つ。練習問題や論題もたくさんあり、解きながら読み進めば、理解度がさらに向上するのかも。

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    2009年10月04日
  • はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内

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    平易な語りかけるような文体であるが、「考える」とは何かという根本的な命題を取り扱う骨太な一冊。

    論理的思考(ロジカルシンキング)が巷で喧伝されていた時代を思い出す。ビジネスに欠かせない能力で、論理的な判断ができないとヤバいよという煽りに焦らされていたあの頃。
    本書によれば、論理はあくまでことばの意味をきちんと捉えることであり、考えるとは論理によって現れる情報を問題に合わせ取捨選択すること。一緒くた理解をしていた私に新たな知識がインストールされる。考える素材が一つ増える。

    自分の頭で考える。苦手なフレーズだ。どんだけ1人でうんうん唸ってても光明は差さず自分の至らなさに辟易しては落ち込んでいる

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    2025年10月09日
  • 言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学

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    【星:4.5】
    哲学者として有名な野矢氏が生徒で、認知言語学者の西村氏が講師という形で、両者のやり取りを通じて、言語学、特に認知言語学とはどんなものなのかということを解き明かしていく内容。

    両者の会話形式で進んでいき、会話内容もわかりやすくなっているので、私のような言語学初めてみたいな人にとってのとっかかりとしては良いと思う。
    テーマとして挙げられている具体的内容も興味深いもので良かった。

    ただ、上記のようにフリーな会話形式で進んでいく形なので、「で、言語学とか認知言語学って結局何なの?」と聞かれると、「言語学は言語を研究する学問全般のことで、そのうち人間の認知という側面から研究するのが認

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    2025年07月19日
  • はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内

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    何をしていると言えるのか?改めて問うと難しいことを、軽妙な語り口で解きほぐす。
    爽やかな読後感。

    ・あることにチューニングされた状態。感じることに鋭敏になり、新たな関係、新たな意味を求めること。

    ・論理は手段であり、思考ではない。

    ・見えない枠と戦うこと。それを見えるようにしてくれるのは「変な」ひととの出会い。

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    2025年07月19日