あらすじ
「本気で伝えたい」「分かってほしい」――この本を貫くのは,教師が学生に論理学の魅力を届けたいと願ったその思いである.第Ⅰ部では記号を使わずに,日常の言葉の中で論理学の話題を取り上げる.そして第Ⅱ部では,記号を使ってそれを武器にしながら,現代論理学の基本的な体系である述語論理までを一望する.生活や仕事で論理的になりたいと思う人にもかならず役立つ一冊.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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Posted by ブクログ
論理学なる領域の学問があることを知らなかったが、昔、命題の対偶などはどこかで教わった気がする。こういった類の話をもっと突き詰めたものだが、かなり奥深い学問であることはわかった。最初の読む本としてはよいと思う。
Posted by ブクログ
記号論理学・数理論理学を学びたい人、どんなものが知りたい人、今まで入門書を読んでいまひとつ腑に落ちていない人は、この本をきちんと問題を解きながらゆっくり目に読んでみるといいと思う。問題のレベルもちょうどよく、多すぎないのもいい。
前半では記号によらず、論理学を日常のことばで言い換えるとどういうことになっているのかに焦点をあて、後半ではおなじみの記号を使ってその内容の解釈の仕方の基本中の基本を解説してくれる。「恒真式(トートロジー)」や
「全称(∀)・存在(∃)・単称」などいまひとつ納得できていないはぜひ。
Posted by ブクログ
【星:4.5】
論理学をとにかくわかって欲しい、そんな著者の熱意が伝わってくる。難しい論理学をとにかく分かりやすく説明してくれている。
著者の本は何冊かよんだが、その中でも飛び抜けてわかりやすい。まさに0からの論理学である。
ただ、個別の内容はわかりやすいのだが、ここで学んだことは具体的にどう生かせるのか、なんのために演繹というものを突き詰めて行こうとするのか、など論理学の目的みたいなものが掴めなかった。そこがちょっと残念。
Posted by ブクログ
大学生の頃から野矢先生の書いた論理学の本を読んできた。どの本にも豊富な練習問題があって、問題を解きながら理解が深められる。著者が東大から立正大学に移ってから、そこの学生を念頭において書かれたのが本書だという。これまでの本と比べると扱う内容が減って、説明がかなり分かりやすい。ボリューム自体も多くないので、タイトルどおりまったくの初学者にも読みやすいと思う。
大学の講義は半期15回で全30回。各章を一回の講義で解説するなら最後の31、32章はエキストラということか。この2つの章は本書の中ではなかなか難しい。
Posted by ブクログ
論理学をとてもわかりやすく説明した本です。かなり細かいステップを説明してくれているし、用語は繰り返し説明してくれるので、前に戻る煩わしさはほとんどありません。
後半は紙とペンを手に読むと理解しやすいと思います。
とはいえ、一度読んだだけではまだわかっていない部分もあるので、何度か読み直したい本です。
Posted by ブクログ
野矢先生の著作は以前にも読んだことがあり、論理についてわかりやすく書かれていた記憶があり、本作も手に取ってみましたが、こちらは一転、本格的な入門書、という内容。
丁寧に解説されており、論理学の初心者があたかも大学の講義を受けているかのように学習できるレベルではないかと思います。ところどころに挿入されている質問者と著者の掛け合いがなかなかおもしろく、読者が疑問に思うであろう点を先回りして解消する役目を果たしていると思いました。
Posted by ブクログ
タイトルのとおり、論理学の初心者に向けて基礎的な内容をわかりやすく解説している本です。
著者はすでに論理学の入門書として、『論理学』(1994年、東京大学出版会)と『入門!論理学』 (2006年、中公新書)の二冊を刊行しています。『論理学』は、いわば論理学を学ぶことによって見えてくる風景を解説した本で、論理学を学んでいるひとの副読本ともいうべき内容であり、『入門!論理学』は論理学の基本的な発想を縦書きの文章で説明している本です。一方本書は、論理学を学ぼうとするひとに向けて初歩的な内容をていねいに解説しており、さまざまなジャンルで見られる「入門書の入門書」に相当する本といえるように思います。
本書は大きく二部構成になっており、第Ⅰ部では記号を用いず日常言語を用いて論理学でおこなわれる内容を説明し、その後第Ⅱ部で論理記号が導入され、その用い方が解説されています。最後に、命題論理の完全性の証明の雰囲気をすこしだけ示して終わっています。
論理学をある程度学ぼうとするひとが、最初に手にする本としては有益なのではないかと思います。論理学の世界をちょっとだけのぞいてみたいという読者には、『入門!論理学』のほうが適しているのではないかという気がします。