行成薫のレビュー一覧
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ネタバレ初読みの作者さんの作品。
粗筋と題名から映画に関係して、若者のドッキリを題材とした明るい青春物と思いきや、良い意味で大いに裏切られました。
プロポーズ大作戦と、美女に接近していく展開が長年温められていた展開に繋がるとは!
破滅的なマコトの最期があの映画のセリフと同じだったときの衝撃は凄かったです。あのシーンが思い出されしばらく読む手が止まってしまいました。
ヨッチが何となく登場しなくなってからは展開が想像できるところはありましたが、男二人が普通ではない世界で思いを募らせる生きて行くのは、悲しいながらも3人の強い絆を感じました。
ハッピーエンドとは言い切れないですが、残されたキダちゃんが納得し -
Posted by ブクログ
これはもうプロレス好きとしては満点つけざるを得ない小説だと思う。試合場面の迫力、技の詳細や流れなど本当の試合が目の前で繰り広げられているようだ。プロレスファンは世間的には肩身が狭い。
今でこそプ女子などが認められて一般的なメディアでも取り上げられて来たが、私が子供の頃はプロレス好きというと好奇の目で見られた部分も確かにあった。この小説はプロレスに偏見を持っている人にこそ読んでもらいたいものだ。登場人物の小林虎太郎の母(大のプロレス嫌い)が虎太郎に言うプロレスに対する偏見は、世のプロレス嫌いの人を代弁しているのだろう。虎太郎がそれに対して言う言葉はプロレス好きが世間に対して言うべき答えともなって -
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年始に流行り病にかかって以降、味覚と嗅覚障害に悩まされ食欲不振に陥っていた中、食事を楽しむリハビリにと思って手に取った一冊。
おいしい!を前面に押し出す食事本ではなく、食べることの手前にある気持ちと作り手の熱い思いの交差するあたたかいお話ばかり。無理に感動させにくる感じではなく、それでも生活は続いていく…っていう温度感がすごくやさしくて良かった。
緩やかに登場人物がクロスする5つの連作短編の中で、特に『おむすび狂詩曲』が好きだった。おにぎり ではなく おむすび なのがポイント。
その単語だけで手で結ばれた丸いフォルムと湯気の残る温度感が脳裏に浮かぶし、ふっくらしたお米が頭の中でほどける感じが -
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ネタバレ・エンドロールというと、黒い画面に白いフォントで出演者の名前がつらつらと流れてくるのに寂しい感じがする。それは、これまで華やかだった映画の世界から一転、単調的に流れてくるエンドロールの対比からくるものなのか。この作品は、フィルムカメラを通して物語を読んでいる、そんな感じがした。だから、全体的に乾燥してるような、寂しい感じがしたのかもしれない。
・書評にこの作品はハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか、どちらとも言い切れないとあった。確かにそうだと思ったが、プロポーズ大作戦が成功したこと、マコトは天国でヨッチに指輪を渡せたことを考えるとハッピーエンドなのかと、、。 -
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春「YOLO」、夏「夏の鉄板前は地獄」、秋「サンクス・ギビング」、冬「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」の季節ごとの4編と、その間をつなぐおむすび屋さんの掌編からなる、ごはんに因んだ短編集。行成薫のごはん小説として3作品目らしいのだが、いきなり本作から読んでしまった。しかも、今の季節感からいって春って気分じゃないなぁと思って秋の話、「サンクス・ギビング」から読み始めてしまった。フランスのシェフ・クロエの手がけるオーベルジュの在り方と地方の人々との関わり合い方がとても良い。いい話だなぁと読み進めて、「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」の重さにびっくりした。小さな漁港で生きる冬美という女性の20代
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Posted by ブクログ
ネタバレかなり面白かったし、読後感もさわやか。だが、物語の作り方は「名もなき世界のエンドロール」と同じように色んな時間軸を行ったり来たりして少しずつ真相を読者に伝えていく。この作風が続くと、この作風しか書けないのか勘ぐってしまう。面白かったけど。。。
ミツルと成瀬と海斗がどういう経緯で今対峙することになっているのかが、次第に明かされていき、終盤はページをめくる手が止まらなかった。海斗は成瀬の策略にハマらないで欲しかったけど、成瀬は既に王様で、それに比べると海斗は普通の人ということだから、仕方ないのか。
友達のために命をかけるミツルの生き様は真似できないけど憧れる。青春時代を思い出す良い話だった。