行成薫のレビュー一覧

  • 名も無き世界のエンドロール

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    初読みの作者さんの作品。
    粗筋と題名から映画に関係して、若者のドッキリを題材とした明るい青春物と思いきや、良い意味で大いに裏切られました。
    プロポーズ大作戦と、美女に接近していく展開が長年温められていた展開に繋がるとは!

    破滅的なマコトの最期があの映画のセリフと同じだったときの衝撃は凄かったです。あのシーンが思い出されしばらく読む手が止まってしまいました。
    ヨッチが何となく登場しなくなってからは展開が想像できるところはありましたが、男二人が普通ではない世界で思いを募らせる生きて行くのは、悲しいながらも3人の強い絆を感じました。
    ハッピーエンドとは言い切れないですが、残されたキダちゃんが納得し

    0
    2023年02月14日
  • 立ち上がれ、何度でも

    Posted by ブクログ

    これはもうプロレス好きとしては満点つけざるを得ない小説だと思う。試合場面の迫力、技の詳細や流れなど本当の試合が目の前で繰り広げられているようだ。プロレスファンは世間的には肩身が狭い。
    今でこそプ女子などが認められて一般的なメディアでも取り上げられて来たが、私が子供の頃はプロレス好きというと好奇の目で見られた部分も確かにあった。この小説はプロレスに偏見を持っている人にこそ読んでもらいたいものだ。登場人物の小林虎太郎の母(大のプロレス嫌い)が虎太郎に言うプロレスに対する偏見は、世のプロレス嫌いの人を代弁しているのだろう。虎太郎がそれに対して言う言葉はプロレス好きが世間に対して言うべき答えともなって

    0
    2023年01月13日
  • 名も無き世界のエンドロール

    Posted by ブクログ

    企みに溢れたミステリだった。映画化もされているから知る機会がある人もいたであろう。新人の作家が出てきたと喜ぶべきだし物語も驚きに満ちていた。途中まであの彼女はどうした?男二人の関係性は何なんだと混乱もあるけど、ラストの種明かしで解決する様は素敵だ。切なかったなぁ…。

    0
    2022年12月12日
  • 本日のメニューは。

    c

    購入済み

    ほっこり

    何でもやっぱり気持ちからなんだよな!
    キッチンカーよかった

    0
    2022年08月26日
  • スパイの妻

    Posted by ブクログ

    最高。ドラマや映画よりしっかり細かいところまで描かれていて綺麗に始まり綺麗に終わる。久々に「うわあ、よかったなあ」と思えたし、人に勧めた。浮かぶ情景がなんとも綺麗で絶望的だった。

    0
    2021年07月07日
  • バイバイ・バディ

    Posted by ブクログ

    デビュー作『名もなき世界のエンドロール』を読んだとき、すごく悲しくて 大泣きしました。
    今作も それに通じるものがあります。
    登場人物たちが 高校生だとは思えないほどに 内容がハードなので、読むのがしんどい部分もありますが。
    「寂しい」を体現した小説。

    0
    2021年06月03日
  • スパイの妻

    Posted by ブクログ

    自由。
    自由を追い求めることこそが生の理由である。
    そんなことを突きつけられたような感情になる一冊だった。

    多くを語らずとも、自由という一言で物語の全貌を思い出せるほど鮮明に、色鮮やかに、心に残るストーリーだった。



    本当に面白かった

    0
    2021年02月11日
  • スパイの妻

    Posted by ブクログ

    読み終わった時、周りに人がいたから堪えたけど1人だったら泣いていたと思う。
    類似した小説は読んだことがない。すごい。

    0
    2021年02月01日
  • KILLTASK

    Posted by ブクログ

    ノワールミステリー単行本。
    罠に嵌められ、データとして存在しない裏の世界で助けられて「狙撃手」として生きることになった主人公。
    戸惑い、悩み、裏切られ、支えられ成長してゆく物語。
    生きる為に嘘と偽りで覆い尽くされた社会に対し、心の在り方、真実を見定めるよう迫る良作品。
    気づいていないだけで本当にあり得る世界かも知れない…
    読後、なかなかさわやかです。

    0
    2020年12月27日
  • できたてごはんを君に。

    Posted by ブクログ

    各短編の登場人物が絡み合って、最後に一つのテーマに収束していくのがよかった。
    本日のメニューは。を読んでから間があいていて、細かいことは忘れてしまっていたので、すぐに読めばよかったと思った。

    0
    2025年11月15日
  • KILLTASK

    Posted by ブクログ

    心優しい殺し屋たちのほのぼのストーリー、かと思えば、お話は実はかなり複雑で、ちよっと複雑すぎないか?と思わないでもない。でも芯のストーリーはやはり「悲しみに裏打ちされた優しさと強さ」に収斂し、読後感は良い。以前にも感じたのと同じく、やはり、設定や言葉選びが伊坂幸太郎的な雰囲気は拭えず、そこは行成さんの小説がずいぶんと損してるところだな、と思う。ふとした言葉遊びは楽めた。
    人間らしさとは?に悲しい皮肉を感じた。

    0
    2025年11月15日
  • バイバイ・バディ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    かなり面白かったし、読後感もさわやか。だが、物語の作り方は「名もなき世界のエンドロール」と同じように色んな時間軸を行ったり来たりして少しずつ真相を読者に伝えていく。この作風が続くと、この作風しか書けないのか勘ぐってしまう。面白かったけど。。。

    ミツルと成瀬と海斗がどういう経緯で今対峙することになっているのかが、次第に明かされていき、終盤はページをめくる手が止まらなかった。海斗は成瀬の策略にハマらないで欲しかったけど、成瀬は既に王様で、それに比べると海斗は普通の人ということだから、仕方ないのか。
    友達のために命をかけるミツルの生き様は真似できないけど憧れる。青春時代を思い出す良い話だった。

    0
    2025年11月03日
  • おいしい季節がやってくる。

    Posted by ブクログ

    前の2作がおもしろかったので、3作目もいただきました。
    1作1作はもちろんおもしろいけど、登場人物が思わぬ形でリンクして感動。
    おむすび交響曲のラストは、人と人との不思議な巡り合わせに温かい気持ちになること間違いなし。
    フィクションとはわかりつつ、現実にもこういう、自分たちでは気づいていないだけの、運命的な出会いがたくさんあるのかもしれない。そう思いたいなと思った。
    とにかく豚汁が食べたくなる!!
    具沢山の豚汁とおいしいおむすび!
    これからの季節にぴったり〜
    豚汁を食べるたびに、すてきな女性のことを思い出すだろうなぁ。

    0
    2025年11月02日
  • 名も無き世界のエンドロール

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ドッキリを仕掛けるのが生きがいのマコトと引っかかってばかりの主人公は幼馴染の親友。社長になったマコトの史上最大のプロポーズ大作戦はストーリー自体もドッキリでとても切ない。

    0
    2025年11月01日
  • 本日のメニューは。

    Posted by ブクログ

    美味しいニオイに満ちた短編集。美味しいものを食べることは人を幸せにする。贅沢なものとは限らない、美味しいものを食べさせたいという作り手や届ける人の気持ちが美味しいものの根底にある。登場人物が他の話にも出てくるのも、それぞれの話のつながりを感じさせてよかった。おむすび狂詩曲が一番心に残った。

    0
    2025年10月31日
  • おいしい季節がやってくる。

    Posted by ブクログ

    それぞれ季節の中で、料理を作る人に焦点を当てたお話たちでした。間に挟まるおむすび屋さんの話も人と人を繋ぐようなお話で、どれも熱く、心が温かくなる。
    たとえ料理を作る動機が始めは利己的なことだったとしても、食べてくれる誰かを思うことで作り手の心に温かなものが宿っていく様は、とてもグッときました。
    とくに、『おむすび交響曲』内で度々登場する「おむすびは人と人とを結ぶもの」と言う言葉が心に響きました。
    おむすびは日本人なら誰でも馴染みのある食べ物で、簡単に作れるようで加減が難しく、シンプルなのに奥深い食べ物だと思います。
    それが作中でも登場人物たちを繋いでいき、どんどん「美味しい」という幸せの輪を広

    0
    2025年10月27日
  • パパたちの肖像

    Posted by ブクログ

    面白かったです。母親も父親も等しく育児は一年生。母親目線は想像できるけど父親だとそうなるのかと。突拍子もなかったり的外れだったりにニヤリと笑ってしまう。真摯に取り組んでいるからこその笑いが漏れてしまった。どのパパさんたちも素敵でした。

    0
    2025年10月22日
  • おいしい季節がやってくる。

    Posted by ブクログ

    油の匂いにまみれた暖簾をくぐると、
    そこには労働の汗が立ち昇っている。

    飲食店は、作家にとって
    市井の人々を味わい深く描く舞台装置だ。

    皿の縁に残るソースの跡まで、
    人生の伏線に見えてくることがある。

    それは、意味を欲しがる人間の癖。
    ちょっと面倒くさくて、でも愛らしい。

    誰もが気づかぬまま、
    その癖をそっと育ててきたのだ。
    社会の片隅で、自分自身の物語を
    静かに煮詰めながら。

    意味なんて、あとから付いてくる。

    作家とは、その「あとから」を
    少しだけ先回りして拾う人たちだ。

    そして読者は、その一杯の描写に
    自分の物語の匂いを感じてしまう。

    0
    2025年10月21日
  • パパたちの肖像

    Posted by ブクログ

    7人の作家さん、みんなパパ作家さんだったとは。
    皆さん、ちゃんと子育てされてきたのかなと思える作品ばかりだった。
    子育てがテーマの作品で父親目線のものは少ないけど、男親ってこんな風に感じていたのかと新鮮な気持ちで読んだ。
    帯にも書いてあるように、この作品は「令和パパの心の声」なんだそう。夫婦で一緒に子育てするのが前提で書かれているところが、令和っぽい。
    いい意味で時代が変わってきたなと嬉しくなった。

    0
    2025年10月19日
  • できたてごはんを君に。

    Posted by ブクログ

    ふわっとろの金白が、狐色のカツを
    やさしく包み込む。

    揚げたての衣は、サクッ…じゅわっ…
    出汁を吸って、旨みの泉へと沈んでいく。

    小ネギがパラパラッと彩りを添え、
    湯気とともに立ち昇る三つ葉の香り。

    ご飯のひと粒ひと粒に染みる幸せ──

    あら、今日はカツ丼の気分じゃない?
    うーん、じゃあ、やりなおし。

    玉ねぎが飴色にとろけるころ、
    鍋の中では静かに魔法がはじまる。

    トマトの酸味と赤ワインの深みが出逢い、
    牛肉は、ほろり…と崩れる柔らかさに。

    黄金に輝くルゥが器に注がれる瞬間、
    花束がほどけるように、
    スパイスの芳香が鼻先に咲きこぼれる──

    え?カレーでもない?
    うーーーーん、なら

    0
    2025年10月19日