行成薫のレビュー一覧

  • おいしい季節がやってくる。

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    「本日のメニューは」「できたてごはんを君に」に続く3冊目の短編集。
    タイトルから想像できるようにどれも美味しそうなものだらけの3冊です。
    そして今作もまた温かい人情が感じられます。
    母から子へそして孫へ。繋がる想い。
    血の繋がりは無くても、想いのこもった食を通して繋がる温かさ。
    色々な温かい人と人との繋がりが読めます。
    美味しい豚汁が飲みたくなりました。

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    2025年10月15日
  • 本日のメニューは。

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    忙しい母が作ってくれる
    お弁当の中身はいつも同じで、

    内心、「またこれ?」って
    うんざりしてた高校の頃。

    友だちのお弁当は彩りが綺麗で
    可愛くていいなって思ってた。

    湯気に包まれて台所に立つ母の背中。
    無骨で大きかった、あのお弁当箱。

    年頃の女の子らしくない
    ぎっしり詰められた白いご飯。

    今ならあの重みが、
    お腹をすかせないようにという
    母の愛だったんだとわかる。

    メンチカツ。卵焼き。
    あとは昨夜の残りものが少し。

    読みながら思い出して、
    ふと、また食べたいなって思ったら
    思いがけず目の奥が熱くなった。

    今では、私が娘に卵焼きを焼く日々。

    いつか、娘も思うのかしら。
    「また食

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    2025年10月14日
  • おいしい季節がやってくる。

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    ネタバレ

    料理を作る人と食べる人、それぞれのドラマがあつて読み終わったあとはおいしいご飯を食べられることいつも自分を支えてくれる人へ感謝の気持ちを感じさせられた。

    特にマイ・ハート・ウィル・ゴー・オンという章は、亡き夫が好きだった豚汁が巡り巡って誰かを救っている話で、豚汁を作った奥さんはかなり困難な状況だったけど、豚汁を作って自分を奮い立たせ、またそれが誰かを救っているという繋がりに感動した。

    他の章でもおいしいそうな食事が出てきて、どれも食べたくなってくるお話ばかりだった。食べることは生きること、というように人生と食事は密接に関わっていると思う。ただ栄養をとるだけではなく、時に食事は自分自身を支え

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    2025年09月30日
  • 彩無き世界のノスタルジア

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    暴力団の事務所に単身乗り込み、自分と組長にガソリンをかけ、土下座しろと言う交渉屋キダ。この状況でタバコに火をつけてほりなげるなんて頭の線が切れているとしか思えない。

    生きることに何の意味もなく、世界がモノトーンにしか見えないと言うキダ。

    このモノトーンの世界が、敷き詰められたモミジの絨毯の上を軽やかに走ってくる彩葉によって色のある世界に戻るまでの話。この対比が美しい。

    話の筋は全く違うが、映画のLEONを思い出した

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    2025年09月29日
  • パパたちの肖像

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    行成さんのが読みたくて手に取ったけど、本当に面白かった…2年前に私も出産し、夫と育児をしているけど、うちの夫はきっとおっぱいでないこと嘆いたこともないし、出そうと思ったこともないだろうな笑。純粋な気持ちが可愛くて切なくて読んでよかったーってなった

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    2025年09月24日
  • スパイの妻

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    信念を貫きたい気持ちもわかるけど、そういう人は誰とも大切な関係を築かずに、頑張って欲しいと思ってしまう。面白かったが何とも切ない。

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    2025年09月21日
  • おいしい季節がやってくる。

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    何故か自分が全肯定されたような 感じで涙がこぼれました。 なんでだろ?
    とても 良いお話でした。このシリーズ大好きです!続編を心から期待しています。

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    2025年08月30日
  • パパたちの肖像

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    ネタバレ

    子育てにも、家族の形にも、正解はない。そこに子供への愛情があれば十分だと思う。ただ、子育ては大変すぎて、実際にはそんな綺麗事でまとめられないだろう。夫婦ですれ違い、親子でもすれ違う。それでも、愛情を持って、誰にも何にも縛られず、自分たち家族の生活が続けられるよう必死に進んでいくしかないと改めて思った。

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    2025年08月27日
  • 明日、世界がこのままだったら

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    狭間の世界と過去の2人の世界が交互に進んでいく。
    7つの大罪を章に。
    狭間の世界と現代のストーリーもリンクする。
    上手い。面白い。
    中盤でおおよその内容は分かってしまうが、ワタルとサチのお互いを想いやる気持ちが切なくて、、、。
    本のタイトルも読む前と読み終わりで感じ方が変わる。
    初めて読む作家さん。
    機会があれば他の本も。

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    2025年08月16日
  • おいしい季節がやってくる。

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    料理関係の物語りにありがちな、やや大袈裟な部分は有りつつも、手軽に読めて、短編毎のストーリーに繋がりもあって、素晴らしいエンタメと思った。

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    2025年08月06日
  • おいしい季節がやってくる。

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    短編集ならではの、少しずつお話が繋がっているのがお気に入りポイントです。
    特に好きなお話はマイ・ハート・ウィル・ゴー・オン。
    美味しいご飯が食べられることを当たり前と思わず、1回1回の食事を大切に生きていきたいと思いました。

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    2025年08月03日
  • 明日、世界がこのままだったら

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    生と死の狭間の世界で出会ったワタルとサチのお話
    内容的にティーン向けかな?と思ったけど、前半と終盤の展開が丁寧にリンクされていて、おとなも楽しめると思いました

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    2025年07月28日
  • おいしい季節がやってくる。

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    ごはん小説シリーズ3作目。

    今作も前作にも登場の人たちが「食」に拘り「食」で人を繋げて美味しい料理を提供し、みんなが幸せに感じる短編となっている。

    ○YORO〜キッチンカーを経営している綱木が、お世話になった料理人・前沢の孫娘のためにオムライスの作り方をレクチャーし、ついにはキッチンカーでもオムライスを…。

    ○夏の鉄板前は地獄〜大学の同級生の地元で海の家でバイトをすることになった海夏人が、焼きそばを作り続ける。夏だ!これこそ夏!そして焼きそばはテッパン!

    ○サンクス・ギビング〜TV番組でADを務める野村千秋が、オーベルジュを取材することになり同行した先に実家(パセリ農家)があって…。

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    2025年07月17日
  • できたてごはんを君に。

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    「本日のメニューは。」からの繋がりも発見できて楽しめ、さらに「食」のこだわりもバージョンアップしつつ、人との関わりも濃密になっていく。

    ○ほほえみ繁盛記〜夫の死後、ひとりで切り盛りしていた女将さんが、見た目がオムライスのかつ丼を生み出した理由は…。

    ○スパイスの沼〜キッチンカーを綱木に任せて店舗を持った井上が、品数を増やすために考えたのはカレーで、スパイスの沼に入り込み…。
    (ロコ・モーションのその後…井上に娘が誕生して現在、妻のお腹には第2子が)

    ○オンリーワン・イズ・ナンバーワン〜贔屓にしていた『らーめん味好』のマスターが亡くなり、愛好家仲間から引き継ぎを提案された西山すみれが、マス

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    2025年07月17日
  • 本日のメニューは。

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    「食」をテーマに日常から起きた食べることのそれぞれを描いた短編集。
    表紙のおむすびも美味しそうで…迷わずに手をとった一冊。
    美味しそうな描写だけではなく、食べたくなり、作ってみたくなる、そして涙腺も緩む人情物語でもある。

    ○四分間出前大作戦〜入院している父にラーメンを食べさせたい兄弟に協力したのは…。

    ○おむすび狂詩曲〜メシマズ母のマズメシを回避して『おむすび・結』に通う女子高生。

    ○闘え!マンプク食堂〜ボリュームたっぷりでおかわり無料は、店主の思いから始まった。

    ○或る洋食屋の一日〜50年間継ぎ足して作ってきたドミグラスソースに対するシェフの思い。

    ○ロコ・モーション〜会社を辞めた

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    2025年07月16日
  • 本日のメニューは。

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    ごはんにまつわる短編作品

    ほっこりしたい人におすすめの本。

    ごはんって元気にする力があるよね
    作る側も食べる側も

    今日もありがたく食事をいただこう。

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    2025年07月11日
  • おいしい季節がやってくる。

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    おいしい季節をむぐる物語・・・

    改めて思うが、ご飯物の小説はいいです。
    今回は季節をテーマにしつつの短編です。
    個人的にはどれも好きな話でした。選べない安定感がありました。
    でも、最後の『マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン』も泣きそうになりました。

    料理に対する人達の思いや熱意などもすごく感じました。
    また、一つのことが沢山の人達を巻き添いにして大きくなる。
    それがまた、爽快で面白いです。

    自分も心から誇れるもんを好きで仕方がないもんを見つけたいものです。

    「本日のメニューは。」シリーズは心が温かくなるので好きです。
    でも、恥かしい話が「本日のメニューは。」読めていません。
    近いうちに読

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    2025年06月07日
  • おいしい季節がやってくる。

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    春のオムライス
    夏の海辺の鉄板焼きそば
    秋のフレンチ
    冬の豚汁
    季節の変り目におむすび交響曲

    ある季節になると食べたくなるもの?
    懸命に作られたものは美味しくて優しい?

    思い返してみる「おいしい」って言われたことは?……… やっぱり ないか……


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    2025年05月27日
  • ジンが願いをかなえてくれない

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    どの短編も空気感が良い。お気に入りは、会社の屋上でランチ仲間のスーツくんと出会う「屋上からは跳ぶしかない」。YUDOUFUの装画も大好き。表題作の女子高生2人、この短編の先で最強の2人になるんだろうなー

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    2025年05月08日
  • 稲荷町グルメロード

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    食と人情の話。
    こういうの弱いんだよなぁ。

    寂れた商店街をなんとか蘇らせようと若者が奮闘する。
    飲食を扱う店をメインに据えることで、他と差別化を図る。
    でも、その飲食店も色々と問題を抱えていて…

    いい作品だった。出てくる食べ物はどれも美味しそうだった。

    若者が奮闘する姿も、それによって前進する人たちもみんないいなぁ

    サーモンの話が特に良かったな

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    2025年04月01日