行成薫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ【収録作品】
「ダディトラック」 外山薫
「俺の乳首からおっぱいは出ない」 行成薫
「連絡帳の父」 岩井圭也
「世界で一番ありふれた消失」 似鳥鶏
「息子の進学」 石持浅海
「髪を結ぶ」 河邉徹
「そういう家族がそこにある」 カツセマサヒコ
それこそ多様性を認め合うことが大切だと思わされる。自分の意識も更新しないといけない。
家族の形に正解はない。
今うまくいっていても将来的に良い関係が続いているとは限らないし、どんなに大切に育てたつもりでも思うとおりに子どもが育つわけではない。
せめて、今自分ができる最善と思うことを誠実にするしかないのだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「YOLO」
前作から続くリック、ナンシー、綱木の話。
綱木が新たなステージに進むと感じの話で
飲食店の個人営業の大変さなんかも知ったけど
当の本人たちが仕事が楽しいからと言い切る
姿がカッコよかったな。
「夏の鉄板前は地獄」
地方の海の家って大変そうだけど、
それでもなんだこの人はと思ってた海の家の
オーナーの考えにすごく共感?同意?
たしかにこういう人がいないと地方都市って
どんどん寂れていくし、お客さんが少なった
からといって海の家がなくなっていったら
それもきっかけの一つとしてどんどん
その地域が寂れていっちゃいますもんね。
この話を読むまで海の家なんて
ぼったくりだと信じて疑わなか -
Posted by ブクログ
今日も町のごはん屋さんで笑って、泣いて、食べよう。
入院中の父に中華そばを出前したい二人の子どもと、変わり者の大人たちが起こした奇跡(「四分間出前大作戦」)。マズメシ母に悩まされる女子高生と、おむすび屋の女性店主の愛情(「おむすび狂詩曲」)。底なし大食い男の葛藤と、デカ盛り定食を作り続ける頑固親父の秘めた過去(「闘え!マンプク食堂」)。熱々の美味しい料理と、それを取り巻く人間ドラマに食欲も涙腺も刺激される、5つの極上の物語。(紹介文より)
ーーーーーーーー
シンプルに読みやすくて面白かった。
とくにおむすび屋のお話は、自分も子どもがいる分、ただのグルメ小説ではなく
親子関係が気になる短編だった -
Posted by ブクログ
ドッキリストのマコトに、いつもしてやられるビビリストの俺。楽しい高校時代の描写から一転、やさぐれた三十過ぎの俺が、押しボタン式の横断歩道を横断している。そして物語は、その半年前、十三年前、七年前、十年前、十六年前と前後し、間に断片を挟みながら、マコトと俺、それからヨッチという、小学生のころに転校してきた女の子の物語は全貌を表してゆく。
構成が素晴らしかった。ネタバレすると、だいぶ早いうちに大人になったヨッチが出てこないので、死んでるんだろうなというのがわかる。が、三人とも、親に恵まれず、親戚の家などに引き取られた子供という共通項があったため、ヨッチの死の原因は、家族関係だと思っていた。そして -
Posted by ブクログ
四季をテーマに食がメインの短編。
物語の中間に差し込まれるおむすび屋さんが前半の物語の後日談になっていて楽しめたし、おむすびの具も美味しそう。
しかもとん汁の話にも繋がっていて、巡り合わせの運命の締めくくりとしてしっかりと決着した終わり方だった。
個人的には夏の焼きそばの話が好み。ひと夏の恋と情熱があって海に行きたくなってきたな~。ゲレンデ飯とかもそうだけど、ああいう所の食事って割高だけど、疲れてる体に染みる。
ジビエの話も破天荒なクロエさんに振り回されるスタッフのバタバタした物語だったけど、ジビエのルーツや料理人としての視点を垣間見て少し勉強になった。
とん汁の話は切ない終わり方。しかしお -
Posted by ブクログ
女子高生が呼び出したランプの精が
なんだかんだ屁理屈を言って
願いをかなえてくれなかったり。
独身中年おじさんがひょんなことから
ダンスゲームバトルに参戦したり。
派遣女子の没コミュな毎日に
ブラック企業に勤める若者がすれ違ったり。
ごくフツーの旦那の姿が自分にだけ
推しのイケメンに見えるようになった主婦が
このトキメキどうする!?って悩んだり。
妻へ手紙を書きたい老人を
ネットでサポートする男性に
つらい記憶のふたを開ける時がきたり。
息子とキャッチボールしてやれない父親が
その理由を語る気持ちになったり。
こういうテイストの物語、好き!
小さな行動によって、未来がちょっとだけ