行成薫のレビュー一覧
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仕事だけでも大変なのに、当たり前のように家事・育児との両立が求められる令和のパパ。大変でないはずがない。
女性活躍の必要性が叫ばれるようになり、日本型雇用慣行のもとで、女性が育児と両立しながら働き続けることの難しさは、広く認識されるようになってきた。だからこそ、女性が働き続けるためには男性の育児参画が不可欠だという流れは、ある意味で自然なものだと思う。
一方で、男性にとっては前例のない大きな負荷が課されているにもかかわらず、それが「当然のこと」として求められている側面もある。(かくいう私自身も、夫にそれを求めている一人だ。)
こうした本を通じて、「パパも大変なんだ」「それでも頑張っているんだ」という認識が、もう少し広がっていくといいと思う。
あえて言うなら、長時間働いて疲れ切っている中で、家庭でも責められ、「自分だって頑張っている」と感じているパパ像が描かれたらもう少し共感が得られるのでは、とも思った。 -
Posted by ブクログ
パパ作家7人による家族の物語。
著者たちも、日々こういうことを考えながら家庭と向き合って奮闘しているのかと思うととても興味深かった。
当たり前だけど「父親」と言っても、いろんなタイプがいる。本作に登場するのも、妻の負担を軽減するためおっぱいを出そうと奮闘する父親から、息子が一人暮らしする家を用意周到に内見する超真面目な父親までさまざまだ。でもどの父親も一生懸命でかっこよかった。
子育てでは母親の大変さがやはり前に出てきやすいし、それは事実だろうけど、父親も妻との家事育児分担や周りの余計な言葉、自分の仕事など、たくさんのものに追い詰められ追い込まれて、こりゃ大変だなぁと感じた。
本当に他人の家庭のことに口出しして自分を正しいと信じて疑わない人っているよね〜!笑
でもどの父親も、一番矛先が向きやすい妻を悪者にして終わらせずに、むしろ懐の大きい素敵な奥さんだと感じる終わり方でとてもよかった。
私が特に好きなのは「髪を結ぶ」と「そういう家庭がそこにある」。男女問わず、子どもがいる人もいない人も全員に読んでほしい作品。 -
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ネタバレ【収録作品】
「ダディトラック」 外山薫
「俺の乳首からおっぱいは出ない」 行成薫
「連絡帳の父」 岩井圭也
「世界で一番ありふれた消失」 似鳥鶏
「息子の進学」 石持浅海
「髪を結ぶ」 河邉徹
「そういう家族がそこにある」 カツセマサヒコ
それこそ多様性を認め合うことが大切だと思わされる。自分の意識も更新しないといけない。
家族の形に正解はない。
今うまくいっていても将来的に良い関係が続いているとは限らないし、どんなに大切に育てたつもりでも思うとおりに子どもが育つわけではない。
せめて、今自分ができる最善と思うことを誠実にするしかないのだろう。 -
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ネタバレ「YOLO」
前作から続くリック、ナンシー、綱木の話。
綱木が新たなステージに進むと感じの話で
飲食店の個人営業の大変さなんかも知ったけど
当の本人たちが仕事が楽しいからと言い切る
姿がカッコよかったな。
「夏の鉄板前は地獄」
地方の海の家って大変そうだけど、
それでもなんだこの人はと思ってた海の家の
オーナーの考えにすごく共感?同意?
たしかにこういう人がいないと地方都市って
どんどん寂れていくし、お客さんが少なった
からといって海の家がなくなっていったら
それもきっかけの一つとしてどんどん
その地域が寂れていっちゃいますもんね。
この話を読むまで海の家なんて
ぼったくりだと信じて疑わなかった。
いやいや鉄板の前で死にかけながらも
無心で焼そばを作る海夏人、何だかんだ
いっても自分で作ったやきそば一つでもひとに
美味しいって言ってもらえるだけでもうれしい
よねって思える話だったし、海夏人の機転で
出来た海鮮塩焼そば絶対おいしいですよね。
「サンクス・キビング」
パセリは飾りじゃない!親子の距離をぐっと
縮めてくれた素敵なスペシャリテを作る
パワフルなフランス人シェフと日本人が
忘れがちな「いただきます」やシェフとの
つながりでその地域が少しずつみんなが
いい方向へ向かっていく話でした。。
「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」
愛する人を亡くし元々だったがただの
作業と思って作っていた豚汁を
愛情を受けられない子供にだた美味しく
食べてほしいとこころこめて豚汁を作る
ちょっといいシーンだった。そしてその縁が
まわりまわって冬美のところに届いた時は
ちょっとジーンときました。
人生を変えるほどの「豚汁」、そして
すごく大変だったろうけど素敵な生涯だな。
各話の間の「おむすび交響曲」が各話を
絶妙につないでいたり、話のその後を
ちょろっと覗き見ている感じや
各話のそこそこキーになる話なんかも
描かれているので面白かったです。
何だかんだとここで話がいい方向に
急展開している気もしましたね。。
そしてここでも「豚汁」がつなぐ縁、
おむすびは 人と人とを むすぶもの、
そしてつながった縁、ほんとに全体を通して
こころがほっとするいいお話ばかりでした。 -
Posted by ブクログ
今日も町のごはん屋さんで笑って、泣いて、食べよう。
入院中の父に中華そばを出前したい二人の子どもと、変わり者の大人たちが起こした奇跡(「四分間出前大作戦」)。マズメシ母に悩まされる女子高生と、おむすび屋の女性店主の愛情(「おむすび狂詩曲」)。底なし大食い男の葛藤と、デカ盛り定食を作り続ける頑固親父の秘めた過去(「闘え!マンプク食堂」)。熱々の美味しい料理と、それを取り巻く人間ドラマに食欲も涙腺も刺激される、5つの極上の物語。(紹介文より)
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シンプルに読みやすくて面白かった。
とくにおむすび屋のお話は、自分も子どもがいる分、ただのグルメ小説ではなく
親子関係が気になる短編だった。 -
Posted by ブクログ
ドッキリストのマコトに、いつもしてやられるビビリストの俺。楽しい高校時代の描写から一転、やさぐれた三十過ぎの俺が、押しボタン式の横断歩道を横断している。そして物語は、その半年前、十三年前、七年前、十年前、十六年前と前後し、間に断片を挟みながら、マコトと俺、それからヨッチという、小学生のころに転校してきた女の子の物語は全貌を表してゆく。
構成が素晴らしかった。ネタバレすると、だいぶ早いうちに大人になったヨッチが出てこないので、死んでるんだろうなというのがわかる。が、三人とも、親に恵まれず、親戚の家などに引き取られた子供という共通項があったため、ヨッチの死の原因は、家族関係だと思っていた。そして、マコトが現在交際している社長令嬢かつモデルの女へのプロポーズが文字通りでないことも、読んでいてわかる。どういう結末を迎えるのか、とても期待させられた。そして、かけがえのない仲間だった三人の、たとえばコーラを噴出させて笑ったり、海をながめたり、ナポリタンに山盛りの粉チーズとタバスコをかけたりという、ささいな日常を、この世界に刻んで留めておきたいという思いに、胸が熱くなる。
これが新人賞受賞のレベル。応募時から変更されたタイトルも、編集者の仕事ということなのか、センス抜群だなあ。 -
Posted by ブクログ
四季をテーマに食がメインの短編。
物語の中間に差し込まれるおむすび屋さんが前半の物語の後日談になっていて楽しめたし、おむすびの具も美味しそう。
しかもとん汁の話にも繋がっていて、巡り合わせの運命の締めくくりとしてしっかりと決着した終わり方だった。
個人的には夏の焼きそばの話が好み。ひと夏の恋と情熱があって海に行きたくなってきたな~。ゲレンデ飯とかもそうだけど、ああいう所の食事って割高だけど、疲れてる体に染みる。
ジビエの話も破天荒なクロエさんに振り回されるスタッフのバタバタした物語だったけど、ジビエのルーツや料理人としての視点を垣間見て少し勉強になった。
とん汁の話は切ない終わり方。しかしおむすびととん汁が繋いだ縁が続いていて微笑ましかった。