あらすじ
初香は契約すれば3つの願いをかなえてくれるというランプの魔人“ジン”と出会い、高校一の美少女・マリカと入れ替わりたいと願うが(「ジンが願いをかなえてくれない」) 四十三歳の誕生日を実家の部屋で中学からの仲間と過ごしたケンゾー。罰ゲームで「渋谷駅前で目隠しフリーハグ」をすることになったケンゾーは(「子供部屋おじさんはハグがしたい) スポットライトが当たらなくても、私たちの人生だって唯一無二!
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Posted by ブクログ
行成さんの作品は初めてでしたが、こんなにも読みやすいのかと驚きました。これから他作品も読みたい!
6章で構成される短編集で、読み手によって共感できる章が異なりそうです。
個人的に一番共感できるのは1章ですが、5.6章が感動的でした。
Posted by ブクログ
表紙の絵に惹かれて何気なく手に取ったのだけれど、すっごい良かった!
どれも変化に富んでいて、無理なく納得のいく展開で、そして明るく希望のある終わり。ほっこりする。
作者の作品初めて読んだが、こんな人がいるなんて知らなくて驚いた。
青山美智子作品が好きな人にはオススメしたい。
yudouhu氏の装画はものすごく良いのだが、逆にこの装画とタイトルで敬遠される場合もあるのかもしれない。私はここに惹かれたが。
1.ジンが願いをかなえてくれない
初香はマリカと入れ替わり、戻り、マリカの体の傷は消えた。そしてジンは人間に。最後の文にズキュン。打ち砕かれた。
「せめて手ぐらい繋いだっていいじゃん、と思うのに、ジンは願いをかなえてくれない。」
2.子供部屋おじさんはハグがしたい
最初の文、てっきりケンゾーは既婚者だと思ったら空想だった、というのはわかりにくかった。公園で若者たちにダンス見せるシーンは最高。ケンゾーが変わっていくのが嬉しい。最後にコハルに負けてしまうけど、ハグされたっぽい終わり方が良い。
3.屋上からは飛ぶしかない
最後にまさか久美だけ跳ぶとは思わなかった。
スーツ君は結局最後まで名無し。
4.ユキはひそかにときめきたい
夫のリュウイチも同じ薬を手に入れていることは想像できた。しかし、ユキの20年前の姿を設定しているというのは想定外。圧倒されて、固まった。
すっごい良い話に思えた。
5.妻への言葉が見つからない
妻へ感謝を伝えたことのない老人が、事故で妻子を失った男からラブレターの書き方を教わる話。
悲しい話だが、清々しい。
6.パパは野球が下手すぎる
パパ透がプロ野球選手だったのは想像できたが、経緯は想像を上回った。マンガ「メジャー」や、日大アメフト事件を思い出した。親子3代それぞれの気持ちが伝わってきて、とても心地よい。まとまっていて良い話。
Posted by ブクログ
女子高生、中年男性、派遣社員、主婦、在宅ワーク男性、元プロ野球選手を主役にした6つの短編集。
文章が秀逸で読みやすく、いろんな感情が楽しめます。
私は「屋上から跳ぶしかない」で手に汗にぎり、「ユキはひそかにときめきたい」で私自身がときめきたい人を誰に設定しようかなと想像してキュンキュンしてしまいました。
どの話もとても良かったです。
全話お勧めです。
Posted by ブクログ
毛色の違う短編6話。読みやすい。
「ユキはひそかにときめきたい」では、妄想が捗ってたまらなくなるし、なんかちょっとウルってくる話しもあるしで、全話面白い短編集だった。
Posted by ブクログ
全部良かったという他の方のレビュー見て、ホントに?って思ってたらホントだった❗️表紙見て女子高校生もの?って思ってたけど、色々な世代に響く短編6つ。ぜひ色々な方に読んでいただきたい。幸せは身近にあるのね。
Posted by ブクログ
短編集ですが、全て面白かったです。
タイトルの物語について、皆さんがご存じのアラジンに出てくる魔神も人間味は最高ですがこちらの魔神もまた違った意味で最高です!
Posted by ブクログ
全部が面白い短編小説ってなかなかないんじゃないかな。6作それぞれがすごく、本当にすごく面白くて、しかも新しい。また時間空いたら読み直そうって思えるほどすごく好きだった。
Posted by ブクログ
どの短編も空気感が良い。お気に入りは、会社の屋上でランチ仲間のスーツくんと出会う「屋上からは跳ぶしかない」。YUDOUFUの装画も大好き。表題作の女子高生2人、この短編の先で最強の2人になるんだろうなー
Posted by ブクログ
良い話だらけで、共感できる話も多い。
ジンが願いをかなえてくれない
→ジンは最終的に彼氏かなんかの比喩話かと思いながら読み始めてみれば、本当に魔人だった。そして良い人。
子供部屋おじさんはハグがしたい
→ダンスゲームに取り組む子供部屋おじさん。真剣に取り組むうちに、色んな人と関わったり容姿も変わったりいつの間にか捻くれた性格も改善が。1番共感し、1番好きな話。
屋上からは跳ぶしかない
→ビルからビルへ。人間関係で距離を感じても、ちょっと歩み寄れば意外と大したことないものである。言葉を交わして仲良くはなるが、この話の中で下手に2人がくっつかないのが良かった。
ユキはひそかにときめきたい
→ときめき!欲しい!
妻への言葉が見つからない
→感動系。恋人や死者に対してでなくても、現状報告でもなんでも、手紙を書くこと自体で自身の心の整理ができそう。
パパは野球が下手すぎる
→なぜパパはキャッチボールを嫌がるのか。この話だけは野球やスポーツはそんなに好きじゃないのもあり共感は微妙だったが、話として悪くなかった。
人にすすめたくなる1冊になった。
Posted by ブクログ
叶えてくれねぇなぁ!ジン!!本当になかなか叶えてくれない、気遣いが辛い!!!短編集だからそれ以外もあるけど、ジンが本当に叶えてくれないのが1番面白かった!
Posted by ブクログ
6話収録。ファンタジー要素があったり今どきの言語感満載だったりと一見突飛に思えたが、ストーリーそのものは至ってオーソドックス。若者向け風な装丁の雰囲気とは裏腹に結構万人受けするかもしれない。私もじゅうぶん面白かった。お気に入りは『ジンが魔法をかなえてくれない』→アラジンの魔法のランプの類似品をゲットした女子高生。精霊は意外と融通が利かず、お金も美貌もかなえてくれない。さあ、どうする?『屋上からは飛ぶしかない』→わりと結末が読めるストーリーが多いなか、この話はハラハラしたし臨場感もバッチリ。
Posted by ブクログ
様々な世代、様々な人々の日常のままならない部分に焦点を当てた短編集である。
文章が上手いだけでなく、構成も実に良い。読んでいて情景や、登場人物たちの関係がスっと頭の中に浮かんでくるのだ。
ここに描かれているのは大きな夢でなく、ちっぽけな夢だが、そのどれもが胸に迫る。なかなかによい短編集だった。
Posted by ブクログ
「ジンが願いをかなえてくれない」
「子供部屋おじさんはハグがしたい」
「屋上からは跳ぶしかない」
「ユキはひそかにときめきたい」
「妻への言葉が見つからない」
「パパは野球が下手すぎる」
独立した6話収録の短編集。
全話面白かった。
自分に自信を持てない女子高生、43歳・独身で実家住まいの中年男、通称『子供部屋おじさん』、ブラック企業で苦しむ男性社員、ときめきを求める主婦、想いを言葉にして伝えたい二人の男性、過去の後悔を引きずる夫。
どの物語の主人公も身近に感じられ、脳内でクリアに映像化された。
読後感の良い粒揃いの短編集。
Posted by ブクログ
女子高生が呼び出したランプの精が
なんだかんだ屁理屈を言って
願いをかなえてくれなかったり。
独身中年おじさんがひょんなことから
ダンスゲームバトルに参戦したり。
派遣女子の没コミュな毎日に
ブラック企業に勤める若者がすれ違ったり。
ごくフツーの旦那の姿が自分にだけ
推しのイケメンに見えるようになった主婦が
このトキメキどうする!?って悩んだり。
妻へ手紙を書きたい老人を
ネットでサポートする男性に
つらい記憶のふたを開ける時がきたり。
息子とキャッチボールしてやれない父親が
その理由を語る気持ちになったり。
こういうテイストの物語、好き!
小さな行動によって、未来がちょっとだけ
良い方向に変わった気がする
絶妙なハッピーエンド感がいいわ。
Posted by ブクログ
色んな要素の詰まった短編集。
読みやすい。
『屋上からは跳ぶしかない』
平凡にだけどなんとなく生きてきた派遣の女性が会社のビルの屋上で¥に行ったことがきっかけで、ブラック会社のスーツ君と出会い、ビルとか人間関係とかを跳びだすお話。
『妻への言葉が見つからない』
妻娘を事故で亡くしてしまい、生きる屍と化していた文章通信添削の男性が、ある老人の妻への手紙の添削仕事をきっかけに、もう一度生きてみようとするお話。
が好きだった。
正直、ストーリーとしては、特段目新しいわけではないけど、、、
一つ一つが、優しい気持ちになる。
ただ、短編特有?のハラハラとかモヤモヤとかドキドキとかが少ないかなぁなんて。
展開が予想の範囲内で物足りない感じ。
登場人物に感情移入するには尺が足りてなくて、ストーリー追うだけで終わっちゃう。
表題作『ジンが願いをかなえてくれない』のジンと彼女との距離感とか、『妻~』の先生と老人のチャットのやり取りとか、もう少し盛らないと唐突過ぎて、入り込めなかったのが残念。