星野智幸のレビュー一覧

  • 変愛小説集 日本作家編
    「恋愛」ではなく「変愛」…変わった形の愛が描かれたアンソロジーです。
    面白かったです。
    ディストピア文学が大好きなので、「形見」が好きでした。工場で作られる動物由来の子ども、も気になりますが、主人公の子どもがもう50人くらいいるのも気になりました。色々と考えてしまいます。
    「藁の夫」「逆毛のトメ」「...続きを読む
  • 呪文
    自分は役に立たない、自分はクズだという思い込みは多くの人が持っている。
    図領の意見は最初は正しい。
    ー理不尽なクレーマーに屈してはいけない。毅然として戦う。
    その軌道が少しずつ逸れていく。
    ークレーマーや人に迷惑をかける者は失格だ、クズだ。クズの使命は何か。積極的に前向きに死ぬことでこの世の中をよく...続きを読む
  • 俺俺
    軽いノリから意外と深いテーマへ。
    この作家の作品は初めて読みましたが、非常に洒落た作品だと思いました。
    途中の流れはこれ必要?という点もあったけど、
    思いついた自身のテーマをドヤ顔で描き切った感じが、
    非常に好感持てました。

    秀逸です。
  • 俺俺
    映画をみてから興味を持って読んでみました。主人公のおれおれぶりが活字の場合、また違った勢いを伴っていて面白かったです。
  • 変愛小説集 日本作家編
    いくつか読んだことがある作品も収録されていましたが、今までの愛に対する見方を思いっきり揺さぶられる一冊であることは間違いなし。
    どれもこれもお勧め?
    「韋駄天どこまでも」は漢字遊びの要素なので、編者も書いているように翻訳は超絶技巧が必要だなぁ。
    単行本にしか収録されていない作品があるそうなので、単行...続きを読む
  • 俺俺
    ありえない、と一蹴することもできる反面、いままさに、そんな現実に直面しているとも言えるのではないか。
  • 俺俺
    ファーストフード店で、たまたま隣り合った男が携帯を「俺」のトレイに置き忘れていった。なんとはなしに、その携帯の持ち主になりすまして、その携帯の持ち主の親からお金の振込もしてもらい、俺俺詐欺のような話になったところで異変が起きる。金を振り込んでくれた「親」がアパートにやって来て、まるで最初から「俺」が...続きを読む
  • 俺俺
     出来心で詐欺を働いた日から増殖していく俺。始めは元の自分が何者であるか分かっていたのに、次第に記憶も曖昧になり、いつの間にか別人の名前を語り、別人の記憶と境遇を生きている主人公俺がとても不気味だ。
     他者を心の中で疑いながら自らの役割を演じているというのは怖いけど、同じようなことを日常的に行ってい...続きを読む
  • 俺俺
    パラレルワールド系の話かと思ったら全然違った…あんまりSFを楽しむって感じじゃなくてちょっとお説教臭い感じ。大人になったらまた読みたい。
  • 俺俺
    テンポのよい文章に、読むほどにスピードが増してくる。
    それは、何も考えさせず、読むことそれだけに集中させるための著者の故意なのかもしれない。
    あそこにも俺、そこにも俺、ほぼ俺。
    実はそれは心地のよいものではなく、俺自身が俺によって翻弄される。
    オレオレ詐欺からカジュアルに始まった物語は、想像以上の展...続きを読む
  • 俺俺
    もっとオレオレ詐欺をこねくりまわす話を想像していたが、オレオレ詐欺はほんの導入なのですね。
    話はどんどん『世にも奇妙な物語』に…。だんだん俺が増えて、俺の口で語られる記憶も別の俺に浸食されるがごとく変わっていくしで、読んでるこちらも「あれっ?そうだったっけ…」と混乱させられる。
    ただ、途中放棄するど...続きを読む
  • われら猫の子
    どれも好きな話だけれど、特に「紙女」がよかった。
    紙であることがどういうことなのか、言葉を書くということがどういうことなのかについて考えさせられる。
    すべてが終わったあとに書かれたこの話を紙に印字された本という媒体によって読むことを思うと、渦巻きにはまっていく気がする。
  • ファンタジスタ
    おもしろかった。
    ユニフォームじゃなくてマルチフォーム、最高。
    スポーツがもたらす一体感が閉塞感を伴うことがあざやかに表現されていて、読後も満足感があった。
  • 無間道
    『無間道』

    「右へ行こうか右へ行こうか、まっすぐ右へ進もうか、
     待てよ、右へ行く道があるかもしれない、
     探してみよう、ほらあった、一緒に右へ行ってみよう」

    「いずれにしても、いつだって俺は思い込まされており
     その思い込みの自分から逃れることは決してできないのだ」

    『煉獄ロック』

    「かけ...続きを読む
  • 毒身
    家族なんてどう構成されようが自由で、いてもいなくてもいいのかもしれない。
    「孤独」「独り」について改めて考えさせられた。
  • だまされ屋さん
    長く積み重なった家族の歴史を、こんなに短い期間で『あなたも頑張ってた。苦しんでた』って家族に言える様になるのかなぁ…と思った。大人になってから振り返ってその意味がわかった時、改めてショックを受けるし、初めは蘇った負の感情を受け止める事しか出来ないよなぁと思う。
    影響を受ける事は、洗脳なんだと言われる...続きを読む
  • だまされ屋さん
    どの家族にも何かしらのわだかまりとか、自分なりに誰々のことを考えてこうしてきたとかっていう暗い黒い部分は存在してて、でも大人になると改めて全てを曝け出して話し合う機会も必要性もないからそのままになってることってあるよなぁと読みながら少し苦しくなった。
    ミサトや夕海みたいな全くの部外者が入った方が、こ...続きを読む
  • 変愛小説集 日本作家編
    普段、ほとんど読むことのない現代の日本人作家のアンソロジー。
    興味深く読んだ。
    もとは、深堀骨 の作品を読んでみたかったから手に取ったが、どれもなかなか良かった。ありそうでない話というファンタジーというか、不気味な話が多い。恋愛要素はどれも少なく見えるが、一応恋愛ものという括りらしい。

    一作だけ、...続きを読む
  • 焔(新潮文庫)
    荒唐無稽の物語が続き、人類滅亡、破滅が語られると思いきや、パラレルワールドのような世界、そして、次なる未来、『焔』の周りの景色が一気に変わったことが、面白く、まさか、こんな清々しい気分で読み終えるとは思わなかった。
  • 植物忌
    今までにない感覚の小説。ファンタジーなのか?フィクションであり得ない話なのに妙にしっくりくる。人間という物で繋がっているからだろうか。