星野智幸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ俺が携帯を盗んだことにより、俺は別人として扱われる。
自分の実家へ帰ると、そこには俺がいた。
そして、知らぬ間に俺は、別人として生き始める。
そして、俺が次々増殖し始める。
俺は、俺らとつるむことにより、初めて俺を必要とされていると感じ、生きている意義を見いだす。
いつの間にか、周りは俺だらけになり、・・・
この本の広告で当初俺俺詐欺に絡めて宣伝されていたと思う。
読み始めて、俺がどんどん増殖して行く場面は面白く、どんどん読み進められた。
が、物語は、増殖した俺が俺俺詐欺に関係するのかと思っていたが違った。
また、俺が増えていくというのは、シュールな世界ではあるけれども、シュールレアリズムと -
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Posted by ブクログ
寂れゆく商店街に現れた若きリーダー図領。商店街を再建すべく、廃業店舗には若い働き手を斡旋、独自の融資制度など店舗側に立った様々な施策を実行。頭脳明晰、巧みな弁舌、スマートな容姿、カリスマ性をもって、たちまちにして人心を掌握、一躍商店街の実力者となる。
ある日図領が経営する飲食店に、一人の客が来店。不当な扱いを受けたとトラブルに。怒りは収まらずネットに投稿するや炎上。それは図領の店にとどまらず商店街にも波及。来街者は激減。図領の辣腕ぶりをよく思わないアンチ図領の幹部らは好機と見て反転攻勢に。窮地に陥った図領はトラブった客に対し、ネット上で極めて冷静かつ理性さを保った反論を展開。それが功を奏し「 -
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Posted by ブクログ
なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまう俺。
気付くと別の俺に。上司も俺、母親も俺、俺ではない俺、俺俺。見渡す限り、俺だらけに。
ある日、家に帰ると知らない人間、いや俺がいた。どう見ても俺にしか見えない。他人なのに俺だ。いや、俺なんだが他人だ。そして、母もそれに気づいていない。
右も左も俺だらけ。やがて、俺が俺同士を削除し合う。肉体を切り刻み、俺同士がその人肉を食べ始める。しかし、俺が淘汰し合うとその先には...
初めて読む著者だが、衝撃的な一作でした。
アイデンティティの崩壊かー。荒唐無稽ではあるが、随分と哲学的というか厨二病的というか。
精神異常犯罪者とかこんな感じだろうなと思っていたら、やは