あらすじ
「植物」を題材とした短編10編に書き下ろし1編を加えた植物小説集。アイビーを頭皮に植えて着飾るうちに植物化する人間、植物たちの蜂起やテロにさらされる人間社会。ヒトが植物の世界に取り込まれていく虚構に、現代社会への痛烈な批判を込めた意欲作。
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Posted by ブクログ
著者初読み。
植物雑誌に掲載された植物絡みの短編集。
ラジオ「高橋源一郎の飛ぶ教室」でテーマの植物関係本の紹介繋がりで著者の「スキン・プランツ」に興味を持って。
正直、初めて知る作家さんでしたが、今まで知らなかったことが悔やまれる。
あとがきも一つの短編に組み込まれている不思議感。
星新一に近いジャンルだともいえるけれど、いや別種?のような新鮮さ。
この感覚、読まないとわからない!
おいおい別作品をゆっくり読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
短編が10.最初の「避暑する木」を読んで、意図がつかめなかったので、「あまりの種― あとがき」を読んでみると、作者の思いが何となく分かったと感じたので、最初から読み返した.植物化する人間がテーマではあるが、発想が飛んでおり、出てくる言葉も異様だ.「からしや」のコンセプトが全体にはびこっている感じだが、個々の作品自体は独立している.題名も飛んでいる.「ディア・プルーデンス」「記憶する密林」「スキン・プランツ」「ぜんまいどおし」「植物転換手術を受けることを決めた元彼女へ、思いとどまるよう説得する手紙」「ひとがたそう」「始祖ダチュラ」「踊る松」「桜源郷」「喋らん」.理解の範囲を超えた発想には驚いた.
Posted by ブクログ
人と植物が融合(?)するような話がたくさん集まった短編集。最初はその世界観が不思議で入り込めないかも…と思ったけど、読んでいるうちに、実際にこういう人間っているんじゃ…?植物たちが人間を乗っ取ろうとしているのでは…?と思えてしまって、不思議な世界にしっかり入り込んでしまった。現代の世界ではたいてい、人間が植物を好き勝手使っているけど、それはどうなの…?と思わせてくれる。
Posted by ブクログ
短編集短編集11編と後書き。
植物に魅せられ、同化し、乗っ取られたり殺したり、植物への偏愛といろんなアプローチを描いている。「スキンプランツ」が良かった。
Posted by ブクログ
多重世界では、すぐ横に少しだけ違う世界がミルフィーユのようにあるとか?
植物と人間が溶けるように一つなる世界。
人間を養分として育つ植物の世界。
どの話も、人間より植物が地球に適応していくのに、全体に明るくて幸せで、植物に負けた感が無いのが、不思議なほどです。
Posted by ブクログ
私は好き。今まで意識していなかった、ただそこにあるのが当たり前と思っていた植物にも意思や目的があるのかもしれない。環境破壊で全ての動植物が滅びるより、植物と融合するのも幸せかもしれない。なんて考えさせられる。