村山由佳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
おいコーシリーズ完結。
1巻の『キスまでの距離』との出会いは高校の図書室でした。
それから考えても、長い時間が流れたなとしみじみ思います。
全19巻、最初から読み返したくなります。
いろいろな苦難を乗り越えて恋人になった二人なのに、最後の最後でこんな試練というか、大事件があるとは。
苦しすぎてつらすぎて、胸が痛くなりました。
目を背けたい逃げ出したいことが起こったとき、どう向き合うべきか、周りはどうするのがよいのか。
中沢さんの言葉、マスターの言葉、マリアの言葉。
心に留めておきたい言葉がたくさんありました。
タイトル回収も微笑ましく。
とても素敵な作品に出会えてよかったです。 -
Posted by ブクログ
上巻の方が苦しかった。下巻はある生き方の「行きつく先」を見せてもらった感じ。
・決して幸福な生き方とは言えないが、それでも今この生き方を選べる限り、奈津はそうするしかないのだろう。身体の熱を冷まし続けることと、自由を求めるのであれば、この結末しかあり得ないのかな。
・自らの「賞味期限」が来た時、奈津はどうするのだろうか。その頃に奈津が枯れ果てていれば良いものの、そうでなければ地獄だ。
・この生き様、この苦しみ、この悦びを作品に昇華できる奈津の才能は幸いだ。凡人はこの生き方に呑まれ、ただ身を持ち崩し、倦んで人生を終わるだろう。その意味で、非常に救いのある舞台設定である。これが無かったら、マジで -
Posted by ブクログ
時代を駆け抜け、28歳で虐殺された婦人解放運動家伊藤野枝の評伝小説。
名前だけは知っていたが、このように鮮烈な生涯を送ったとは。
冒頭の文章が、何を意味するのかと思っていたら、野枝の最期を象徴するものだった。
野枝を立体的に描き出すためか、野枝自身の視点で進んでいた文章が、章の始めばかりでなく途中でも彼女の周りにいるひとたちの視点で、突然綴られる。
ある時は代準介、ある時は辻潤、またある時は大杉栄と。さらに、堀保子に神近市子と、めまぐるしく変わる。
読み進める際に戸惑いを覚えたことも。
これもひとつの小説方法か。
題名は、野枝がいつか一筆頼まれていたときに書こうと思っていた言葉だとか。