山田宗樹のレビュー一覧

  • 存在しない時間の中で

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    ネタバレ

    『今のこの世界は、誰が何のために作ったの!?』

    難しい数学や物理の話が出てくるが、わからなくてもなんとなく雰囲気を感じれられればOK。科学→宗教→SFへと展開していくので、人により好みは分かれるかも… 10次元の世界、自分には想像できないけど、本当にあったら言ってみたいな〜

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    2022年07月16日
  • 聖者は海に還る

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     猫を殺し、腹を切り出すという異常行動をする11歳の男の子と母親が、カウンセラーの治療に訪れた。ロールシャッハ・テストにより少年の心の闇を見出したカウンセラーは、定岡療法と呼ばれる催眠療法により、その心の中にある狂気を凍結させ、心の奥底に沈めることに成功する。
    その少年は、その後、問題なく大人になり、天才的なカウンセラーになるのだが…

     個人的に好きな分野と言うこともあり、大変面白く、最後まで一気読みしました。現実にこんなカウンセラーがいたらなぁと思うと、ドキドキします。
    フィクションの面白さがぎゅっと詰まっています。

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    2022年06月09日
  • グッバイ マイヒーロー

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    山田宗樹『グッバイ マイヒーロー』ハルキ文庫。

    幻の名作『いよう!』の改題、文庫化。

    切なくて、悲しくて、心暖まる物語。幻の名作という意味がよく解る。

    子供時代に憧れる大人というのは、どこか危なっかしく、気ままに生きるアウトローみたいな人物が多い。そんなアウトローな叔父に人生の節目を掻き回される主人公……

    几帳面で真面目な堅物の父親を持つ主人公の哲彦は、父親とは全く正反対で、定職にも就かず、不真面目で自由気ままに生きる叔父の上原清治郎に憧れる。

    哲彦の人生の節目に『いよう!』という軽い挨拶と共に突如現れる叔父は哲彦を混乱に落とし入れながらも、温かい目で哲彦を見守る。

    寄りによって哲

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    2022年05月26日
  • 百年法 上

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    面白い!百年生きれてその後は死が待っている。それを選択するかは自由。そして、いざその日が近づくと人の心は揺れる。当然やと思う。そしてその死を回避しようとするズルい人間も当然居る。ドンドン読み進めてしまった。登場人物も魅力的であり、近未来的な設定なのに、今現在の腐敗した自己中な政治家たちは健在させている。いくつかの場面で次々登場する人たちがどこかで繋がって行く。その人たちの先を知りたくて読む手が止まらなかった。 
    引き継ぎ下を読むとしよ〜!

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    2022年05月15日
  • 存在しない時間の中で

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    山田宗樹先生の作品を読むのは『百年法』に続き二作目だけれど、フィクションに説得力を持たせるのが本当に上手だと思う。
    本作は理論物理学によって神の存在を肯定する、という荒唐無稽な設定なのだが、作者の知識と文章力によって完全に説得されてしまう。
    ストーリーを楽しみながら学問の面白さ、可能性も感じられる。素晴らしいSFだと思う。

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    2022年05月10日
  • 百年法 上

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    不老不死と百年から連想して、難しい法律や精神論を思い浮かべていました。
    読み始めると、政治に詳しくない私でもわかり易く、登場人物の
    苦悩や気概が伝わります。
    もし仮に人類が不老不死を手に入れたならば、きっと自分も考えるだろう生死論。
    読み終えて、こんなに満足したのは久しぶりです。
    おすすめです!

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    2022年03月17日
  • 存在しない時間の中で

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    『たしかにガリレオやニュートンは、宇宙の秩序の美しさに神を見ていたかもしれない。アインシュタインも、量子力学の不確定性を「神はサイコロを振らない」という言葉で批判した。だが、彼らが言及した〈神〉を〈自然〉と言い換えても、いわんとする意味は変わらない。アインシュタインが論じたのも、自然の仕組みに関してであり、創造主の趣味のことではなかった』―『第一部 第二章 クラウス実験』

    ジョン・L・キャスティの「ケンブリッジ・クインテット」のような小説なのかと思って手に取ってみた。数学の定理や物理の法則をテーマにした小説は割と好きなジャンルの本。小説を読む面白さは、読みながら色々な思考の連鎖が頭の中で発火

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    2021年10月23日
  • 人類滅亡小説

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    いかにもありそうな気候変動、大気異常を背景に繰り広げられる、胸を打つ群像劇。希望のありかと絶望のありかは隣り合わせで、自分の立ち位置によってその見方が変わる。あの「百年法」をも彷彿とさせる傑作だった。途中、テロリスト達のくだりでは中弛みな感もあったけれど、終わってみれば、途方もなく壮大なスケールにも負けないほどの個々人の想いとその営みの証の強さに感動してしまった。
    人生の美しさは、(こんなことに負けるもんか!)と足掻くことにあるのかもしれない。

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    2021年09月18日
  • 代体

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    近未来の日本を舞台にしたSF小説。人間の意識を義体(代体)に転送してしまう技術が開発されて、それが実用に移されるという、攻殻機動隊の如き世界だ。ただ、もっと現実感のある、現代に極めて近い親しみやすい世界ではある。義体ばかりでなく、意識を転送してしまって空になった肉体などというものが出てきて、おおという感じだ。とんでもない展開が待っていて、非常に面白い。しかし、思うに中心になるのは、究極の友情なのだ。人物描写もなかなかのもので、とても親しみやすい、しかも分かりやすいSFだ。こういうところは山田宗樹の持ち味なんだろう。

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    2021年04月25日
  • ゴールデンタイム

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    人それぞれ自分の人生、必死に生きるしかないんです。成功するか失敗するかは分かりませんが、それでもその時々に正直に真っ直ぐ生きるしかないんだろうなぁ。

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    2021年01月05日
  • 人類滅亡小説

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    ネタバレ

    長い!700ページオーバーの本書!!!

    空に微生物って本当に居るらしいのですが、本書ではソレが世界を滅ぼす原因となっている。

    物語は一世代で終わらず親から子へ子から孫へと物語が紡がれていく。

    本書に登場する『グレートエンディング』と言う考え方に嫌悪を感じる。
    人は他人の幸せを妬む、自分が最高の努力をしていると思う・・・
    グレートエンディングと言う言葉で人間の嫌な部分が描かれている。

    シールドポリス計画の頓挫については考える必要がある。一時の世論誘導により、得られる未来が目減りする危険性を考え行動し何かを支持する事の重要性を再認識した。
    『責難は成事にあらず』と言う言葉を思い出す!

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    2020年12月01日
  • きっと誰かが祈ってる

    購入済み

    朝6時に起きてゴミ捨てに行きました。戻って何気なく最初の1ページを開きました。生まれて初めて一冊の本を一気読みしました。

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    2020年10月26日
  • 代体

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    代体 山田宗樹

    人間はいつの時代でも不老不死を求めるものなのですね。「代体」とは代わりの身体器のこと。ある人(治療の必要な患者など)から、意識(魂)を抜き取り、ロボットの中で生かす。ただし、期間は1か月で終わり。長期間は機能的に無理みたい。法律で1人1体と決まっているで、肉体が死んでも意識だけでロボットを移り変わって永遠に生きることはできないが、まぁ、それは裏道というのか人間がやることなのである。発想は面白くストーリーも楽しい。でも、意識は取り出せないだろと思うので、リアリティは欠けるのです。

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    2020年02月27日
  • きっと誰かが祈ってる

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    山田宗樹氏の小説は随分読ませてもらいましたが、これはナンバーワンです。
    生後間もない赤ちゃんを我が子のように育てるマザー。2歳過ぎの一番可愛い時期に別れなければならない辛さは察するに余り有ります。
    最後は圧巻です。電車の中で読んではいけません、お家で読みましょう。

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    2020年01月14日
  • きっと誰かが祈ってる

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    久しぶりに読書で泣きました‥
    公共交通機関では、読んではいけません‥
    目が腫れます‥

    こんな仕事もあるんだと初めて知りました。
    1番可愛い乳児のお世話してたら、その子と離れるときなんて耐えられないだろーに。
    そんな辛い仕事も大変。

    実の親がいなくても、母親代わりのマザーさんが
    ちゃんと記録を残しててくれて、それを読み返すと愛情をたっぷりたっぷり受けたと思うよなぁ。

    思い出しても泣ける‥

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    2019年12月28日
  • きっと誰かが祈ってる

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    山田宗樹『きっと誰かが祈ってる』幻冬舎文庫。

    久し振りの山田宗樹。不覚にもラストで泣いた。

    今の世の中は一体どうなっているのか。親が子供を虐待し、時に子供を捨て、子供が平穏無事に成長すれば礼儀をわきまえない、冷たい大人になり……どこまでも悪循環のサイクルが繋がっていくように思う。

    様々な理由で実親と別れた赤ん坊が生活する乳児院で保育士を務める熱血漢の島本温子が主人公。或る日、温子はかつて自分が最初に担当し、無事里親に引き取られて行った多喜という女児のことが気になる。調べてみると、我が子同然だった多喜に不幸の影を感じる……

    本体価格580円
    ★★★★★

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    2019年12月10日
  • ギフテッド

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    発想が面白い。
    人類の進化形というか、人の想像を超えたものを目の当たりにした時の冷静さを失う人間の行動…

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    2019年01月06日
  • 黒い春

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    感染・発症すると致死率100%の奇病が各地で発生、日本をパニックに陥れる。感染源は何か?診断はできないのか、治療法はないのか?という医療関係者や研究者たちの闘い、謎に包まれた歴史的な出来事との関連や家族愛も絡め、読み応えのある長編。読みながら鳥肌、震え、目眩まで感じてしまう医療サスペンス。

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    2018年11月09日
  • 天使の代理人(下)

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    産むんじゃなかったと言われた過去のある中絶擁護派、外国のエリート達のバンクを利用し自宅で人工受精し障害どころか女の子であるというだけで中絶を希望する女性等、考え方がそれぞれしっかりと違い多角的な所がとても良い。脅迫、懲罰と加速する活動仲間、堕胎に立ち会う苦しさ。新米父の責任だけ素直に喜べなかった。

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    2018年10月12日
  • 天使の代理人(上)

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    後期中絶を含め沢山の胎児の命を奪って来た助産師の、胎児の代理人としての自費出版、テレビ出演、説得活動に、人違いによる中絶等。妊娠したアイドルへの産まなきゃ良かったと言う人に会った事がない等は綺麗事に思え、ネット掲示板の飄々とした中絶擁護派がある意味魅力的に描かれ相手よりも感情論でない気がして、複雑。

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    2018年10月12日