山田宗樹のレビュー一覧

  • 百年法 下

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    下巻では「百年法」を拒否する人々のコミュニティ、爆弾テロ、首相と大統領の確執、クーデータなどが扱われ、社会・政治的要素が強くなった。

    特に終盤は「どんでん返し」といってよいようなダイナミックな変化がいくつも起きるが、その都度、為政者としてどう対応するべきか、というところが描かれている。設定はSFかもしれないが、単なるエンタメ的などんでん返しで終わらない社会派小説である。

    個人的には、上巻に比べて哲学的要素が少なくなったことに物足りなさは感じたが、首相と大統領の関係性など、人間ドラマとしての見どころもあり、最後まで楽しめた。

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    2025年12月21日
  • 百年法 上

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    人類が不老不死を獲得した「もうひとつの日本」が舞台。不老処置後100年で死ぬべきとする「百年法」の是非をめぐるお話。ぶっ飛んだ設定ではあるが、思考実験といってもよさそうなリアリティがある。

    不老不死と聞くとユートピアのように思ってしまうが、社会的なレベルで考えると、そんなに単純にはいかないのだな。ユートピアにするのもディストピアにするのも為政者次第ということか。

    そして、ふりかえって現実の日本の高齢化・老害化をみると、これを単なるエンタメ小説として終わらせられない怖さもある。

    本文の前に「登場人物一覧」が出てきて身構えてしまったが、エピソードごとに視点が大きく切り替わるため、読んでいて混

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    2025年12月21日
  • 百年法 下

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    ネタバレ

    SFのはずなのに身に迫る現実感がすごい。
    上巻での後手後手に回りまくる日本の姿とか、存在しない事象を巡る話なのに説得力がありすぎる。
    ずっとみんながみんな自分だけの立場から身勝手なことばかり言っていて、まあそれが人間らしいと思ったしその集合体が国であり代表が政府だと思って読んでいたけど最後の最後に人のための決断をした国民たちの流れが希望的で素敵だった。
    個人的には牛島大統領と遊佐首相の確かに存在した絆がわかった時すごく胸熱だった。

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    2025年11月23日
  • 百年法 下

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    読み応えあり!パラレル日本の未来。
    登場人物が多く、時間軸も行ったり来たりするためなかなか頭を使う。
    ラストシーンには痺れて鳥肌が立った。ぜひ最後まで読んで欲しい。
    ちなみに、映像化するなら遊佐は長谷川博己のイメージ。

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    2025年10月10日
  • 百年法 上下合本版

    匿名

    購入済み

    すごい発想!こんなストーリーを生み出せるって、驚きです。本当に100年法があったらこうなっていただろうと思いました。沢山の人達の生きざまを見て、生きる事の大事さと切ない気持ちでいっぱいになりました。色んな考えがあり、暴走してしまう人達もいる。そんな時こそ政治の力は、トップに立つ人には独裁者でも国の未来を考えられる人が必要なんだと思いました。

    #切ない #深い #カッコいい

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    2025年07月19日
  • 人類滅亡小説

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    自分がこの状況になったらどうするか、どうなるか考えさせられた。
    最初は視点の移り変わりが早くて戸惑ったが、慣れてきてからは読みやすかった。
    最後の章も良かった。

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    2025年06月23日
  • 鑑定

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    ネタバレ

    さすが、あらすじからもう面白いです。展開や結末がどうなるのか飽きさせず中弛みすることなく読み終えました。終わり方も良かった。近未来モノを読みたいときは山田宗樹さんで間違いない。

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    2025年06月17日
  • 百年法 上

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    近未来の日本を舞台にした小説。
    実際に50年後ぐらいにこのような世界になってそう?
    少し覗き見している気分になれる。リァリティが凄い。
    人間の飽くなき欲望と寿命とはについて考えさせられる。

    下巻が楽しみだね。。。

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    2025年05月25日
  • 百年法 下

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    不老不死技術が導入され、施行後100年で生存権を手放さなければいけないSF小説
    日本も敗戦後に技術を導入して100年後というifストーリー

    以下、公式のあらすじ
    ----------------------
    不老化処置を受けた国民は処置後百年を以て死ななければならない―国力増大を目的とした「百年法」が成立した日本に、最初の百年目が訪れようとしていた。

    処置を施され、外見は若いままの母親は「強制の死」の前夜、最愛の息子との別れを惜しみ、官僚は葛藤を胸に責務をこなし、政治家は思惑のため暗躍し、テロリストは力で理想の世界を目指す…。

    来るべき時代と翻弄される人間を描く、衝撃のエンターテインメン

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    2025年04月02日
  • 百年法 下

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    人類が不老薬を手にしたら。。
    こんな未来になるのか分からないけど、自然の摂理に反することをする時はみんな慎重になろう。ってことで、国語の教科書にしてもいいんじゃないかとすら思いました。
    SFでありながらとにかくリアルな一冊。圧巻です。

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    2025年03月29日
  • 百年法 下

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    手術を受けることで不老不死が実現した近未来の日本。「生存制限法」とか設定がリアルで面白かった。
    人間は歳をとってだんだん衰えていくから、死を受け入れることができるんだよね。いつまでも若くて元気なままだったら、百歳になっても二百歳になっても死ぬのは怖いだろうな…。

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    2025年03月24日
  • 百年法 上

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    もし自分がこの世界線にいたらと考えさせられたと同時に、今ある時間や命、関わってくれる人を大切にしないといけないなと改めて思えた作品。生きる意味を考えさせられた。

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    2025年03月04日
  • 百年法 下

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    ネタバレ

    不老化の手段を手に入れた日本共和国が滅び、再建するまでの話。
    ぶっ飛んだ設定だけど、ディティールがしっかりしていて世界観に入り込めた。
    センチュリオンの北沢大佐が大統領司令ゼロ号を発動した時はアツすぎて鳥肌が止まらなかった。
    ケンの最後の演説が、現代を生きる自分にグッサグサに刺さって…
    安全圏から文句を言うだけの人間でいいのか?と深いところまで問いかけられたようだった。

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    2025年02月26日
  • SIGNAL シグナル

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    ネタバレ

    SFになるのかな。地球で受け取った、別の星からの何らかのメッセージを巡るお話。攻めてくるのか友好的な単なる合図なのか。そして私は朱鷺丘先輩(頭はいいがかなりの、いや超がつく変人)がとても好き!小説は、全てを書かなくちゃいけないわけじゃないし、そんなことしてたら読者の想像力とかいらなくなるのは承知の上で、
    朱鷺丘先輩のアナザーストーリーがとても読みたい。
    勿論、この「シグナル」に関連した人たち(今作の登場人物)にも興味はあるけど、ある程度ラストまでで気が済んでいる。
    あ、ライターになった芦川くん(一応主人公)は、このシグナル問題以降何を追うのかもきになるけど。

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    2025年02月09日
  • 直線の死角

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    山田宗樹先生のデビュー作^^
    読みやすくて何回も繰り返し読んでます。
    最近の山田宗樹先生の作風はSF系が多いような気がしますが、どの題材を選ばれてもそこで描かれる人間模様が面白いのが山田宗樹先生の真骨頂ではないでしょうか?大傑作とはいかないけども読み終わった後にじんわり心があったかくなる。そんな作品でした。ありがとうございます。

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    2024年11月25日
  • 鑑定

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    エモーションコントローラー通称エモコンを使った人間が、無自覚のまま殺傷事件を頻繁に起こすようになる。
    それはエモコンによる「夢の国」に執着する異常な精神状態に陥っていく作用があった。

    神谷葉柄が遠藤マヒルをストーカーする緊張感と、精神科医師の葛西幸太郎が分析する精神寄生体の診断が、物語を進めていく中でより深刻な場面に向かっていく。

    機械に操られるかのような物語は、スマホに対し執拗に依存する現代の様を揶揄するようである。
    小説の舞台もストーリーも緊張感があり楽しめた作品だった。

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    2024年11月10日
  • 鑑定

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    市長選候補者を殺そうとした犯人の精神鑑定を担当した葛西が感じた違和感。そして、自分とは別人格による無差別殺人という類似の事件の続発。葛西はそれらの共通点としてメンタルの不調を整えるエモーション・コントローラーを疑うが…。最後は少し肩透かしだったけれど作者さんらしい問題作。

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    2024年11月02日
  • 人類滅亡小説

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    地球が滅亡する過程で、人の選別があり、政治?に振り回される人々の話。世代がどんどん変わり、スポットライトが当たる人も変わっていく展開が私には斬新だった。なかなか面白く、他の作品も読もうと思った。

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    2024年10月25日
  • 天使の代理人(下)

    匿名

    購入済み

    複雑で悲しい気持ちに何度もなりました。けれど、途中からは気持ちがどんどん晴れてきました。
    最後は感動して涙が込み上げてきました。
    みんな子供を愛してる。

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    2024年10月24日
  • 存在しない時間の中で

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    ネタバレ

    私、701…覚えているわ…あれはそう…
    とは残念ながらならない。私は光の人でも周辺人物でも無いんだなぁ。

    科学と宗教とメタ認識のSF的融合。
    山田宗樹さんのSFをいくつか読んできて、中でも最も観念的な作品だと思うのだけれど、そういう作品に起こりがちな置いてけぼり感が殆どない。個人的にはもっと分厚くなっても良かったなぁと思う。観念的だからこそ丁寧な心理描写が欲しい。宗樹SFを好む者は分厚くってもついて行く。と、思う。
    エンターテイメントと言うほどの起伏は無い。ただ、自己認識が変容する不思議な作品だった。


    以降は感想とは呼び難い連想文章となります。



    消去された時間は巻き戻されるが同じ経

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    2024年10月08日