【感想・ネタバレ】鑑定のレビュー

あらすじ

精神科医・葛西幸太郎は、市長選の候補者に対する殺人未遂および放火の実行犯・犬崎理志の精神鑑定を担当していた。犯行を淡々と語る犬崎に、葛西はある違和感を抱く。精神状態が安定しすぎているのだ。犬崎の中に、本来の自我を麻痺させ、代わりに彼の精神を支配している〈なにか〉が存在するのではないか――。葛西が疑いを深める中、全国各地で不可解な動機による傷害・殺人事件が起こりはじめる……。心の奥底に潜む何かを見つけ、鑑定することはできるのか? 多くの書店員、書評家といった本読みのプロが激賞する衝撃の物語!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

さすが、あらすじからもう面白いです。展開や結末がどうなるのか飽きさせず中弛みすることなく読み終えました。終わり方も良かった。近未来モノを読みたいときは山田宗樹さんで間違いない。

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2025年06月17日

Posted by ブクログ

エモーションコントローラー通称エモコンを使った人間が、無自覚のまま殺傷事件を頻繁に起こすようになる。
それはエモコンによる「夢の国」に執着する異常な精神状態に陥っていく作用があった。

神谷葉柄が遠藤マヒルをストーカーする緊張感と、精神科医師の葛西幸太郎が分析する精神寄生体の診断が、物語を進めていく中でより深刻な場面に向かっていく。

機械に操られるかのような物語は、スマホに対し執拗に依存する現代の様を揶揄するようである。
小説の舞台もストーリーも緊張感があり楽しめた作品だった。

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2024年11月10日

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市長選候補者を殺そうとした犯人の精神鑑定を担当した葛西が感じた違和感。そして、自分とは別人格による無差別殺人という類似の事件の続発。葛西はそれらの共通点としてメンタルの不調を整えるエモーション・コントローラーを疑うが…。最後は少し肩透かしだったけれど作者さんらしい問題作。

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2024年11月02日

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ネタバレ

最後までどんな展開、結末になるのだろうと楽しませてもらいました。ありそうな世界観なのも魅力の1つでした。

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2025年06月03日

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さすが山田宗樹。やはり面白い!
引き込まれて一気読みした。
感情をコントロールできる機械、近い未来に誕生しそうな代物である。
コロナワクチンの闇も連想された。

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2025年05月09日

Posted by ブクログ

ギフテッドが良かったので、こちらも手に取って読んでみた。流石の安定感で今回も良かった。「氷の君」と「退屈男」はどちらも好きなキャラクター。
ストーリーの要でもあるアイテムのエモコン。現実社会でもこれに近いものは出現しているのだろうか...

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2025年05月04日

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ネタバレ

サイコ・ウィルス 精神的な感染症
表裏
バランス・天秤
光が強くなるほどに、闇も強くなる
負の感情
意識とは一体何か。

負の感情は用意周到、目の前の緊急時に思考Bが停止する。
それはつまり、より緊急時の思考・意識は、「良いもの」なのではないか。
ヒトは元来良いものである

思考が伝播するというのは、ウイルスである仮説
文化とは、ウイルスである。人から人へ感染する。
それは時の経過で死滅する、あるいは、変遷する?
共鳴変異、シンクロニシティ

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2025年03月03日

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山田ワールド楽しめた。独特の雰囲気、世界観。なんと今回は機械で負の感情抑え、罪悪感というブレーキをシャットダウンし凶行に走る人たち。その原因は精神寄生体、サイコウイルス。怖い話だけど、あり得るし、テンポがいいので暗くならず。

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2024年12月26日

Posted by ブクログ

SFの世界とはいえ、感情を勝手に操られ、殺人鬼に変貌していく人間の脆さに戦く。自覚無き《悪》こそ、社会の脅威だと実感。神谷葉柄が遠藤マヒルを庇う姿に、救われた。

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2024年11月11日

Posted by ブクログ

精神科医の葛西幸太郎が、ある事件の被疑者の精神鑑定をおこなうが、不自然さと何かしらの違和感を覚える。
この鑑定はどうなるのか…。

それと並行して、巷では「エモコン」を使用する人が増えていて…これが次第にとんでもないパンデミックへと。

現代人にとってストレスは少なからずあり、不調を和らげるために薬に頼ったりするわけで、それが進化したものが「エモコン」だとしても、誰がこの結果を予測できただろうか。
非現実的だとわかっているが、見えない恐怖になす術もないではないか…と。
心を操るものの怖さに怯えた。




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2024年09月30日

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人間のアイデンティティ・深層心理を考えさせられる異形の社会派ミステリー小説。次々と引き起こされる凶悪犯罪の裏にあるのは、エモーション・コントローラを起因にしたサイコウィルスに支配された人間の精神構造なのか。ただのフィクションと言い切れないぐらい近未来にありえそうなインシデントを深く静かに描く。これは究極のホラー小説なのかもしれん。

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2024年09月24日

Posted by ブクログ

精神家が出てきたり、感情に働きかけるような話が好きなので、あらすじを見て、面白そう!と思い読みました。
エモコン…確かに必要とする人はいそう。でも、怖いよ〜怖すぎるー…
理想的な機械すぎて手を出しちゃいけない領域だ
こんなの、薬物と変わらないんじゃ…

でも、自分でもどうしようもできない感情をもてあまして、辛くて、変えたい時あるよね。
この気持ちさえ乗り越えられれば、きっとうまくいくはずなのにって思うことある
でも、それができなくて、出口が見えなくて、しんどくて、そういう時にエモコンがあるなら、頼りたいのも分かる。
それで、依存しちゃうのもわかる…
だからこそ、存在しちゃいけないものだ

感情は私のものだ
自分でも、その時その時で自分の気持ちが分からないこともあるのに、そこに外部からの何かが混在してしまうと、自分って何??!ってなっちゃうよ

などと、読書を通してすごく考えさせてもらえて、楽しい時間、素敵なきっかけになりました!

とりあえず、我慢よくないな。
自分の機嫌は自分で取る。
うまいこと付き合っていかなきゃなーと改めて思いました。

あとあと、こういう精神疾患ありきの犯罪って裁くの本当に本当に難しいですね…

普段の生活の中では決して考えることのない事柄を真剣に考えたり想像する時間ができて幸せでした。

けど、話の内容は…まぁ、うーーーん。
とりあえず、怖い。怖かったです。
より、人混みや電車に乗るのが怖くなってしまった…
怖かったー

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2025年09月11日

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手塚治虫、筒井康隆、伊藤計劃そんな系譜を感じる作品(1人漫画家だけど偉大なストーリーテラーということで)。

最近は無敵の人によるテロ行為やフェミサイドが多く感じる。
そんな中で、このように感情や脳をコントロールする機械があれば怖いなと思ってしまうと同時に、精神疾患を治すことができれば一番良いのになと思ってしまう。
人の持つ加害欲、加害性のある性欲等を最初から機械で抑制すれば暴力事件は減るのに。

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2025年09月01日

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エモーションコントロール、通称エモコン。負の感情を抑制し、活力を漲らせる魔法のようなアイテム。しかし、代償も大きく!?
少し近未来的な話にも通じて、他人事ではないなと感じました。独創的な一冊でした。

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2025年03月11日

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エモーションコントローラーと言う常に安定した精神状態を保てる機器のユーザーらしき人達のテロ攻撃が日本のあちこちで多発する。加害者の精神鑑定を受け持った葛西医師の鑑定が主な柱で、それにまとわりつくように様々な人生を背負った人が現れる。場面の切り替えが早く、人物描写も其々しっかりしてて、妙に説得力あった

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2025年01月10日

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すべてを矛盾なくきれいに説明できるのなら、そしてそれ以外に説明する手段がないのなら、それは存在しなくてはならないんだよ

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2024年12月15日

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鑑定というタイトルから難しそうな内容なのかなと思いきや、体感2,3時間で読み終えちゃったような、でも内容が薄い訳でも全くなく、そんな近未来が起こってもおかしくないと想像し得る、没頭できる物語

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2024年10月24日

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感情をコントロールできる機械とそれによって起きる事件と翻弄される人々
作者お得意のSF感ある作品ながらこれまでの作品よりはリアリティ寄り

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2024年10月21日

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近未来ではiPadのようなエモーションコントローラーを身につけることで精神の安定が図れる時代であった。この小説はそうした精神を機械にコントールされた人類が、バグが生じたために起こる悲劇を書いている。
ひょっとして、iPadの中に潜ませたところでわかることもなく、既に物語は現代て進行し始めているのかもしれない。
そう考えると、とてつもなく恐ろしい小説である。突然変異で、ヒトヒト感染が起こったとしたら・・・

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2024年10月08日

Posted by ブクログ

気軽に気分が調整できるエモーションコントローラーが普及された世界。
イヤホンのようなデバイスで気軽に心が軽くなったりやる気が出たりするって、実際こんなのがあったら依存する人続出なんだろうなあ。
怖い…
エモコンを使った人が夢の国を妄想して、無差別殺人を犯したりどんどんおかしなことになっていく。
被疑者の精神鑑定を行う葛西医師が、真実に近づいていく過程がおもしろかった。

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2024年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

エモーション・コントローラー略してエモコン。鬱々とした気分のときでもこれを装着すれば、たちどころに明るい気持ちになれると言う。今のところ使ってみたいと思わないが、いつか使いたいと思う日が来るかもしれない。ただ、使用の代償として「世の中に必要のない存在」と認識した人を殺めてしまう危険性が伴うとなると、いかがなものだろうか。
本書では、エモコン使用者が自分に関係のない他者を「必要ない」という理由だけで殺してしまう。そのことにいち早く気づいた精神科医がエモコンの使用を止めるよう呼びかけるが、使用を止めない人も多かった。

いかに他人より自分の幸福が大事と思って生きている人間が多いことか。現実も似たようなものだと思う。通勤時のラッシュでは自分も混雑の原因を作っている一人だということを棚に上げ、他人に舌打ちをし、ぶつかっても謝罪もしないような人もいる。このエモコン使用者が引き起こした一連の事件と同様の事件が現実で起こってもおかしくはない。(殺すまではしないとは思うが。)
テーマはタイトルどおり「鑑定」で、作中でも精神科医とその妻がいろいろ仮説を立てて講釈しているのだが、そちらはあまり頭に入ってこず、エモコン事件の異常性の方にばかり目が行ってしまった。
無差別殺人というのはどうにもなくならないものなのだろうか。

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2024年09月21日

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