山田宗樹のレビュー一覧

  • 聖者は海に還る

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    非常に読みやすかった。
    冒頭から、学校で射殺事件が起こるというものすごい始まりかただったが、メインはこの事件ではない。ここはもうちょっと膨らませられなかったのかなとやや疑問。
    テーマは、行きすぎた心理療法。環境に適切に順応させようというカウンセリングは、つまり環境を是としありのままの心を否定しているわけであり、心を操作していると考えることができる。それって本当に正しいことなんだろうか?という問題提起や、意のままに心を操作された二人の末路が描かれる。面白さも怖さもある小説でした。
    ところどころ、もう少し膨らませてほしいと感じた点が少しだけ残念。あと、主人公の女性の行動にはけっこう何度も嫌悪を感じ

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    2013年01月17日
  • 聖者は海に還る

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    催眠療法に関して、個人的に深く興味を持っていた為、内容が いつも以上に興味そそられるものだった。

    催眠療法を勉強してた高校時代の自分と子供たちを重ねつつ、今の自分と律の年ごろを重ね、彼女の包容力に感動したり…。

    潜在意識の領域は本当不可思議。潜ってみたい。
    著者の参考文献多い。読んでみたい。

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    2012年12月02日
  • 乱心タウン

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    マナトキオという、壁に守られた超高級住宅街の中で次々に起こる不思議な事件。

    これか、続々と語られているけど、オチがつく人もいればそうでない人もいて。
    バカだなぁ、と思いながらも続きが気になるはらはら感もあり。面白い。
    映画とかになりそうな感じに住民が動いていくんだけど、それぞれが自分勝手で利己的で最低。なので、心置きなく不幸を笑える気がする。非常に軽快。
    が、結局勧善懲悪とはいかず。

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    2012年11月07日
  • 聖者は海に還る

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    導入は衝撃的でしたが、最後はするんと終わって安心した感じ。
    もう少し長く深く読みたいと思えたので幸せな後読感。

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    2012年08月27日
  • 聖者は海に還る

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    人の心の中を舞台にした話。
    催眠療法という、特殊な設定が独特のおどろおどろしさを、生んでいます。
    いつ、話が動くんだ、最初からの伏線がいつ爆発するんだと読み進めながら結局良い話で終わる。
    ラストで逆に暖かい気持ちになれました。

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    2012年05月12日
  • ジバク

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    おもしろかった!!
    救いようの無い転落人生なのに、希望が感じられるのは、貴志が前向きで、客観的には成功だと言われるような生活を失ってしまっても「仕方ない」と割り切ってしまっているからかもしれない。
    決して、幸せはお金の量と比例しないと感じられた。
    どんな状況でも人は生きて行くし、どん底だと思っても更に深い底はある。絶望や諦めることなく、前向な気持ちで生きて行ければ幸せなのかも。

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    2012年04月11日
  • 天使の代理人(下)

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    ネタバレ

    現在子どもが欲しい私には非常に
    心へガツーンとくる話でした。
    最後はイイ終わり方だったな~
    でも、マーヤは妊娠した友達にどのようなことをしてあげたのか
    謎だ~(私の文章理解力不足か。。。)

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    2012年03月21日
  • 天使の代理人(上)

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    これとても男性作家が書かれたと思えないぐらい
    人工中絶のことにガッツリ入り込んでて、
    女性なのに全然知らなかった自分が情けなく思いました。
    でも色々考えさせられます。

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    2012年03月21日
  • ゴールデンタイム

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    今の時代って、自由に生きることを強要されてます。
    それでも誰にでもシバリはあるし、できないこともある。自由に生きて大成功するなんて、よっぽどの努力と運とタイミングに恵まれた人だけ。自分のやりたいことが見つからないなんてのもよくある話。
    そんな息苦しい自由のなかでのもどかしさ、葛藤を書いた本だと思う。主人公2人は上手ではなくとも自分らしく生きることを選ぶ。前作の松子が最後で「コトリ」という音を立てたのもそういうことだったのか?

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    2012年02月27日
  • ゴールデンタイム

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    「嫌われ松子の一生」で、松子おばさんの遺体を発見し、第2の主人公として活躍した笙と、元彼女の明日香の物語。
    若者の自分見付けがテーマかな。

    今作もたくさんの参考文献を元に書かれており、演劇や医学の入門についても主人公達と共に味わうことができた。

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    2012年02月05日
  • 死者の鼓動

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    脳死、心臓移植について、深く考えさせられた。
    移植の描写も細かく、目の前で手術に立ち会ったかのように感じた。

    ミステリーという要素は低いかな。

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    2012年01月22日
  • 直線の死角

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    真相は最初からうっすら予想はついたが、それでも一気に話に引き込まれ、最後まで面白かった。
    名作!!
    「天使の代理人」と、この本で、すっかり山田宗樹ファンになった。

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    2011年10月30日
  • 天使の代理人(下)

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    『私にとって中絶は、時間を超越した自死だったのかもしれない。』

    テーマは人工中絶。「人工中絶の是非」ではなく、あくまで「人工中絶」。そもそも1か0で判断できるテーマでないことは自明の事実であり、それを逆手に取ってこそのストーリー展開。考えさせられるっていうよりは、考えるきっかけを与えてくれる、そんな構成。個人的には、嫌われ松子の一生よりだいぶ好き。

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    2011年10月02日
  • ジバク

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    忘れたころに読み返そうと思う。ただ、忘れられるか?


    世の中には読んだことで後悔してしまうような本がある。悪い本という意味ではない。物語に引き込まれすぎて本で読んだ情景や、感情がトラウマになって残ってしまうのだ。
    そうなるとしばらくは、ことあるたびに虚構世界のことを思い出して、現実世界に居たたまれなくなる。これもPTSDの一種かな。読まなければ、こんな思いをしなくてよかったのに。。。トホホ。という後悔。

    僕にとって、山田宗樹氏の「嫌われ松子」がそれにあたる。何かあると作品の情景を思い出して、悲壮感に包まれてしまう。
    ただ、この作品は女性が主人公だからまだ良かったが、この「ジバク」の主人公は

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    2011年07月07日
  • ジバク

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    ネタバレ

    自業自得でどんどん落ちぶれていく。まさに「ジバク」という感じの本。

    1千億円を操るファンドマネージャーから奈落の底へ落ちていく。その落ちぶれ方が半端じゃない。

    自暴自棄になる前にこの本を読んだら案外希望を見いだせるかもしれない。

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    2011年05月22日
  • ゴールデンタイム

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    ネタバレ

    嫌われ松子の一生の続編。やっぱり山田宗樹は面白い。

    嫌われ松子を読んで面白かったと思った人はまず読んで正解だと思う。

    「医師」という夢を持って邁進する明日香と、定職に就かずその日暮らしの生活を続ける笙。

    青春って大人になってからでもあるんだな。とても爽やかな小説だた。

    最後のういろう売りの場面がとてもいい。

    夢を叶える人は必ず夢を持っているんだと思う。

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    2011年05月22日
  • ゴールデンタイム

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    ダブル主人公の視点で描かれているのは「嫌われ松子」と同様のスタイル。
    だらだらと進んでいく二人の「その後」は盛り上がりがなく思えたが、最後の十数ページで訪れる興奮は、「やっぱり嫌われ松子の作者だ」と感じた。
    それでも嫌われ松子のおインパクトが強かっただけに多少見劣りしてしまうかも。

    赤木のその後を描いた「八雲にて」は知りたくない内容だった。現実もそんなもんなんだろうけど。

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    2010年04月02日
  • 聖者は海に還る

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    「嫌われ松子の一生」の原作者の人だーと思い手に取ってみる。
    人物のイメージがしやすいので、映像作品になりやすいのかな。

    事件に始まり、疑念、そして静かな終わりを迎える。
    その過程にあるものは心という不確かなもの。
    心って目に見えないから、たくさん迷って、たくさん傷ついて、強くなっていくんだと思う。
    心を強くするのは人生の目的じゃないけど、生きるために必要なこと。
    見えない心を見えるようにしたら、心は固定されて疑問や疑惑をもてなくなる。
    ストレスにさらされても、理解できないからいきなり体にくる。
    そしていつかは心が壊れる。

    自分が何をしているか意識がない。
    別の人格が発動する怖さ、立っている

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    2009年10月04日
  • 直線の死角

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    この本を何故読んだかというと、今勤めている会社の人がまだ
    勤務しているときに書いた本だからです。
    私は直接接点はなかったのですが、私の同期や会社のテニス仲間らしき人物が
    随所に登場していると聞いて、違う興味で読みました。

    しかしそれを抜きにしても面白い本です。

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    2009年10月04日
  • 天使の代理人(下)

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    天使の代理人と名乗る中絶を思いとどめる人達。
    人違いで中絶されてしまった人。
    同姓同名の人を捜し出し殺すつもりがその人の出産を助けていく。

    中絶について考えさせられます。
    胎児は物か人間か?
    中絶医療の進め方中絶医のあり方など、知れます。

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    2009年10月04日