山田宗樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
非常に読みやすかった。
冒頭から、学校で射殺事件が起こるというものすごい始まりかただったが、メインはこの事件ではない。ここはもうちょっと膨らませられなかったのかなとやや疑問。
テーマは、行きすぎた心理療法。環境に適切に順応させようというカウンセリングは、つまり環境を是としありのままの心を否定しているわけであり、心を操作していると考えることができる。それって本当に正しいことなんだろうか?という問題提起や、意のままに心を操作された二人の末路が描かれる。面白さも怖さもある小説でした。
ところどころ、もう少し膨らませてほしいと感じた点が少しだけ残念。あと、主人公の女性の行動にはけっこう何度も嫌悪を感じ -
Posted by ブクログ
忘れたころに読み返そうと思う。ただ、忘れられるか?
世の中には読んだことで後悔してしまうような本がある。悪い本という意味ではない。物語に引き込まれすぎて本で読んだ情景や、感情がトラウマになって残ってしまうのだ。
そうなるとしばらくは、ことあるたびに虚構世界のことを思い出して、現実世界に居たたまれなくなる。これもPTSDの一種かな。読まなければ、こんな思いをしなくてよかったのに。。。トホホ。という後悔。
僕にとって、山田宗樹氏の「嫌われ松子」がそれにあたる。何かあると作品の情景を思い出して、悲壮感に包まれてしまう。
ただ、この作品は女性が主人公だからまだ良かったが、この「ジバク」の主人公は -
Posted by ブクログ
「嫌われ松子の一生」の原作者の人だーと思い手に取ってみる。
人物のイメージがしやすいので、映像作品になりやすいのかな。
事件に始まり、疑念、そして静かな終わりを迎える。
その過程にあるものは心という不確かなもの。
心って目に見えないから、たくさん迷って、たくさん傷ついて、強くなっていくんだと思う。
心を強くするのは人生の目的じゃないけど、生きるために必要なこと。
見えない心を見えるようにしたら、心は固定されて疑問や疑惑をもてなくなる。
ストレスにさらされても、理解できないからいきなり体にくる。
そしていつかは心が壊れる。
自分が何をしているか意識がない。
別の人格が発動する怖さ、立っている