Posted by ブクログ
2012年10月06日
今までお産の小説はいくつか読んできたけど
全部医師がメインだったから、
今回助産師と妊婦さんとそれに関わる女性が中心のストーリーを
新鮮な気持ちで読みました。
同じ女として、医師とは明らかに違う目線に立って(女医さんは別として)
お産を助ける助産師はとても素敵な仕事だと思いました。
お産が好きでや...続きを読むってきたのに、人工妊娠中絶の介助を
しなければならないというのはどれほど辛いことなのか
本人ではないと語れないと思います。
もともと中絶なんか絶対だめと思っていた私ですが、
今回改めて強く思いました。
もちろん特殊な場合は除いてです。
どうしたら感覚も感情も持っている胎児をそんなものに例えられるのか。
命を軽く考えること、無知、軽率な行動は罪にも値する。
それでも、賛同はできないけど、
こういう風に考える人もいるのだと、
人の価値観・生き方はそれぞれなのだと
思わされました。
思いがけず生きて出てきた子どもが、助産師に訴えた言葉に
自分の命が危険なのにも関わらず、赤ちゃんを助けてと叫ぶ妊婦に
どんな子でも自分の子と言う若い妊婦に
その妊婦の手伝いをすることになった、
人違いで中絶させられた女性の優しさに
その4人が繋がっているということに
最後は涙が止まりませんでした。
この本は、中高生や大学生の若い人みんなに読んでもらいたいです。
特に男の子は自分のことじゃないからこそ、
お母さんから無事に生まれてきた1人の子どもとして
女性が妊娠するということ、中絶するということついて
深く考えるきっかけになればと思います。
胎児は人間です。