あらすじ
生命を誕生させるはずの分娩室で行われた後期妊娠中絶。過去、数百にのぼる胎児の命を奪ってきた助産婦・桐山冬子はある日、無造作に放置された赤ん坊の目に映る醜い己の顔を見た。その時から罪の償いのために半生を捧げる決意をした彼女は、声高に語られることのない“生”を守る挑戦を始める―。胎児の命、そして中絶の意味を問う衝撃作。
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Posted by ブクログ
後期中絶を含め沢山の胎児の命を奪って来た助産師の、胎児の代理人としての自費出版、テレビ出演、説得活動に、人違いによる中絶等。妊娠したアイドルへの産まなきゃ良かったと言う人に会った事がない等は綺麗事に思え、ネット掲示板の飄々とした中絶擁護派がある意味魅力的に描かれ相手よりも感情論でない気がして、複雑。
Posted by ブクログ
中絶に何年も携わってきたベテラン看護師、病院の手違いで間違って中絶された若い妊婦、努力と行動力で何でも思いどうりに人生を進めてきたキャリアウーマンの三人の視点で話が進む群集劇。人口中絶がテーマ、現状がリアルに書かれており、胎児は人間か否か、望まれない妊娠、女性を守る為、人工死産としての処置等々…考えさせらる…中絶は必要としても余にも簡単に出来てしまうのは是正すべきかと。物語としても三人+一人が徐々に重なり合い無理のないハッピーエンドで終わる、有希恵が書店で始めて天使の代理人に出会うのも◎、久しぶりにいい作品に出会った!
Posted by ブクログ
今までお産の小説はいくつか読んできたけど
全部医師がメインだったから、
今回助産師と妊婦さんとそれに関わる女性が中心のストーリーを
新鮮な気持ちで読みました。
同じ女として、医師とは明らかに違う目線に立って(女医さんは別として)
お産を助ける助産師はとても素敵な仕事だと思いました。
お産が好きでやってきたのに、人工妊娠中絶の介助を
しなければならないというのはどれほど辛いことなのか
本人ではないと語れないと思います。
もともと中絶なんか絶対だめと思っていた私ですが、
今回改めて強く思いました。
もちろん特殊な場合は除いてです。
どうしたら感覚も感情も持っている胎児をそんなものに例えられるのか。
命を軽く考えること、無知、軽率な行動は罪にも値する。
それでも、賛同はできないけど、
こういう風に考える人もいるのだと、
人の価値観・生き方はそれぞれなのだと
思わされました。
思いがけず生きて出てきた子どもが、助産師に訴えた言葉に
自分の命が危険なのにも関わらず、赤ちゃんを助けてと叫ぶ妊婦に
どんな子でも自分の子と言う若い妊婦に
その妊婦の手伝いをすることになった、
人違いで中絶させられた女性の優しさに
その4人が繋がっているということに
最後は涙が止まりませんでした。
この本は、中高生や大学生の若い人みんなに読んでもらいたいです。
特に男の子は自分のことじゃないからこそ、
お母さんから無事に生まれてきた1人の子どもとして
女性が妊娠するということ、中絶するということついて
深く考えるきっかけになればと思います。
胎児は人間です。
Posted by ブクログ
『嫌われ松子の一生』を読んで
あまりにも面白かったんで、ついでに買ってみた本。
松子とは全然違うけど
次が気になってサクサク読める所は一緒!
若干、表現がリアルで貧血起こしそうになったけど
とにかく、はまる…!
Posted by ブクログ
命とは何か?を考えさせられます。小説中盤に出てくる、中絶に対する討論場面が印象的です。命はライフスタイルと引き換えにできるものなのか・・・?また、精子バンクで相手を見つける女が登場し、生命の誕生とはそんな簡単なものなのか?という気持ちにもなります。
Posted by ブクログ
ドラマで見たのをきっかけに、原作へ。
ドラマとは違う設定も多く、どちらかというと私はドラマの方が好みだったかな。
しかし、男性である著者が、ここまで「中絶」というテーマに迫り、著したということに心から敬意を表したい。
桐山冬子の願いは、この本の出版・ドラマ化で確実に大きな一歩を踏み出したと思う。
ドラマを見ていない人は、読むことを薦める、というより、絶対読んで欲しい。
Posted by ブクログ
中絶がテーマのお話
そういった類の話は僕の身の回りでは全くなくて、読み進めるとショック[e:350]を受けたりなるほど[e:451]と思ったり勉強になりました
まずビックリなのは中絶してる人数の多さ
また病院によっては経営上の都合から法律違反である妊娠後期での中絶を受けてるところもあり
そんな後期では胎児も人の形になっていて、赤ちゃんを殺すような処置を強いられる
出生の手助けをしたいと思い産婦人科に勤めた看護士などが迎えるそんな現実…
耐えられないなぁと思いましたね[e:286]僕なら精神的におかしくなります
そんな人達が何とかしようと活動を始めて、少しずつでも中絶を思いとどまらせていく姿にちょっぴり感動
ただね、いざ当事者となるとねぇ…特に学生時代で相手を妊娠させたとなると中絶という逃げ道に行ってしまいそうな気がしますね、情けないですが
これを機に責任持って生きないといかんなと思いました…何事も
ちょっと誤解されそうですが、この作品はフィクションです
小説として見ると予想を超える展開はないですが、一気に読める本だと思います
匿名
出産と中絶のストーリーだとはわかりましたが、現在と過去があり。登場人物も変わるためどんな展開になるのか興味津々でした。少しずつピースがはまってゆき、こんな風に繋がっていたんだ!と、驚きました。
続きが気になって、すぐにでも下巻を読みます!
Posted by ブクログ
人工妊娠中絶の是非を問う問題作。テーマは重たいが、一気読み必至の作品。
目に見える命と目に見えない命。目に見える命が失われることの意味は言わずもがな大きい。しかし、目に見えない命がどれだけ失われているのかということにはあまり注目されていない。殺人事件は報道されるが、堕胎について報道されることは非常に少ない。それだけ見ず知らずのところで行われていることになる。
望まれる命と望まれない命。その基準は何処に。
Posted by ブクログ
人工妊娠中絶を取り扱った作品。積極的な賛成派、消極的な賛成派、否定派。どの立場の主張も間違っているとは言い切れない。だから、難しい問題なのだなと感じた。
「天使の代理人」活動、ネットワークがどうなっていくのか。下巻に期待。
Posted by ブクログ
これとても男性作家が書かれたと思えないぐらい
人工中絶のことにガッツリ入り込んでて、
女性なのに全然知らなかった自分が情けなく思いました。
でも色々考えさせられます。
Posted by ブクログ
中絶についての考え方は人それぞれですが、賛成・反対に関わらず、文章がなめらかで読みやすくて一気に読めちゃう。
この人の表現力というか読者を惹きつける力は凄いものがあるなぁと改めて実感しました。
それから、命を生み出すシステムに携わっている人たちってやっぱり凄いなぁと。
中途半端な覚悟では出来ない仕事ですよね。
Posted by ブクログ
作者はなぜ人工妊娠中絶というテーマを選んだのだろう?
男性にとっては、あまり読む気にならない小説かもしれません。
年代が前後しながら話が進むスタイルは「嫌われ松子」と似ていて、個人的には苦手なのですが、それでもあまり混乱せずに読めました。(下巻に続く)
Posted by ブクログ
人の親になる、子を持つ。改めて現代に問われている問題だと思う。少し昔までは産んで育てては女、働いて支えるのは男といったのが当たり前でよくも悪くもそれがどうとかいうのもなかった。そして医療も現在と比較して中絶という選択肢もほぼなかったためできたら産むという流れかなと。
しかし今は人々の意識が変わり、人が個人として尊重されるようになり。個々人の人生は自分で選択する時代となった。そして中絶という選択肢もある。その中で何故産むのか、そしてその責任を取らねばという意識が以前にも増しているかのよう。しかし子どもの権利条約もある。産まれてくる胎児も人間であり、子どもであるか。
その感覚、意識を今私たちは鮮明に問題として示されている。
Posted by ブクログ
重いぜ....。
読みやすいのでガンガンいけるが
テーマがテーマだけに、
そんなの結論出るわけねーだろ
と、思いつつスッキリしないまま読み続けるのだった。
Posted by ブクログ
生命を誕生させるはずの分娩室で行われた後期妊娠中絶。数百にのぼる胎児の命を奪ってきた助産婦・冬子がその時見たものは、無造作に放置された赤ん坊の目に映る醜い己の顔だった-。生命の尊さを描いた胸に響く衝撃作。
Posted by ブクログ
後期妊娠中絶を扱ってきた助産師の冬子。
ある日、一人の赤ん坊を中絶させた時に自らの行いに耐えられなくなる。
その日から、冬子は中絶手術の残酷さを訴え、少しでも中絶を留まって欲しいと思い、本を書いたりと活動を始める。
当たり前に日々行われているであろう中絶手術に深く切りつける衝撃作。
2014.4.24
Posted by ブクログ
中絶を問いた本。
結構生なましくて、これを読んだらよっぽどのことがないかぎり、
中絶を考える人は減ると思う。
「天使の代理人」って言葉が印象的。
Posted by ブクログ
中絶をテーマにした本。手術をキャンセルした人と間違えられて行われた望まない中絶。中絶を減らすために活動をする人たち。いろんな人たちが出てきます。下巻は展開が早いので一気に読めますよ。