あらすじ
胎児の命を守る“天使の代理人”という組織を運営する桐山冬子。突然銀行でのキャリアを捨て精子バンクを利用する出産を決意した川口弥生36歳。妊娠が分かった直後、人違いで中絶させられた佐藤有希恵26歳。一時は中絶を考えたが産み育てることを選んだ佐藤雪絵20歳。それぞれの人生と“天使の代理人”が交錯した時、奇蹟が起ころうとしていた。
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Posted by ブクログ
産むんじゃなかったと言われた過去のある中絶擁護派、外国のエリート達のバンクを利用し自宅で人工受精し障害どころか女の子であるというだけで中絶を希望する女性等、考え方がそれぞれしっかりと違い多角的な所がとても良い。脅迫、懲罰と加速する活動仲間、堕胎に立ち会う苦しさ。新米父の責任だけ素直に喜べなかった。
Posted by ブクログ
【上】に続きサクサク進めます。
この人引き込み方が、すごいツボ!
妊娠中絶をテーマにした内容なんだけど、
読み終わった後、考えさせられます。
中絶は殺人か、医療行為か。
殺人になっちゃうのかもしれないけど、
後先考えずに育てられないのに産むのも
もっと問題だと思う…。
男の子以外産まない!って言った
シングルマザーの話は感動。
ホントに作者は男か?!って思う位
登場人物の心情とかを繊細に書いてるし、
はまる。とにかくはまる。
とにかく若い結婚してない女の人は是非読むべきだし、まぁ結婚してても、
そして男の人も、特に若い!読むと良いと思う。
泣いちゃう。
Posted by ブクログ
巻を読み終わったら すぐに下巻を読まずには いられなかった・・・
天使 = 胎児のことで、中絶しようとしている人に 思いとどまってもらって
赤ちゃんの命を 守るべく “天使の代理人”という組織を運営していく
助産婦さんや看護士さん達の行動がすごく感動的だった
例え それが 犯罪行為だとしても 誰かがやらなかったら
救われなかった命を 思うと 正しい行為に思えた
途中 何回も胸を ぎゅうっと 掴まれる感じで 重い気持ちになって
溜息を 何度も ついてしまった・・・
すごく重いテーマだったけど 改めて命の尊さ 大切さを 感じた
自分自身も経験したことだから 余計に 辛かったけど 今はもう
前に進むしかない 何にも変えられない 大切な命の話・・・
男女、年齢関係なく 色んな人に読んでほしいなと思う 小説です
Posted by ブクログ
ドラマで見たのをきっかけに、原作へ。
ドラマとは違う設定も多く、どちらかというと私はドラマの方が好みだったかな。
しかし、男性である著者が、ここまで「中絶」というテーマに迫り、著したということに心から敬意を表したい。
桐山冬子の願いは、この本の出版・ドラマ化で確実に大きな一歩を踏み出したと思う。
ドラマを見ていない人は、読むことを薦める、というより、絶対読んで欲しい。
Posted by ブクログ
中絶をめぐる女たちの話。
自分が親になることへの不安が原因の人もいれば
人生設計を基準に考える人もいて
中絶の理由は本当に人それぞれ。
胎児の命を尊重すべきなのはわかるけれど
自分の人生が変わることに躊躇してしまう
女性の葛藤が生々しく書かれている。
また中絶に関する法律や現場の実態の描写が
まるで見てきたかのようにリアル。(だと思う)
これを書いたのが男の人だって言うのがびっくり!
将来子供が欲しい人も欲しくない人も
これは読んでおいた方がいい。
Posted by ブクログ
テーマは妊娠中絶の是非なのだが、本巻では組織暴走の恐ろしさも描かれている。最初は少人数で始めた組織でも活動が知られ、賛同する人が増えることで活動が活発になっていく。それはそれでよいのだろうが、その反面様々な思惑がメンバー内に交錯し始める。それは当初の目的から外れたものも少なくない。果たして、組織はどのような方向へ向かうのか、当初の目的はどうなるのか、といったところにも触れられている。これも現代社会が抱える闇の一つかもしれない。
最後はいきなり終わるのかという感じもしなくはないが、読んでおきたい内容の本であることは間違いない。
Posted by ブクログ
大きくなり、行きすぎた方針に変わってしまった『天使の代理人』。ひとつの事件を期に、穏健な方向へ軌道修正。(とはいえ、最後のエピソードは全然穏健ではなく強引だったけど)
ラストは、『天使の代理人』という組織の在り方からはフォーカスが外れ、個人のエピソードに収斂していった。この点、期待していた展開とは違ったのが少し残念。
とはいえ、非常に考えさせられ、感動ありの作品でした。
Posted by ブクログ
何人かの女性の視点で描かれる妊娠中絶への考え方。
胎児は人間なのか?中絶は殺人なのか?
重いテーマだ。
さまざまな年齢層、境遇、立場からの考え、また時代を前後しながらの描写。
男性の作者だとは思えないほど、女性の心理に深く触れていると思う。
簡単に中絶出来てしまう世の中に、考えさせられる作品。
2014.4.27
Posted by ブクログ
現在子どもが欲しい私には非常に
心へガツーンとくる話でした。
最後はイイ終わり方だったな~
でも、マーヤは妊娠した友達にどのようなことをしてあげたのか
謎だ~(私の文章理解力不足か。。。)
Posted by ブクログ
『私にとって中絶は、時間を超越した自死だったのかもしれない。』
テーマは人工中絶。「人工中絶の是非」ではなく、あくまで「人工中絶」。そもそも1か0で判断できるテーマでないことは自明の事実であり、それを逆手に取ってこそのストーリー展開。考えさせられるっていうよりは、考えるきっかけを与えてくれる、そんな構成。個人的には、嫌われ松子の一生よりだいぶ好き。
Posted by ブクログ
天使の代理人と名乗る中絶を思いとどめる人達。
人違いで中絶されてしまった人。
同姓同名の人を捜し出し殺すつもりがその人の出産を助けていく。
中絶について考えさせられます。
胎児は物か人間か?
中絶医療の進め方中絶医のあり方など、知れます。
Posted by ブクログ
終わり方がよかったです。
中絶は殺人だとは思いますが、確かに妊婦本人ではなく回りがどうこう言うのはどうなんだろうとも思います。どうしたらいいんだろう…本当に難しい問題だと思います。
Posted by ブクログ
中絶を題材にした話。
実際にこんなことがあったら、怖いとは思う。でも子供が欲しくても出来なくって苦しんでいる人はいるんだし、中絶はするべきじゃないと思った。
まだ自分が親になるとかということがないので、客観的に読んでたけど、親の立場に立ったとき違う感情がわいてくるのかもしれない。
Posted by ブクログ
妊娠中絶をやめて産む決心をした女性と、その女性と取り違えて中絶手術をされてしまった女性との一見奇妙な交流、そして人工授精で子供を授かった女性の決断と、話は盛り上がってゆきます。結局、産む産まないの決断を超えた力というものが存在するような気がします。
作者はかなり勉強して書いており、医学知識のある人が読んでも大きな違和感がないくらいの正確な描写となっていると思います。好き嫌いがあるとすれば、やや細かい描写が多すぎる点でしょうか。
いずれにしても、命の誕生を考えるきっかけになるような一冊だと思います。
Posted by ブクログ
あくまで中絶、妊娠、出産に関する価値観が一つに結論としてはまとまらない。しかしそれぞれの人物がそれぞれの経験の中で価値観が変容し、それぞれの思いとなって馳せていく。
どれが正解ではない。しかし妊娠というのは人間にとって単に体の変化というにはあまりにも単調過ぎる表現で、非常に考えさせられる大きな出来事である。
そんな事を通して人について、生命について改めて考えることができる問いかけ、内容となっている。
Posted by ブクログ
◼うしろに書いてあるあらすじ通り妊娠、中絶、にまつわった女性たちが交差しあう。ちょっと最後は意外な展開で、どうなるのどうなるの?と加速した。
映像化されそうな気もするね。
Posted by ブクログ
中絶件数が年間20万件以上あるそうです。反対に、不妊治療を受ける人も多いと聞きます。
天使の代理人は、中絶を少しでもなくそうとする有志のあつまり。志は高いけど、実際は個人情報の無断使用で犯罪でもあります。それを承知で彼女たちは代理人業を続けていくのですが。
代理人の考えは尊重されるべきものですが、ちょっと余計なお世話のようにも感じます。
中絶する側にもそれぞれの事情があるし、翻意して出産しても後から後悔してしまうこともあるのでは?
代理人は言うだけ言って、後の面倒は見ないわけですし。
いろいろと考えさせられる話でした。地名が具体的なので、現実味がありました。
Posted by ブクログ
やっと授かったわが子を同姓同名の中絶を予約していた人と取り違えられて、中絶させられるなんて、読んでいただけでも腹立たしかったし、悲しかった。
私もこんな状況になったら、同じ行動をとってしまうかもしれないなぁ。