山田宗樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ心理学って不思議な分野で、いい意味でも悪い意味でも裏切られることが多そうだなあとこの物語からも感じる。
まさにそんな心理学に基づき人間に対峙するカウンセラーは「聖者」たり得るのか。
「本当の自分」って一体どれ?と、誰もが考えたことのあるような普遍的な命題について、問いかけるような作品だった。
別宮の幼稚さには嫌悪感を覚えたが、実は別宮が拘る道も自ら選んだものではないのかもしれないーーそれを思うとただただ哀れな人だなあと思った。
興味深いテーマとセンセーショナルさの割に、結局少し安っぽさを感じる恋愛で終わったので物足りなさも感じたが、面白かった。何より、非常に読みやすいことは間違いない -
Posted by ブクログ
ネタバレ脳死の方の臓器を提供する事で助かる命がある。
そう考えたら良いことなのかもしれないけど…
臓器をもらう側が社会的地位がある人で、あげる側がごく普通かあるいは貧しい人だったら?
もらう側とあげる側が偶然知り合いだったら?
このお話の中では、仲のいい親友の少女2人の内一人が心臓が悪く、臓器移植待ちの最中にもう1人の少女が事故に遭う。
脳死になるかならないかの意識不明の状態。
さらに心臓を患っている少女の父は大学病院の教授でもある。
この子の臓器が手に入れば娘が助かるのに。
まあそう思わずにはいられませんよね。
だから恐い。
この誰かが死ぬことによって誰かが助かるという事が恐いと思った。 -
Posted by ブクログ
非常に読みやすかった。
冒頭から、学校で射殺事件が起こるというものすごい始まりかただったが、メインはこの事件ではない。ここはもうちょっと膨らませられなかったのかなとやや疑問。
テーマは、行きすぎた心理療法。環境に適切に順応させようというカウンセリングは、つまり環境を是としありのままの心を否定しているわけであり、心を操作していると考えることができる。それって本当に正しいことなんだろうか?という問題提起や、意のままに心を操作された二人の末路が描かれる。面白さも怖さもある小説でした。
ところどころ、もう少し膨らませてほしいと感じた点が少しだけ残念。あと、主人公の女性の行動にはけっこう何度も嫌悪を感じ