山田宗樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ不老技術が開発され、それを受けたものは100年しか生きられないという百年法が定められた架空の日本の話。「蘭子」「官僚・遊佐」「警察・戸毛」「蘭子の息子・ケン」「ドクター加藤」が主な語り部だけど、実質的主人公は遊佐とケン。ちょっと登場人物多くて途中混乱してしまったけど、随所に謎が散りばめられていて続きが気になってグイグイ読むことが出来た。
著者の小説は初めて読んだけれど、名詞や動詞ぶつ切りの文体が多く、それがかえって淡々とした印象で物語に合っていた。
百年法に対する人々の反応とかは、とてもありそうな感じ(国民投票で反対されるとか、拒否者村ができるとか)だけど、不老技術が開発されたとしてほとん -
Posted by ブクログ
ネタバレ2013年(第9位)。
太平洋戦争で原爆6つ落とされた日本。日本共和国として、HAVI(不老化処置)を受けるよう指導される。ただし100年後に生存権、人権はなくなる(100年法)。戦後が今と違う世界が前提。
かつ登場人物多い。名前と相関関係を覚えるのが大変で、なかなか読み進めない。のは前半だけ(前半前かも)。気づけば、読み進めている。
100年法が施行される頃、国民投票がなされる。100年法反対か賛成か。賛成多数。愚民のそしりは当然である。
そして、遊佐が首相、牛島が大統領となり、独裁国家を作った。
100年法が施行される前、対象者は生きたいと思った。100年法がえんきになって、対象者は自殺し -
Posted by ブクログ
ネタバレまたまた壮大なストーリーだった…。『人類滅亡小説』と似た感じと聞いていたけどこちらの方が好みだし読みやすかった。
この世界、むしろ宇宙が本当に神によって作り出されたものだったとしたら…という想像がとても膨らむ物語。
序盤が数学や物理学の話から始まったので理解できるか不安だったけど大丈夫だったおもしろかった。
自分の過去の出来事を数値にして公式にできたら未来のこともわかるのでは、という辺りはもうなんかなんで数字でそんなことわかるの?な文系丸出しの感想なんだけど数学って奥が深いんだね…?
今作を読んでよぎったのが、東野圭吾のガリレオシリーズのドラマで、湯川先生がなんでもかんでもトリックを数式で -
Posted by ブクログ
山田宗樹のsf小説は何故なのか非常に面白い。一気に読んでしまう面白さがある。
ある日突然現れた不可思議な数式を書いて消え去る少年。そこから神?との交信ひいては世界の有り様を変えてしまう出来事に発展していく。
世界を生きる意味とは何なのか、結局些細な事柄で自分の世界は変わっていく。全体としての世界は変わらなくとも自分から見た世界は変わっていく。そんな中に自分の生きる意味を見つけ出せるのか。
『気をつけなければならないのは、人はもやもやすると、相手も自分と同じ世界を見て、自分と同じように感じ、自分と同じように考えると、無意識のうちに決めてつける傾向があることです。そうすると、相手がどう考えい